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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
885/1098

ど-533. 学ぶモノ、学ばないモノ

懲りないヒト、と言う意味でもある。


ちなみに軽く人物紹介~


マデューカス・・・W.R.第8位の通称『情報士』のおねーさん。他人のプライバシーを覗いたりするのが趣味、と言うのはレム談。

シンカ・・・リリシィ共和国の“予言の巫女”様で、ついでに言えばマデューカスの実の妹。かつてレムに攫われた経験あり。


「さて、アル。今日は何して遊ぼうか?」



「……?」



「いや、そんな不思議そうにされてもっ」



「……あそぶ?」



「そうそう。いつもみたいに、さ」



「……いつも?」



「――お願いだからそこはスルーして下さい」



「……」



「お願いします!」



「……はい」



「うしっ。それじゃ、気を取り直してっ。……さあアルッ、何をして遊ぼうかっ」



「……お勉強する」



「あ、あれ? 俺の言葉が聞こえなかったのかな? アル、俺は何をして遊ぶかって聞いたんだけどなー?」



「……お勉強」



「そ、そうか。……アルは勉強熱心で偉いなー」



「……(ふるふる)」



「いや、そんな事あるって。何処かの誰かに見習わせたいくらいだぜ」



「……(じー)」



「や、そこで俺を見ないで。別に自分の事言ってるわけじゃないから」



「……(ふるふる)」



「本当に俺の事じゃないぞ? 勉強を見習わせたいって言うのは、何処ぞの似非幼女モドキのなんちゃた♪女神の事だから」



「……!(ぶんぶんぶん)」



「逆に俺にはアルがどうしてそこまで否定しようとしてるのかが分からない」



「……女神様はとても偉い」



「うん、それは間違いなく何処ぞのそろそろ腐敗しかけてきたかな? 的なフレッシュ悪霊の悪影響だから。先ずはその事を忘れよう、アル」



「……(じー)」



「い、いや。アルに怒られたって俺は間違った事は言ってない。言ってないぞ!」



「……女神様はとてもとても偉い」



「それだけはないと断言できる」



「……」



「……」



「……」



「……、この話題は止めよう。多分、いや間違いなく平行線のままだから」



「……(じー)」



「よし、それじゃあ今日はアルの勉強も兼ねて実地研修でもするかっ」



「……お勉強」



「一見は百文に如かず、だぞアル。百を聞くより一を見た方が学ぶものが多いって事だ」



「……(こくん)」



「と、都合のいい事に丁度ここに招待状があるからこれに乗ってみようと思う。とはいってもまだ俺も読んでないんだけどな」



「……(こくん)」



「えと、何々……『拝啓、レム・スタンピート殿改めこの腐れ外どぅ――、」



「……(じー)」



「なあ、アル。やっぱり実地研修はまた今度にしようか?」



「……お勉強」



「あ、アルはやる気のある偉い子だなー」



「……(ふるふる)」



「……、仕方ない。アルのやる気に免じて、えっと、続きなんだって――『私は貴方に逢いたくて逢いたくてたまりません。ですが私の情報網を使ってもあなたの影すら追う事が出来ず、日々この想いだけが募っていきます』――って、出だしは何だかなって感じだったけどなかなかいい感じの文章じゃないかっ」



「……(じー)」



「あ、いや! 別にこの手紙の相手にどうこう思うとか、そう言う訳じゃないぞっ、決してないからな!?」



「……(じー)」



「……、こほん。それじゃ続きを、『近々、神殿でパーティーを開く予定なのですが、御迷惑でなければ参加して頂ければ幸いです』だってさ? アル、これに行ってみようか?」



「……(じー)」



「や、別に俺に逢いたくて、とか書いてるこの手紙の差出人に逢ってみたいとか、そういう不純な動機じゃないぞ? 俺はただ純粋に、アルの勉強のためにだな、」



「……(じー)」



「……あ。そう言えばこの手紙の送り主って誰からだろうな、アルっ」



「……(じー)」



「えと、――この香りって確かリリシィ共和国辺りのものだった気がするんだが……とすると、」



「……シンカ?」



「シンカ? ああ、成程。そうかもな。俺に逢いたくて逢いたくて堪らなくなって恋文を出したってわけだな、うん、納得」



「……(ふるふる)」



「だが安心しろっ、俺にとっての一番はアルだから!」



「……(ふるふる)」



「それで、えと差し出し人は、と。……マデューカス・スヴェルヘイム――」



「……根暗おねーさん」



「……、ふー」



「……(じー)」



「なあ、アル? お勉強、また今度にしない?」



「……(ふるふる)」



「俺、W.R.の奴と正面から敵対するの嫌だよ!! 何でか知らないけどマデューカスの奴、最近俺の事をめっぽう敵視してくるんだよ!?」



「……(じー)」



「な、なんだよ? もしかしてマデューカスが俺を目の敵にするのは俺に原因があるって……他の奴らはそう言うけどまさかアルまでそう思ってるわけじゃないよな?」



「……(じー)」



「違うよっ、俺、何も悪いことしてないし!!」



「……(こくん)」



「だろ!? アルもそう思うよな!!」



「……イエス」



「だよなっ、マデューカスの奴が最近俺を目の敵にしだしたのは、きっと良くある不幸な行き違いとかが原因だよなっ」



「……(こくん)」



「と、いうわけでお勉強はまた今度にしようぜ、アル」



「……お勉強」



「……」



「……お勉強」



「くっ、アルの為だアルの為だアルの為だ。そのためだったらW.R.の奴がなんだ、その程度の相手――俺は逃げ切って見せる!」



「……(こくん)」



「よしっ、行くぞアル! 久しぶりにリリシィ共和国に乗り込むぞ!!」



「……いってらっしゃい」



「――って、ええ!?」






「では旦那様、楽しんできて下さいね?」






「って、おま、いつの間――」






「さて、それではアルーシア様、百聞は一見にしかずと言う言葉も御座いますし、この遠視鏡にて旦那様の御活躍もとい道化の様を一緒に観戦いたしましょうか」



「……」



「ささ、遠慮なさらずに」



「……、(こくん)」




-とある姉妹の談話-


「……む」

「? どうかしたの、姉さん?」

「いえ、何でもありません。本当に何でもないのでシンカは絶対に気にしないで下さいね? 気にしては駄目ですよ? むしろ気にすること自体が時間の無駄ですからね? 分かりましたか?」

「う、うん、分かったよ」

「――宜しい。それでは、私は少し用事が出来ましたので、シンカは絶対に、絶対にこの部屋から出てはだめですよ?」

「? どうして?」

「絶対、です」

「ぅ、うん」

「それでは――……ちょっとお祭りに行ってきましょうか」


そんな会話。



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