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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
865/1098

ど-517.籠の中の、曝露な時間

大体いつも、こんな漫才。

ちなみに力関係は、

【燎原】(リョーン)>>(越えられない壁)>>アルーシア(新)>>アルーシア(旧)

……の、はず。


「曝露大会をしましょう!」



「……えと、急にどうしたのかな、リョーンさん?」



「曝露大会をしましょう、アルク!」



「……あるく?」



「アルーシアの事です、忘れちゃダメですよっ!!」



「……えぇー、まだそれ続いてたの?」



「つ、続いてたの、って。折角私が考えたのにっ、一生懸命考えたのにっ!?」



「でも“アルク”と“アルア”なんて、ぱっと思いつきそうな呼び名だよね?」



「あ、はい。フィーリングで決めましたから」



「……」



「ちょ、アルク!? その手に持ってるふわふわふさふさ――うわ~随分と擽ったそうですねぇ……って感じ満載のモノは何ですかっ!?」



「あのね、リョーンさん。その呼び方、変えないならこれからリョーンさんの事を呼ぶ時は“フレッシュ”で統一するからね、わたし?」



「――鬼ですかっ!?」



「フレッシュさん、ヒトの嫌がる事ってしちゃダメなんだよ? 知ってる?」



「既にフレッシュなってます!?」



「うん? どうかしたのかな、フレッシュさん」



「私が悪かったのでその呼び方は止めて下さい、アルーシア!」



「うん、判ればいいんだよ、リョーンさん」



「……な、何なんでしょう、この私の立場の低さは。【灼眼】や【点睛】、【冰頂】とか、皆さんこんなに自己的地位って低いでしょうか……?」



「きっとリョーンさんが親しみやすいだけだよ、うん。良い事だと思うよ?」



「そ、そうでしょうか?」



「うん。って言ってもわたしは他の使徒さんたちの事は知らないけど」



「まあ、知ってて楽しい事なんてないですけどね。皆詰まらないんですよー? 【点睛】や【冥了】、チートクライの“使徒”って基本無表情無感情で、しかも神様のいいなり! あんな『ねくらやろー』の何処が良いんでしょうね?」



「か、仮にも神様の事を根暗野郎って、リョーンさん……」



「いいんですよっ、女神様が言ってました。男神に碌なのはいない、あいつら全員変態だって。チートクライは『ねくらやろー』でクゥワトロビェは『うざい・きもい・しつこい三拍子揃ったすとーかー』だって」



「……何か凄い事を言ってるんだね、女神様って」



「そうですか?」



「うん、そうだと思う。……ちなみに女神様の事は?」



「――女神様最高ッ!」



「うん、聞くだけ無駄だったね」



「それもそうですね。女神様が最高なんて事、言わなくても分かる事ですから」



「……そだね。わたしは本当の意味で“女神様”に逢った事はないから良く分からないんだけど、そんなにすごいの、女神様って?」



「アルーシア、今みたいな状況にぴったりの言葉を言いましょう。――言葉って万能じゃないんですよ」



「つまり、言葉に出来ない程に凄いって事?」



「はいっ」



「ふーん……まあリョーンさんの事だから話半分に聞いておくよ」



「――それはどういう意味でしょうか!?」



「まあその話は置いといて、」



「置いとかないで下さいよ!?」



「……、まあ置いといて、」



「だから置いておかないで!?」



「他の、男神クゥワトロビェの使徒や、女神様の使徒はどんな感じなの?」



「スルーですかっ!? アルーシアまでわたしの事をスルーですかッッ!!」



「そうだね、リョーンさんの親しみやすさを10とするとどのくらいかな?」



「う、うぅ……」



「ね、リョーンさん。どのくらい?」



「……そう、ですね。クゥワトロビェの使徒さんたちは親しみやすさで言えば……2、くらいかな? それで激情家が多いですよ?」



「激情家?」



「はい。とは言ってもあくまで“使徒”レベルでの話ですけど」



「“使徒”レベルって言うと……」



「そうですね。例えばこんな感じです。気に入らないヒトがいました。アルーシアならどうします?」



「んと、取り敢えずはそのヒトには会わないように気をつける、かな?」



「【冰頂ひょうてい】や【逍遥しょうよう】……そうですね、クゥワトロビェの使徒たちなら、殺します」



「……え?」



「だからその気に入らないヒトを殺しちゃいます。それでもう万事解決、みたいな?」



「え、えー……それはちょっと違わない?」



「そうですね。私もアルーシアの意見には同意ですけど、“使徒”なんて皆そんな感じですよ? ちなみに気に入らないモノがあった場合は、消滅させます。それで万事解決ですから」



