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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
868/1098

ど-520. 少しだけ手を止めて

ふたりはツーカーな関係?



「ん?」



「……?」



「ああ、いや、……」



「……?」



「や。何でもなく……は、ないのか?」



「……?」



「あ、んー……なんて言えばいいのか、何となく虫の第六感――あー、なんて言えばいいんだろうな、この場合。良い言葉が思いつかん」



「……(こくん)」



「お、アル。分かってくれたか?」



「……(ふるふる)」



「ま、そうだよなー。俺が何も言わなくても勝手に理解するのってあいつくらいのものだよなぁ」



「……灰色アッシュ?」



「ああ、そうだ、でもアレはどちらかと言えば灰色じゃなくて、銀色シルバー――ぐふっ!?」



「……?」



「――何処だっっ!? 何処から狙撃してきやがった、あのヤロウ!?」



「……(ふるふる)」



「あ、いや。アルにはそう言う事は未だ期待して無いから、と言うかシルバー呼ばわりされるのが気分良くないってのは理解できるんだが、いくら何でも問答無用の狙撃してくるか、あのヤロ……」



「理解、出来る……?」



「あ? ああ、その辺はスルーしといてくれ、アル。気にするような事じゃないから」



「……(こくん)」



「うんうん、アルは何処かのメイドと違って素直でいい子だなー、偉い偉い」



「……(ぷいっ)」



「ん? アル、どうかしたのか?」



「……」



「? まあ、今はいいか。それより問題なのはこっち――」



「……(じー)」



「ん、ああ、アル。えっとな、コレは……何なんだろうな?」



「……?」



「端的に言えば何か危ないってのは判るんだが、何が危ないのかが分からないんだ。アルはどう思う?」



「……(ふるふる)」



「だよなぁ、というかこんな断片的な事だけで何か判れって方が難しいか」



「……(ふるふる)」



「悪かったよ、アル。まあ今のは気にしないでくれ」



「……」



「つーても、やっぱり気になるか?」



「……(こくん)」



「んー、何だろうなぁ。別たれた力が呼び合ってる? みたいなのとも微妙に感じが違う訳だし……なんつーか、やっぱり言葉に出来ない感じなんだよ。悪いな、アル」



「……(ふるふる)」



「うん、アルはやっぱり優しいなー」



「……(ぷいっ)」



「アル?」



「……(ぷいっ)」



「?」



「……」



「なんだ、もしかして照れてたりするのか?」


「……(こくん)」



「……そーかーっ! ふふっ、アルも可愛い所があるじゃねえか。このっ、愛い奴めっっ」



「……」



「って、あれ? アル、どうして俺から離れて行くんだ?」



「……」



「ほら、頭なでてあげるからこっちおいで~」



「……(ふるふる)」



「大丈夫だって。照れくさくっても見てるのは俺だけだから。な?」



「……(ふるふる)」



「そんな事言わずに。……そうだ、ちょっとだけ。ちょっとだけ、な? 少し撫でるくらいなら良いだろ?」



「……(ふるふる)」



「くっ、意外と頑固だな、アル!」



「……(こくん)」



「ふっ、だがしかし! アルが照れくさくてこっちに来れないと言うのであれば俺が自分からアルの方へ行くまでの事っ。アル、ちょっとだけ待ってろよっ」



「……、(ダッ)」



「――って、そんな全力で走りだす程に嫌なのか、アルっ!?」



「……」



「黙秘、か。でも甘いぞアル。逃げ足で俺に勝てると思うなよっ! 意地でも捕まえて頭なでてやるからな!」



「!」



「でもふと思ったんだが、これって『うふふ~、つかまえてごら~ん?』だよな? 場所が海岸ならばなお良し!」



「……!」



「ほい、捕まえた、と。まあこの程度か。ふふ、俺から逃げ出そうなんて少なくても五年は早いぞ、アル?」



「……(ふるふる)」



「お? 五年じゃまだ長いと? アルも言うなぁ」



「……(こくん)」



「ま、今回は俺の勝ちと言う事で。それじゃあ素直に頭を撫でさせてもらうぞ?」



「……」



「じゃ、じゃあ行くぞ?」



「……」






「あ、旦那様が変態行為を働いておられます」






「――働いてねえよ!?」



「……(ダッ)」



「あ、アル……!!」






「はい、アルーシア様。こちらならば安全ですので、どうかご安心くださいませ。それと旦那様、ちゃんと全て存じ上げております。一部始終、全て拝見させて頂きておりましたので」






「くっ、アルをこっちに渡せよ!!」



「お断り致します。ではアルーシア様、旦那様は危険ですので、こちらに避難しておきましょう」



「おい! またシャトゥの時みたいにアルに変な事を教えるんじゃないぞ!!」



「お任せ下さいませ、旦那様」



「……なんつーか、それが一番安心できないわけだが。……――あ、ちょい待て」



「? はい、如何なさいましたか、旦那様?」



「少し気をつけておけ」



「はい、委細承知いたしました、旦那様。それと呼び止めたご用件はこれだけで?」



「ああ、それだけ。と、言うか質問は何かないのか?」



「御座いませんが、何か?」



「いや、何もないなら良いんだ」



「左様でございますか」



「ああ、……」



「はい。ではアルーシア様、参りましょう。旦那様に接するより先に、先ずは身を守る手段を会得していただかねば、心配で目も離せません」





-とある二人の会話-


「――お?」

「……ん?」

「なんだ。“神”の気配がしたから来て見ればハズレか」

「クゥワトロビェ――いや、あの異界の堕とし子は『静鎮』などと呼んでいたか」

「……ちっ、時間を無駄にした」

「まて、何処へ行く」

「何処でもいいだろうがっ、と言うかお前、何だか嫌いだ、拒絶反応が出てる、こっちに来るな」

「ふっ、俺も嫌われたものだな」

「しっしっ、こっちに近寄ってくるな。それ以上近づいてくるなら――潰すぞ、お前」

「……、なら今は止めておこう。俺も、この宿主も今はまだ大きな事を起こす気はないのでな」

「そうかよ。……ああ、畜生、時間を無駄にしただけじゃなくて、変なのと遭っちまって胸糞悪いぜ……」


「…………、――アレが今代のクゥワトロビェか。相変わらず扱いやすそうで結構なことだ」



……男神vs男神?


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