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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
91/1098

ど-64. 集まれ、集まれ、蝶々の様に


おしゃれって、したいのです



「よ、お…?」



「…旦那様?」



「――」



「旦那様?」



「――」



「旦那様っ!」



「…はっ!?俺は一体」



「旦那様、いかがなされたのですか?」



「あ、あぁ、何か見てはいけな…?」



「…旦那様?」



「――」



「旦那様っ!」



「はっ!?俺は――」



「旦那様、いい加減にしてくださいませ。何をそのように驚きになられているのですか」



「…いや、だって、お前………その服装、何?」



「何、とはどのような意味合いで……変、でしょうか?」



「変じゃない。変じゃないのだが…いつものメイド服はどうしたんだ?」



「いえ、偶には気分を変えようと思いまして。…ですがやはり似合いませんか?」



「いや、だから似合ってないわけじゃ、むしろ似合いすぎててヤバイ感があるのだが…それは今はいいとしてだな、一体全体どんな心変わりだよ?」



「旦那様にご報告するほどのものではないのですが……聞きたいですか?」



「ああ。むしろ聞かせろ今すぐ聞かせろ。じゃないと俺に後々で危機が迫ってきそうな気がする」



「旦那様は相変わらずの被害妄想持ちでいらっしゃる。しかし旦那様がそれほど私の事を知りたいと仰られるのでしたら私に断る理由などあろうはずもございません」



「で。一体全体どうしたんだ?」



「いえ、本当に大したことではなく、少々自室の部屋を整理しておりましたら懐かしくもこの服を見止めまして。服は着てこそ価値のあるもの、そして旦那様は価値のないもの、それにこの服は頂いたものでしたので、衣装棚にしまっておくのは心苦しいですし、せっかくの服と言う事で着てみましょうかと思い立った次第でございます」



「へぇ…と、よく見ればそれって確か…」



「はい。アルーシアが拙いながら作ってくれたものです。ほら、ここなどに綻びがあるでしょう?これを縫う時、親指を刺してしまって――」



「いやいい、長くなりそうだから」



「…そうですか」



「別に残念がらなくても後でちゃんと時間を取って聞いてやるよ」



「……本当ですか?」



「ああ、ホント。嘘は言わないって」



「分かりました。では後ほどを楽しみに待つ事に致します」



「ああ、そうしろ。で、ふむ…………成程、よく見れば確かにアルの趣味っぽいドレスだな」



「はい。しかし旦那様にお見せするのはこれが初めてになるかと思いますが、いかがでしょうか。似合っておりますか?」



「おう。さっきも言ったと思うがばっちり似合ってるぞ。白と黒を基調としたシンプルな作りのドレス、流石見る目があると言うか、どういうべきか、メイド服以外を見るのは久しぶりだから、余計に際立ってるって言うか、…そう言えばその恰好を見て、他の奴らの反応はどうだったんだ?」



「はい、それが大半の方々は私の姿を見るなり全速力でお逃げになられてばかりで、そればかりか先の旦那様のようにその場で硬直、もしくはその場で意識を失われる方までおられる始末。私としましてはこの服装がそこまで似合っていないのかと、少々落ち込んでおりましたところでしたが」



「いや、それは……あぁ、そいつらの気持ちは分かるなぁ」



「そうなのですか?」



「ああ、非常によく分かる。それでさ、もしかして今日に限って不特定多数の視線を強く感じるとかって、なかったりしないか?」



「ええ、はい。その通りでございます。もしや旦那様が…?」



「いや、俺じゃないけどさ。つかお前の事だから誰に見られてるかくらいはちゃんと把握しるんだろ?」



「はい…………と、言うよりも旦那様?」



「何だ?」



「私が旦那様のお部屋に失礼するまでの間に出会った方々の人数が総勢84名。その内で意識を失いになられたのが14名いらっしゃいますが――」



「…あぁ、なんとなくわかったよ」



「はい。残り70名ですが、いますね」



「ああ、確かにいるな。しかも多分増えてると思うぞ」



「私も旦那様の意見に同意いたします」



「…いっその事部屋の中に入れるか?」



「いえ、ここは正しくしつけをする必要があると思われますので、ご自分の仕事を放り出し今あのドアの外にお集りになられている皆様方には後でちゃんとした処罰を与える事に致します」



「いやぁ、それはある意味可哀そうだと俺は思うのだが」



「旦那様は彼女らをお見逃しになられるおつもりで?」



「いや、まぁ、お前が処罰を与えるって言うのなら俺は反対しないけど、自業自得って面も確かにある事だしな、でも、まぁ、同情はするわな」



「…そうですか。それはそうといたしまして、では私はこれで――彼女らを少々戒めて参る事に致します」



「ああ。………程々にな」



「良しなに」





本日の一口メモ〜


今回で何度目かのご登場ですが、『アルーシア』の名前が出ております。詳しい説明はあえてしません!


それとメイドさんはいつもメイド服姿です。それ以外を着るなど、ないと言っていいでしょう。

その姿に見とれた84名以上がその衝撃で犠牲に…(笑)



旦那様の今日の格言

「ヒトは極度に驚いた時、思考を止める」


メイドさんの今日の戯言

「皆さま方、失礼ですっ」


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