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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
92/1098

ど-65. 藁人形なんてもの、知りません


藁人形…それは思いの丈を込めた愛の結晶

――かなぁ?




「旦那様」



「何だ?」



「少々、髪が伸びたのでは?」



「ん、…あぁ、言われてみればそうかもな」



「では失礼して、頭をかち割りましょうか?」



「断る」



「そんな、即答だなどと…それほどまでに私は必要ございませんか?」



「お前が何に驚こうとそれはお前の勝手だが、驚く前に自分で言った言葉を思い返してみろ」



「言葉、ですか?」



「そうだ」



「…確か、『旦那様を鈍器で混沌させ、その上で四肢を縛り抵抗を――』……なるほど、そう言う事ですか」



「何がなるほどだと俺は問いたい。そしてその物騒極まりない言葉、さっきと一字一句も合ってないじゃないか」



「分かりました。旦那様に仰られずとも全て分かっておりますとも」



「…なら言ってみろ。ためしに聞いてやる」



「つまり旦那様はこう仰られたいわけでございますね、『切った髪を何に使うつもりだ?……はっ!?ま、まさか呪いに』」



「物真似が微妙に上手いのがムカつくな」



「御褒めに与り恐悦至極。そして私の想像上の産物とはいえ旦那様におかれましては見事な推理かと」



「まて、それだと何か、俺がまるでお前の想像上の産物のように聞こえるじゃないか」



「まさか、そのような事は御座いません。旦那様はこうして私の目の前に確固として君臨しておられるではないですか」



「そうそう、珍しく分かってるじゃないか。…じゃ、なくてだな。そう言えばお前っていつも俺の髪を切った後に実に丁重に一本残らず髪の毛を回収していくよな?」



「遂にばれてしまいましたか。仕方ありません、白状しますと旦那様は呪われております」



「随分と素敵な告白ですねっ!?」



「そ、そんな。情熱的だなどと…身に余る御言葉でございます」



「ホント身に余ってそうだよ。……で、呪われてるって何よ?」



「旦那様は私の記した『愚痴ノート』を所持しておりますので。ちなみに先の髪の毛の件とは一切の関係は御座いません。旦那様のお切りになられた髪の毛は私が責任を持って焼却処分しております」



「ああ、そう言えばそんなものがあったか。そして今このタイミングでそれを言う必要はあったのか、と問いたい」



「当然、ございません。旦那様がお一人で勘違いなされたのが愚かであるとしか言いようがありませんね。最もそう仕向けたのは他でもないこの私ですが」



「……そうか。しかしちゃんと燃やしてるって言うんなら心配する必要はないな」



「はい、大切な大切な旦那様のお身体の一部が悪質な呪いに用いられるなどと言う事は万に一つもございません。………私用以外はですが」



「おい待て」



「なんでございましょうか、旦那様?」



「今の言葉に一番聞き捨てならない言葉があったのだが?」



「そんな、旦那様は私が旦那様の事を大切であると言う事を否定なされるのですか?」



「私用ってなんだよ?」



「…話を流すのが御上手になられましたね、旦那様」



「まあな。で、私用ってのはなんだよ?」



「言葉の通りでございます。鑑賞用、保存用、藁人形の呪い用と三種類に取り分けた旦那様の髪の毛でございますが?」



「お前はどこのストーカーですか」



「軽い冗談です。本気になされましたか?」



「………、した。と、言うよりも俺としては今のが本当に冗談だったのかが非常に心配なのだが」



「本当に冗談でございます。私は旦那様と異なりましてそのような熱狂的、狂信的な行いは一切行っておりませんので。旦那様のようにちょっと気になる女性の方の髪の毛を持ち帰って一人部屋でにやにやと不気味に笑ってしまわれるような趣味は持ち合わせておりません」



「俺もねぇよ」



「当然でございます」



「…自分で振っておいて随分な物言いですね?」



「しかし、ムキになられるところが若干怪しいかと…」



「何それっ!?お前はそこまでして俺を犯罪者まがいの異常者にしたいの!?」



「いえ、まさかそのような恐れ多い事」



「…本当に?」



「はい」



「そっか。そうだよな、いくらお前だって、なぁ…?」



「ええ、そもそもとして今更ではございませんか。まがい、などとご謙遜なされずともよろしいのですよ?」



「何、その生温かい目は!?俺無罪だよ?無罪ですよ??…つか一体どんな話の流れで俺が異常犯罪者だって事になるのよ!?これっておかしくね?」



「それでは旦那様、髪を切る準備をしてまいりますので少々お待ち下さいませ」



「そうそう、元はと言えば俺の髪が伸びてきたから…って、それこそどんな話の流れだよ!?」



「はい、流石は旦那様の資質であると、私も非常に感心を持っております。どのような会話からでも常にご自分を貶められるとは」



「つかよ?それお前がそうしてるだけじゃないの?」



「照れてしまいます」



「照れるなよ!?間違ってるよ、それ!!」



「では旦那様、名残惜しいですが本当にこれで。準備を整えて参りたいと思います。………旦那様の髪はいつ撫でてもさらりとして心地良いですね」



「ちょ、おま…。……ちっ、文句言うも間もなく出ていきやがった。と、言うよりも恥ずかしがって逃げたのか?まあいつもの事だが……今度からは切った髪の毛は自分で処分する事にしよう、うん」





本日の一口メモ〜


旦那様は呪われています。


…それとはまったく関係なしに、旦那様の近辺の作業はメイドさんが精根こめて行っています。

ただ旦那様が自分でしちゃったり、料理部みたいに奴隷たちにやらせたり、と結局あまり旦那様のお世話ができていないメイドさんですが。



旦那様の今日の格言

「自己管理怠るべからず、だ」


メイドさんの今日の戯言

「ふふっ、私がいなくては何もできない旦那様」


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