ど-544. となり
久し振りにぐっすりと快眠しました。……9時間くらい?
「頬を抓る……うん、痛い」
「……(すぅすぅ)」
「隣に寝てるアルアも……うん、別に幻覚とか、俺の妄想が生み出した存在ってわけじゃなくてちゃんと実体持ってる本物だ」
「……(すぅすぅ)」
「さてはあいつの仕業――……って、事もないんだろうなぁ。手の込んだ事はするけど、他人を“使う”なんてことはしないはずだしなぁ」
「……(すぅすぅ)」
「だとすると俺が寝ぼけて連れ込んだ……と言うのは流石にないだろうし、」
「……(すぅすぅ)」
「……いやいや。もしそんな事を無意識にしてたら、いやしてないけどさ、あいつが黙っちゃいないだろうから、うん、取り敢えず俺はそんな事はしてないと言う事にしておこう」
「……(すぅすぅ)」
「だとすれば、まさかアルアってば、俺が恋しくなって夜這いにっ!?」
「……(すぅすぅ)」
「……まあ虚しいだけな妄想はこのくらいにして、と」
「……(すぅすぅ)」
「さて、」
「……(すぅすぅ)」
「――何でこんな嬉し恥ずかしな状況になってるんだ?」
「……(すぅすぅ」
「まあつべこべ考えるよりもアルアを起こして直接聞いてみるのが一番手っ取り早いか。と言う事なんで、……おーい、アルア?」
「……(すぅすぅ)」
「アルアー? アルアさーん? アルーシアー?」
「……(すぅすぅ)」
「ん~、全く起きる気がないね。いやはや、これは起きてくれない事に困ればいいのか? それとも俺の隣で此処まで熟睡してるって事で喜べばいいのか?」
「……(すぅすぅ)」
「ま、だからってこのまま寝かせておくわけにも、……」
「……(すぅすぅ)」
「……」
「……(すぅすぅ)」
「――はっ!? お、思わずアルアの寝顔に見惚れてしまった。危ない危ない」
「……(すぅすぅ)」
「おーい、アルア、いい加減に起きてくれよー」
「……(すぅすぅ)」
「仕方ない。こうなれば少しだけ強く……熟睡してる所ゴメンな、アルア。でも起きないお前が悪いんだからな?」
「……(すぅすぅ)」
「おいっ、アルア! 起きろって!!」
「……(すぅすぅ)」
「――む?」
「……(すぅすぅ)」
「って、あれだけ揺すっても全く起きる気なしかよ。こりゃホントに熟睡しきってるなぁ」
「……(すぅすぅ)」
「んー? もしかして日頃の“お勉強会”がそんなにハードだとか? いやー、どちらかと言えば俺の日常の方が……て、それは鬱になるから考えないでおこう」
「……(すぅすぅ)」
「しかしこれじゃまるで俺が独り言を呟いてるみたいじゃないか!」
「……(すぅすぅ)」
「おーい、アルアー。もういい加減に起きてくれよー。そしてどうしてこんな状況になってるのか、説明プリーズ」
「……(すぅすぅ)」
「……」
「……(すぅすぅ)」
「……むぅ、困ったな」
「――はい、何がお困りなのでしょうか、旦那様?」
「いや、それは、……」
「如何なさいましたか、旦那様?」
「……、いつからそこにいらっしゃるのでしょーか?」
「つい先ほど、旦那様を起こしに参った所で御座いますが、それが何か不都合が御座いましたか?」
「いや不都合は何もない。ないですよー?」
「左様でございますか」
「ああ」
「……」
「……、あのさ、その無駄に意味ありげな沈黙、止めてくれないか?」
「では旦那様。旦那様も目覚められた様子ですので、ご朝食をお持ちしてまいります。宜しいですか?」
「あ、ああ」
「では、失礼を――」
「……、……、……――怖ぇよ!? 逆に何も聞いてこない事が怖いよ!? ほらアルアッ、今のうちに起きてっ、そして俺の命の為に頼むから何か弁明をっ!!」
「……(すぅすぅ)」
謎は謎のままー。
……はい、もう昨日はぐっすりお休みだったので更新忘れてました(汗)
多分今日はこれを除いてもう一回更新……する気になればいいなぁ。