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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
873/1098

ど-524. しろくろ

どこかの姉妹の話ではない。単に『白黒つけようぜっ』な感じ。



「ふふっ、遂に白黒つける時が来たようだな」



「参りました、旦那様」



「って勝手に降参してんじゃねえよ!?」



「白黒も何も、私が旦那様の従順たる愛玩奴隷、略して愛奴であるのは自明の理では御座いませんか」



「思いっきり初耳だけどな、それっ!!!」



「そうでしたか?」



「ああ、と言うかお前はいつから俺の奴隷になった?」



「生まれた時から旦那様の……とは少々言い過ぎでしょうか」



「そうだな。俺としてもそんな暗黒史を背負って生まれてくるのはご免だしな」



「そうですね……では手頃なところであの日、私どもが旦那様と契りを交わした時にでもしておきましょうか」



「随分と適当な物言いだな、おい!?」



「日時などと言うのはそれほど重要では御座いませんから。重要なのは今この時、私が旦那様の従順たる伴であると言う事実のみに御座います」



「お前は絶対、従順って言葉の意味を履き違えてる」



「ご安心を」



「何度も言うがお前に『安心しろ』と言われることほど安心できないモノはねえよ!!」



「では不安がって下さいませ、旦那様」



「余計不安になるわ!!」



「では旦那様は私に何をお望みだと仰られるのですか」



「いや、特に何も。と言うよりも違う理の中で生きてるっぽいの相手に余計な事を言っても自分の首絞めるだけだしな」



「違う理など、その様にさみしい事を仰らないで下さいませ、旦那様」



「ゃ、少なくとも脳内辞書の言葉の定義は違ってるし」



「よかったです。それならば重要度は限りなく低いですね」



「滅茶苦茶高いけどなっ!!」



「さて、一安心出来た所で旦那様?」



「俺は全然安心できてないのだが?」



「小さな事に拘るのは男らしくありませんよ?」



「言っても無駄だと判りつつ、それでも言わずにいられない俺のこの気持がお前に分かるかっ」



「分かります」



「あ、そだね。……お前は俺の気持ちをちゃんと理解しつつ、それでなお、“こーいうこと”や“そーいうこと”を仕掛けてきてるんだしなっ」



「はい」



「……なんだろ。俺、何処でこいつとの接し方を間違えたかな?」



「旦那様に間違いなど御座いません!!」



「や、それは」



「――と、本来ならば申し上げたい所では御座いますが、旦那様は間違いだらけですのでこればかりは如何ともしがたく、……フォローできかねます。申し訳ございません、旦那様」



「……」



「それはそれとして旦那様? そろそろアルーシア様のお相手をしなければ可哀想では御座いませんか?」



「あ、そうだった。お前なんかに構ってる暇はなかったんだった」



「最初に『白黒つけるかっ』などと突っかかって来られたのは旦那様では御座いませんか」



「そう言う時もあるさ」



「そうですね」



「……、さてっ、それじゃ羽陽苦節、ちょっと回り道しちまったけど、」



「そうで御座いますね」



「アルっ、ほら、お前の為に焼いて来たお菓子。美味しいぞ、あーんして?」



「アルーシア様、こちらは如何です? 久しぶりに私が一から十まで作り上げましたが、そちらの旦那様が作ったものなどよりも余程味に定評が御座いますよ?」



「――くっ、モノで釣ろうなんてなんて卑怯な事を考えるんだっ、お前はっ!!」



「そのお言葉、そっくりそのまま旦那様へお返し致します」



「俺はいいんだよ、俺は」



「左様でございましたか、それはとんだ失礼な発言を。なにとぞ、その寛大な御心でお許しくださいませ、旦那様」



「ふっ、別に良いけどな。取り敢えず、アルへは俺が焼いたお菓子を上げるんだから、お前のは要らねえよ。何処か行け、何処か。しっしっ」



「成程、つまり正面から戦えばどちらが勝者となるかは既に旦那様も理解されておられると言う事ですね?」



「……、その手には乗らないぞ。アルが俺のお菓子の方を選んでくれるのは当然の事だが、だからといて心優しいアルの事だ、お前が作ってきたそれも受け取らないって事は、」



「おや、アルーシア様?」



「――ん?」









「……(もぐもぐ……ごくん)ごちそうさまでした」









「はい、お粗末さまで御座いました、アルーシア様。ですが、全部食べてしまわれたのですね」



「――ちっ、今日の所は引き分けにしといてやんよっ!」



「……なんとも小物めいた捨て台詞が大変お似合いな旦那様ですね」



「しかしそんなアルも可愛いので良し! お前との決着はまた今度だ、命拾いしたなっ、ふははははは!」



「……、さて、アルーシア様。食べた後は運動でもしましょうか。そうですね、今は確かちょうど、護衛部新人の方々の初期訓練が行われているはず……そちらに参りましょうか?」






「……(こくん)」






「あ、俺も――」



「旦那様は、ちゃんとキッチンを片づけてきて下さいませ? アルーシア様に早く食べさせたいが為に旦那様は片付けもせずにこちらに参られたでしょう?」



「……む」



「キッチンはあちらで御座います」



「……ちっ、仕方ない。まあ自分で使ったもんだしな。くそっ、すぐに片づけを終えて追いついてやるからなっ!!」



「はい、お待ちしておりますよ、旦那様」



「と、なれば善は急げだ!!」









「――……、とは申しましてももうそろそろ……はい、今しがた、恒例通りファイ様がキッチンを全壊させましたね。さて、片付けとやらにはどの程度の時間がかかるのでしょうね?」



「……(じー)」



「おや、申し訳ございません、アルーシア様。では、訓練場の方へ参りましょうか」



「……(こくん)」





-とある二人の会話-


「……俺、これが終わったらあの子に――」

「待って! 待つんだ、カツィール!!」

「って、急になんだよ、マルマ」

「それ以上は言っちゃダメだ!!」

「はぁ? 急にどうしたんだよ、マルマ」

「そこから先のセリフは……“死亡フラグ”だよっ、カツィール!!」

「――なっ!!??」

「だから、それ以上は言っちゃダメだ、駄目なんだっ!!」

「くっ、でもそれじゃあ俺のこの決意はどうすればいいんだっ!?」

「まあバカツィールだから仮に“死亡フラグ”立てても死なないと思うけど。バカは死なないって言うし」

「てめっ、おマルの分際でっ!!」

「僕はおマルじゃないっていつも言ってるだろっ、少しは学習しろ、このバカツィール!!」

「なんだとっ!?」

「なんだよっ!?」



館に住む男子諸君。カツィール君とマルマ君。

基本、野郎同志は仲がいい。何と言っても男5人(レム除く)しかいないので。団結しないとすぐに押しつぶされるのです、



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