ど-552. 恋する幼女
黙っている程、大人しくない。
シャトゥ×アルーシア
「――」
「……シャトゥルヌーメ様」
「うむ? ああ、下僕二号ちゃんですか。何かご用でしょうか?」
「……シャトゥルヌーメ様、寂しそう」
「――そうですか?」
「……はい。何か変」
「いえ、それでは駄目です。私は基本的にいつも変なのでそれでは私が寂しそうな理由にはなりません、下僕二号ちゃん」
「……凄くまとも」
「成程。確かに……下僕二号ちゃんにはやはり気付かれてしまいますか」
「……はい」
「流石は我の下僕二号ちゃんです。……良い子良い子して上げます」
「……!」
「良い子良い子、下僕二号ちゃんは本当に良い子なのです」
「……(てれてれ)」
「……ふみゅ」
「……シャトゥルヌーメ様?」
「下僕二号ちゃん、私、……実は恋する幼女なのです」
「……!」
「ふふ、我の突然の告白にびっくりしましたか?」
「……(こくこく)」
「我も少しびっくりですが、何となくこの切ないちっちゃなお胸の内を誰かに聞いてほしくなったのです」
「……ちっちゃな胸の内」
「永遠の成長期ですから!」
「……?」
「合法ロリとも言います? ……何となくバカにされているのは私の気のせいでしょうか?」
「???」
「いえ、そんな事は今は良いのです。そして本当にどうでもよいのです。それより、……下僕二号ちゃん、いえアルア?」
「……はい」
「恋とは……とても楽しい反面、あんまり美味しくないのです」
「……美味し?」
「あ、そっちはお魚の鯉でした。間違えました。そうではなくて、故意とは“わざと”って意味なのです。アルアは知っていましたか?」
「……?」
「うむ? これも微妙に違う気がします。故意……来い? ……鯉、濃い……変、は違うので、――そうっ、恋なのです!!」
「……恋」
「うむ。私は変する幼女なので胸がドキドキ、頭の中が真っ白のむしろレムへの愛しさいっぱいです!」
「……れむ」
「うむ。私の何より大切で大好きな――異界の愛し子、……? 異界の愛し子って何ですか?」
「……?」
「つまり何が言いたいかと言うとですね?」
「……(こくん)」
「レム狩りをっ、――始めるじょ!」
『おおお、おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』
「……舌を噛んで痛いのです」
「……?」
「どうかしたの、アルア?」
「今、何かいっぱい声が聞こえました」
「声? それはきっと気の所為かレムを倒して轟き上げろと言う正義の雄叫びなので気にしなくてオッケーです」
「……(こくん)」
「簡単に言うとレムに逢えなくて寂しいので一緒に探しに行きましょうか、アルア」
「……(こくん)」
「――へいっ、ルルっ、カモンッ!」
――キュゥゥウ!!!
「目指すは彼奴の首のみっ! いじゃ、進むのです、ルル!」
「……シャトゥルヌーメ様、大丈夫ですか?」
「……いえ、また舌を噛んでとてもとても痛いのです。これも全てレムの謀略! この愛しさを胸に秘めてっ、いざ往かん! ゴー、ルル!」
――キュ!
シャトゥ、第二の旅立ちの時?
そのころメイドさん、残念思念のルーロンさんと死闘を繰り広げております。毒入りのお茶出したり、ファイ製の料理を出したり、寝込み襲ったり、等。