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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
889/1098

ど-535. よかん

あらし!


「――」



「如何なさいましたか、旦那様?」



「いや……今、何か寒気が」



「お風邪ですか? ならば早急に休まれた方が、」



「んっ、そう言うのじゃないから大丈夫だ。何と言うか、悪寒と言うか第六感的なものだから」



「それはつまり、――私に対する挑戦か何かでしょうか?」



「いや何でそうなる!?」



「違うのですか?」



「違うにきまってる。と言うか何でその発想になる?」



「いえ、旦那様がそろそろ次の刺激を求めていらっしゃるのではないかと愚考したのですが、どうやら正しかった様ですね」



「何処をどうしたらその結論に!?」



「最早確信しております」



「いや違うから。何処をどうしたら確信できるんだよっ」



「……ま、まさか違うのですか?」



「さっきから違うとしか言ってないんだが?」



「そ、そんな……まさか私が旦那様に関する事を間違うなど……」



「まあそんな時もあるさ」



「まあ委細承知しておりましたが」



「うん、どうせお前の事だからそれも分かってる」



「さすが旦那様。私の事はもう何でも知っておられるのですね」



「まあお互いそれなりにはなー」



「……はい」



「しっかし、何だったのかな、さっきの寒気?」



「旦那様の第六感は悪い方向にのみ限って非常に当りますからね。多少、方々へ気を配った方がよいでしょうか?」



「いや、態々そんな事はしなくていいと思うけど」



「そうなのですか?」



「ああ。多分、何かあってもそんな大したものじゃないと思うし」



「それも旦那様の第六感でしょうか?」



「ああ。何と言うか寒気と言っても局所的な、それもごくごく個人的な――そう、例えば俺に恋なんてしちゃってる女の子が俺に逢いたいがために健気に三千里を歩いて危険な旅をしちゃったりなんかしてる――みたいな気がするし」



「旦那様の戯言妄想妄言の類は放置しておくとしても、随分と具体的なのですね?」



「……うーむ?」



「旦那様?」



「何故かこのままここにいちゃいけない気がする」



「では私は旦那様を此処に縛りつければよいのですね?」



「……お前、こっちくるな」



「そんな。旦那様、冷たい事を仰らないで下さいませ」



「――よし、俺はしばらく旅に出る」



「アルーシア様はどうなさるおつもりで?」



「……連れてくか」



「それは駄目です。今のアルーシア様にはまだ教育課程が残っておりますので。旦那様のご勝手で連れて行かれる訳には参りません」



「けどアルーシアだって俺が居なくなるのは寂しいはずだっ」



「そうですね?」



「だから、」



「旦那様が此処にい残ればすべて解決ですよね?」



「いや、でも、何か嫌な予感が……」



「嫌な予感と言えば、たった今思い出したのですが、何者かがタイプー山を登っている様ですね」



「タイプ……て、無謀な奴もいるもんだなー。まともな装備と実力じゃあの山は越えられないぞ」



「はい」



「ま、お前とか普通に素手、荷物なしで登山できてるけど」



「旦那様もでしょう?」



「俺はあの山、疲れるから嫌。お前に守ってもらいながらじゃないと登る気しねえし」



「……では今度、タイプー山に旦那様を放り出す事にしましょうか」



「待て、何でそうなる? と言うか今のは単なる冗談だよな?」



「旦那様が冗談だと思いたいのであればそうで御座います、と欺瞞と言う名の嘘を吐いておくことに致します」



「……」



「……」



「で、でもタイプー山に登るなんて、そんなバカと言うかモノ好き、何処のどいつだ?」



「さて? スヘミア様やラライ様は今更あの山を登る理由もないはずですし、他の方々は――そもそもあの山に登ると言う意味を理解できないでしょうし」



「ま、危険しかない割にリターンが全くないからな」



「“竹龍の地”の入り口である、と言うこと以外はですが」



「だな。つか、それはもう失伝してるはずだし」



「はい、そうで御座いますね」



「全く本当に、どのバカだ、ソイツ」



「さて?」



「あー、何か気分が悪いから一眠りする事にするわ。ちょっと……そうだな、アルの勉強が終わったころに起こしてくれ」



「はい、承知いたしました、旦那様」



「ああ、頼む。……て、そう言えばお前さ」



「はい」



「その山登ってきてる奴とか、誰かって分かってるのか?」



「さて、どうでしょう?」



「……、ま、良いか。どの道、あの山登ったからって“此処”に入って来れるとは思えないし。入って来たら来たでいつも通りどこかに放り出すだけだしな」



「そうで御座いますね。……ええ、そうだとよろしいですね?」



「? ああ。と、言う訳で後は頼んだ」



「はい、旦那様」




-とある少女の想い-


「……何なのかしら、この山。上手く魔法が使えないし」

「って、だから止めようって言ってるだよっ!!」

「ま、魔法なんてなくても大丈夫でしょ。此処まで――大体四合辺りかしら? 楽勝だったんだし」

「……それはスィリィだけだと思う。と言うより何でこんな、タイプー山何かに登ろうと思ったの? 今更腕試し、とか……?」

「……さあ? ただ何となく。……ええ、何となく、よ」

「??? 私はもう疲れたよー」



スィリィ嬢&親友のアイネさん。


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