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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
890/1098

ど-536. 今はただ、そのままで

少しだけ、昔を思い出してみたり。



「んー! 今日も良い天気だ!」



「……」



「アルもそう思うよなっ」



「……(こくん)」



「こう言う日はやっぱり土いじりに限るぜ、ビバ土いじり!」



「……(こくん)」



「……ア、アル? もしかしてアルはこの俺の崇高な趣味を理解してくれると言うのかっ!?」



「……?」



「いや良い、皆まで言わずとも分かっている。そうだ、そうだよなっ、何でもんなこんなに楽しい事をしようとしないのか、不思議でならないとアルも思うよなっ!」



「……、(こくん)」



「おお! 流石アル。アルはやっぱり俺の事を分かってくれるんだなっ」



「……(ふるふる)」



「さて、今日は――」



「……(ふるふるふるふる)」



「アル? さっきから何を首を振って、……まあ良いか。それよりも、そうだな。この陽気だし、ちょこっとあっちの鉢の方を日陰に移動しておくか。セリーヌたちも暑いよ暑いよってちょっと苦しんでるみたいだし」



「……はい」



「じゃ、アルはそっちの一列をそこの日陰になってる所まで運んでおいてくれるか?」



「……(こくん)」



「んじゃ、そっちの方はあるに任せるとして、なら俺は……あ、そうだ。ちょうどいい機会だしアレでも見に行くか」



「……?」



「ああ、アル。その調子な。んじゃ俺も、と」



「……」



「んー、今日も綺麗だぜ、マリン、シルヴィ、セリーヌ。おっと、勿論カリスの事も忘れてないぜ☆」



「……」



「うん、肌艶も良さそうだし、これと言った病気もなさそう――元気そのものだな。うん、良い事だ」



「……」



「カマトォ、今日はまた一段と綺麗だな。何かいい事でもあったのか? うん? 俺に逢えた? ふふふっ、嬉しいこと言ってくれるじゃないかー」



「……(じー)」



「ん? ああ、アル。もう終わったのか?」



「……はい」



「ありがとな、助かったよ」



「……(ふるふる)」



「それじゃ、アル。ちょっと良いもの見せてやるからあっちに行こうか」



「……いいモノ?」



「ああ。――と、悪いな、お前たち。今日はちょっとあっちの子達の世話をしようと思うんだ。ふっ、あんまり拗ねちゃ駄目だぜ?」



「……(じー)」



「っと、悪い悪い。いいモノだったな」



「……(こくん)」



「あっちの方にな、ちょい最近研究を再開したラクリマって花が十数株ほどあってな。普通、ラクリマって生えた場所から抜いた瞬間に枯れちまうんだけど、何故か急に生え出してな。一見の価値あり、きれいだぞー」



「……(ダッ)」



「って、アル。そんな急がなくてもラクリマの花は逃げないから。と言うよりもアレは逃げようがないからっ」



「……(うずうず)」



「ははっ、アルは本当に花が好きなんだな」



「……(こくん)」



「――……アルも大好きだったな」



「……はい」



「お、知ってるのか? アルーシアって言って、アルの名前の元の子な。って、何だかややこしいな」



「……アルア」



「? アルア?」



「……(こくん)」



「アルアって、……? どう言う意味だ? アルの事はアルアとでも呼べばいいのか?」



「……(こくん)」



「そりゃ、確かに“アルーシア”を略せば“アルア”になるけど、また唐突な」



「……(ふるふる)」



「……、ふむ」



「……(じー)」



「ま、アルがそう呼んでほしいって言うのならそうするけど」



「……(こくん)」



「んじゃ、そうだな。話を戻すけど、アル―シアって言ってな、アルアの名前はその子から貰ったんだぞ?」



「……(こくん)」



「知ってる? もしかして誰かから聞いたのか?」



「……(こくん)」



「誰から――って、聞くまでもないか。どうせあいつ辺りがお節介にも話したんだろうし」



「……?」



「ま、とにかくそういう子が昔いて、その子もアルアと同じように花が大好きだったんだ、……」



「……(じー)」



「……、……、……」



「……(じー)」



「――っと、悪い。つい耽っちまった。そもそもアルアにしてみれば気分のいい話じゃなかったよな」



「……(ふるふる)」



「そうか? ……ありがとな」



「……はい」



「今はその事は良いかっ、――と、ほら、着いたぞ、アルア」



「……!」



「ラクリマの――花畑、って言うにはちょっと花の数が足りてないけどな。どうだ、きれいだろ?」



「……(じー)」



「て、ははっ、聞こえてない、そんなに見入ってるのか?」



「……(じー)」



「でもこのラクリマって一体何なんだろうな? 俺も結構調べてるんだけどさっぱりだ。つても調べようとすると枯れるから、実際の所全然調べられないんだけどな」



「……(じー)」



「赤一色の――それこそ血の色と見間違えそうなほどの鮮血色のラクリマの花。何で急に此処に咲いたのか、この“赤”に意味が――シャトゥやアルアと何か関係があるのかどうか、そもそもラクリマの種子は? なんて、色々と思う所はある訳だが、」



「……(じー)」



「――ま、そう言う不粋な事は抜かして、ただ単に綺麗だって事で納得しておけばいいか」



「……はい」



-疑念-


「……しっかし気になってるんだが、」

「……?」

「なあ、アル。真紅のラクリマの中に一輪だけ、蒼いラクリマあるよな? アレってどういう意味なんだろうな?」

「……(ふるふる)」

「だよなー。アルに聞いても分からないか。でも“蒼”つーと、何処ぞのバカ神を思い出してムカつくと言うか不吉な感じがするんだが……」

「……(じー)」

「蒼、蒼……ね。そう言えば、スィリィも“蒼”だったっけ――いや、考えるのは止めておこう。何と言うか、考えたら考えたで現実になりそうだし」

「……(じー)」

「あ、いや。アルは気にしなくて良いから。何でもないからなー」

「……はい」



小話。

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