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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん+女の子とご主人様
859/1098

ど-512. ひも

至って平穏な、日常そのものです。


「……ん? 何持ってるんだ、アル?」



「……」



「えっと、ひも?」



「……」



「ん~? それで、アルは俺にその紐を見せてどうしたいんだ?」



「……」



「――はっ!? まさかコレで私を縛って欲しいとかそういう、」



「……」



「って、んなわけないかー」



「……」



「なら、一体何だ?」



「……これ」



「これ? ああ、うん。それがひもってのは分かる。と言うより見たまま――何の変哲もない“ひも”だよな? 特に魔力とか細工とか、そう言ったものは感じないし」



「……?」



「いや、心無し不思議そうにされても。むしろ聞きたいのは俺の方な訳だが」



「……」



「ひも……縛る、んじゃないとすれば何だ? 他には、そうだな……ふむ?」



「……」



「アル、ちょっとこっち来い」



「……」



「んで、そのひも貸してくれ」



「……ん」



「ありがとな。と、それからちょっと両手を上げてくれ。こう、バンザーイって感じに」



「ばんざーい」



「そうそう。ちょっとその体勢のままで、な?」



「……」



「んー、ちょっと、足りないか? もう良いぞ、アル」



「……ん」



「縛るにしても長さが足りない、と。まあこれも一目瞭然な訳だが」



「……」



「じゃあアルはこんなひもを持ってきて、俺に何をさせたかったんだ?」



「……」



「縛る以外に……そうだな、先端に輪を作って石とかの投擲に使うなんて方法も、」



「……?」



「――それはないか。そもそも何でそんな理由でアルがこんなもの持って来たんだって話だし」



「……一緒」



「? 一緒? 何が――って、まさか!?」



「……」



「いや待て、そんなはずないよな、うん。俺の勘違い、勘違いに決まってるって、うん」



「……」



「――えーあー、コホン。なあ、アル?」



「……?」



「まさかとは思うけど、俺が“ひも”――この場合は女性に養われてるだけのロクデナシ野郎って意味な訳だが、って自分で言ってて虚しくなるんだけどさっ! ……兎に角、そういうのとこの“ひも”が一緒だとか、そう言う意味で俺の所に持ってきた――なんてことは流石にないよな、ははっ?」



「……一緒」



「それはどう言う意味ですかっ!?」



「……?」



「あー、いや、いい。別に聞きたくない。つか、真相があろうが無かろうが聞かない方がいい気がするし……」



「……(こくん)」



「いやね!? そこで頷かれても反応に困るんだが!?」



「……」



「いや、違うか。うん、気にしない事にするんだったよな、うん。気にしない、気にしない」



「……」






「――アルーシア様、旦那様への現在のご自身の状況を掛けた伝言は上手く伝わりましたでしょうか?」






「って、やっぱり元凶はテメェかよ!?」



「おや? その様子では上手く伝わっていないようですね。困りました」



「上手くも何も、俺は“ひも”じゃない!! 大体この館の中で一番働いてるのは誰でもないこの俺だろうが!!」



「そうで御座いますね。特に必要性のかけらもない雑務ばかりをこなしているわけですが、一応一番働いていると言えなくもないかもしれません」



「働いてるよ!? そしてそんな雑務をまわしてくるのは全部お前!!」



「旦那様はそのような雑務がお好きなのかと思って、」



「好きじゃねえよ!?」



「はい、当然承知しております」



「……うぅ、いや、だからこんな奴相手にまともに取り合ってたら疲れるだけだよな、うん」



「それで旦那様、ご伝言の方なのですが、」



「だから俺はひもじゃない!!」



「……やはりうまく伝わっていなかったのですね」



「は? 上手くって、このひもにそれ以外の意味でもあるって言うのか?」



「はい、アルーシア様にお持ちいただいたこの微妙な長さの“ひも”ですが、――と言いますか、解けてしまったのですね」



「解ける?」



「はい。元の形は、アルーシア様、少々お貸しくださいませ? ……このようになっていたのですが、いつの間にか解けてしまっていたようですね」



「――あ、アルゼルイの紋章か。……ってんなモノ解けてたら分かる筈があるかっ!!」



「旦那様ならば分かる筈です!!」



「いや、普通に分からないからな? 解けてたらそれはただのひもだし」



「……左様でございますか」



「ああ。……と言うか、アルゼルイ? ――あの学園都市から、一体何の用だって?」



「オファーが来ております」



「オファーって、またあれか。講師云々の」



「はい。それでどのようになさるのかを御相談に参ったのですが、」



「ん~、今回はどうするかね? ……まあ、ちょっと待て。取り敢えずアルと遊んでから決める事にするから」



「はい、了承いたしました、旦那様」






「――さあ、アルっ、丁度いいから縄跳びと言う遊びをしようか!!」



「童心にかえる想いです」



「って、お前もやるの?」



「はい。アルーシア様、宜しくお願い致しますね?」



「……(こくん)」



「三人でかー。……ま、いっか」




……そしてアルーシアが「一緒」と言った意味は伝言とは関係なしに、永遠に闇の中(汗)



-とある二人の会話-


「ミーちゃーん、餌の時間だよー?」

――ア、アアアアアアアァァ

「お、ちゃんと良い子にして待ってたかな?」

――アアアアアアアアアアア

「うん、みーちゃんは偉いもんね」

――アアアアアアアアアア

「それじゃ、今日の餌は――コレ! でっかいお魚さんが釣れました!」

――アアアアアアアアアアアア!!!!

「うんうん、嬉しそうで何よりだよ。それじゃ、あ―んして?」

――アアアアアアアァァァア

「よい、しょっと。それじゃ、いくよ、みーちゃん」

――アアアアアア

「それじゃ、……どっ――せぇぇぇぇぇい!!!!! と」

――ア♪


スヘミアとみーちゃん(ミドガルド:巨蛇)との戯れの一時。


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