「……う-ん?」



「まあ、――“今”がどうなっているのかは私も知りませんけどね?」



「? それってどういう意味?」



「朱に交われば赤くなる、って事ですよ、アルーシア」



「……、それはつまり、こうしてリョーンさんと話してると私までボケ体質になっていっちゃうって、――そう言う事?」



「私全然ボケ体質じゃないですよ!!??」



「ウン、ソウダネ」



「全く気持ちが籠ってません!?」



「ソンナコトナイヨ、リョーンサン」



「何か片言ですっ、話し方が片言ですからっ!?」



「じゃあ、最後に女神様の使徒たちは? 仮にも女神様の使徒なんだから、他の使徒たちよりもましなんだよね?」



「ん~? そうでもないんですよね。【星天せいてん】や【昏白こんぱく】なんて、凄く女神様ラブ! でもう女神様のいいなりみたいな感じですよ?」



「……それ、リョーンさんとどこが違うの?」



「ふっ、私の女神様への愛を舐めないで下さいっ、あんな小童程度のラブじゃ私のラヴは収まりません! 女神様ラヴ! 女神様最高!! ですっ」



「……あれ? 【星天】と【昏白】って、一人だけ抜けた?」



「あ、はい。最後の【灼眼】はですねー、あの子だけは他とちょっと違うんですよー。なんて言うのか、もう私に激☆ラヴ? ヒトに当てはめると可愛い妹みたいな感じなので、私もあの子の事は好きなんですよね~」



「……へぇ、そうなんだ」



「はい。それに何と言っても、あの子実は料理が上手いんですよ。私がお腹すいた~って言ったら何も言わずに手料理作ってくれますしっ」



「……使徒ってお腹すくの?」



「いえ? お腹なんて好きませんし、当然太りませんよ? ただ食べたいだけです」



「……」



「アルーシア? どうかしましたか、アルーシア?」



「……ううん、リョーンさんは、所詮リョーンさんだなぁ、って今再確認したところ」



「な、何か褒められてます? てへへ」



「……、……そうだねー」



「――って、さっきから私の話ばかりじゃないですかっ!? 私ばっかり曝露して……アルーシアも何か暴露しちゃって下さいよっ!!」



「曝露って急に言われても……」



「ほらっ、何かないんですかっ、実は兄ラブとか、禁断の愛とか、むしろ推奨、みたいな? とか何かっ!!」



「うん、兄さんの事は嫌いじゃないけど、好きでもないよ? 取り敢えず兄さんの頭をひっ捕まえて地面に押しつけて、世界中のヒトにごめんなさいってしたいなとは思う」



「よ、容赦ないですね、アルーシアって」



「……まあたった一人の肉親だしね。間違った事をしてたなら『メッ』ってしてあげたいし、逆に私が間違った事をしてたら、……、……取り敢えず兄さんはいいからレムに『めっ』ってしてほしいかな?」



「兄弟愛の話は何処に!?」



「え、そんなのないよ?」



「ないんですかっ!?」



「うん」



「……」



「他に、私の暴露話……例えば昔、死んだみたいに眠ってたレムの頬にキスしちゃったことがある、とか?」



「――ちょ、え、」



「まあ、あの時はキスの意味も良く分かってなかったんだけ、」



「聞きたくありませんん!! アルーシアの、なんで自分アルーシアの惚気話を聞かなきゃいけないですかっ!?」



「だって曝露って言いだしたの、リョーンさん……」



「曝露って言ったら普通『実は私、昔こんなひどい目に逢った事があるんです……』って感じでしょ!?」



「……うん、昔のリョーンさんの情景が目に浮かぶ様な一言だよ」



「じぇ、――ジェネレーションギャップ!?!?」



「ちょっと違うと思う」



「うぅ、アルーシアなんて、アルーシアなんて……」



「リョーンさん?」



「――うわ~ん!! 羨ましくなんてっ、凄く羨ましいですよっ、羨まし過ぎですよぉぉぉぉ!!!!」



「あ、リョーンさ、……ぁ」



「――ぁ」






「「……」」






「うん、お帰りなさい、リョーンさん」



「……ただいまです、アルーシア」






-とある二人の会話-


「……、夢か」

「それが母親に向かって言う第一声か?」

「いや、ルナもう死んでるし、これを『夢か』以外のどう言えと?」

「まあ夢だけどね」

「だろうなぁ」

「あんたの方は……間相変わらず元気でやってるみたいで安心だよ」

「夢の中で母親面して言われてもなぁ、ありがたみがないぞ?」

「あんたに母親面出来るのは私だけの特権。文句は?」

「ありません、サー」

「よろしい」

「って、夢の中で何バカなことしてるんだろうな、俺」

「さあ? でもそのくらいがちょうどいいって事なんじゃない? 一応、夢の中とは言え母親との感動の再会の場面として、あんたはさ」

「かな?」

「でしょ?」

「……ま、そうかな」

「それで、一応待っててあげてるわけだけど。私に何か言う事はない?」

「……――久しぶり、母さん」

「ああ、久しぶり」



良い夢を見ているレム君。

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