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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
878/1098

ど-527. 無意味であるということ

無駄であって無駄でない、旦那様とメイドさんの普通の日常。




「ふー」



「旦那様?」



「あ、いや、何でもない」



「……」



「ホント、何でもないから気にするなって」



「左様でございますか」



「あ、でもほんのちょっとだけなら心配しても良いぞ?」



「はい、では僅かばかり心配させて頂く事に致します。旦那様、ぐっすりお休みになられますか? それとも死んだように御眠りになられますか? はたまた眠った事にも気がつかないほど穏やかで深い眠りにつかれますか?」



「そう言う心配は一切いらん!」



「承知いたしました」



「ああ」



「ですが旦那様、先程これ見よがしにため息など吐かれて、如何なされたのですか?」



「や、如何ってほどじゃないんだけどな、」



「はい、分かりました」



「って、俺まだ何も言ってないよ!?」



「おや、仰りたいのですか?」



「あ、いや、」



「仰りたくないのですね。ではこの話題はこれきりに致しましょう」



「……よし、今回は特別に話してやろう」



「つまり語りたい訳ですか」



「うん」



「清濁込みで委細承知いたしました」



「清濁?」



「それでは旦那様、旦那様は思う存分その熱くほとばしる想いの丈をこの私めにぶちまけて下さいませ」



「……そういう言い方されるとなー、何かやる気が……」



「つまり別に語りたい訳ではなかったと」



「あ、いや、そんな事はないぞ? ……とはいっても別に大した理由とかもないんだけどな」



「それは承知しております。そもそも旦那様が語られることに多少なりでも価値のある事など稀にしかないでは御座いませんか」



「そんな事はない」



「旦那様の発言の二十三割は聞き流せ、とは最早世界の至言かと存じ上げます」



「それ100パー超えてるから!! 俺の発言は全部聞き流せってのと同じことだから、それ!?」



「――おぉ……おめでとうございます、旦那様」



「然も今気付いたみたいに感心するな! あと全然めでたくねえよ!!」



「旦那様が何を騒いでおられるのか、私には皆目見当もつきます」



「つくのかよ!? てか全部お前の所為だよ!!」



「はいはい、それは良かったですね―旦那様。あと御昼食は先程食べられたばかりで御座いますよ?」



「何のこと言ってるのかさっぱりなのですが!?」



「取り敢えず旦那様の発言を聞き流そうと、会話の流れに沿って自然な感じで話題転換を試みてみました」



「全然自然に話題転換できてないからな!? と言うかそもそも俺の話を聞き流すなよ!?」



「それでは仕方ないので面倒くさいですが取り敢えず旦那様の顔を立てると言う意味合いを多分過剰に込めてお話しを窺わせてもらいましょうか。旦那様、先程ため息を吐かれておられましたが何か御座いましたか?」



「あ、いや、今朝起きた時に何か夢見てた気がするんだがどうしても思い出せなくてな。それを思い出してちょっぴりアンニュイな気持になってただけだ」



「左様でございますか」



「ああ」



「……」



「だから言っただろうがっ、別に大した理由じゃねえよって!!」



「私は何も申し上げておりませんが?」



「言ってなくてもむしろその沈黙が何よりもお前の気持ちを語ってるよ!! 『ああ、時間を無駄にしたな』って思ったろっ、今絶対思っただろ!?」



「ああ、時間を無駄にしましたね」



「やっぱりか!!」



「いえ、その様な事は一切御座いませんが旦那様が今の発言を望まれておられたご様子でしたので期待に応えてみました」



「いや違うね! 今のはテメェの本心か!?」



「いえ。そもそも私にとって旦那様と共にある時間の刹那の欠片でさえ無駄な時間は御座いません。旦那様と共に在れる一刹那その全てが私にとっては何より大切な、そして一番重要な時間の使い方で御座います」



「……」



「ですので、旦那様と共に在れる今この時が無駄であると言う想いは一片たりとも抱いてなど居りません。わー、旦那様うぜ―」



「……」



「……」



「ふぅ」



「……、わー、旦那様ちょぅうぜー」



「……」



「わー、旦那様う、」



「予め言っておくが何度繰り返してもツッコミ入れる気はないからな?」



「では旦那様、私はアルーシア様と戯れて参りますので、旦那様は一人寂しくご自分の花壇で土いじりなどをして一人寂しくたった一人で危ないヒトの様に戯れていて下さいませ。大事なことなので繰り返し言いました、一人寂しい旦那様」



「ふっ、甘いな! アルの午後からの用事は五日前から既に俺が約束を取り入れておいたんだよっ!!」



「わあ、旦那様。普通にウザいっぽい発言で御座いますね。むしろ半リッパー様化しておられますか?」



「失礼な事を言うなっ、俺はあんなストーカーじゃねえよっ、ちゃんとアルの許可は取ってるしっ」



「それもそうですね。旦那様はもとよりこんな感じでしたか」



「こんな感じってどんな感じだよ!?」



「さて、旦那様と戯れているこの時間も大変おしいのですが、私は今、新しく旦那様に買われてきた“隷属の刻印”の刻まれた方々に熱弁を揮っておりますのでそちらを疎かにする訳には参りません。何せ対旦那様用の護身の為の基礎知識ですから適当にお教えする事も無理ですので、私はこれで失礼させて頂きます」



「って、コラ逃げるなよ!? せめて俺の質問に応えてからにしろっっ」



「本当に困った旦那様である、と言う事ですよ。旦那様」



「全然答えになってねえよ!? おいこら、まてっ!!」




-とある少女たちの発言?-


「……? 何だか、今日のお姉様、期限がよさそうに視えるんだけど私の気のせいかな?」

「……」

「ねえ、アルーシアはどう見える?」

「……?」

「分からない? お姉様、いつも無表情なのに今日は何だかちょっとだけ嬉しそうな……何かいいことでもあったのかな?」

「……(ふるふる)」

「って、アルーシアに聞いても分からないかー」

「……はい」

「んー、何だろうね? 多分、ご主人様関係だとは思うんだけど……」

「……ん」


アルーシアとパーセルゥ(同室の子)とのある日のちょっとした会話。


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