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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
【とある大会で編】
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とある大会での一幕-6(合間に)

二回戦前の、ヒト休憩での楽しい(?)会話。


「――テメェはッ、いきなり何しやがるんだっ!!」



「はて、何をした、とは何の事で御座いましょうか、旦那様?」



「お前っ、あのタイミングでナイフはないだろ、ナイフはっ。タイミング良すぎて避けられなかったじゃねえか!!」



「ああ、あの事ですか」



「『ああ、あの事ですか』……じゃあねえっつーのっ、てめえは一体何のつもりであんなことしやがった!?」



「いえ、旦那様が『くはっ、片腹痛いわ若造がっ』などと仰ったのでこれはチャンスかと、気が付いたら生成したナイフの投擲を終えておりました」



「いや、そんな事を言った覚えはないが……それでどうして気が付いたらナイフ投げてんだよ?」



「片腹痛い、と旦那様が仰られた事を現実に反映しようと試みました」



「全く要らねえ、余計な世話っスね!! お陰で試合の判定が逆になるところだったじゃねえかっ」



「あれは審判の目が悪いのです。どう見ても旦那様の完勝では御座いませんか」



「いや、普通は立ったままの奴と倒れてる奴がいたら立ったままの方を勝ったと思うのは仕方ないと俺は思うんだ」



「では、我慢しきれなかった旦那様が悪いです」



「そもそもの問題としてナイフなんかを投げやがったテメェが悪いとか言うっ返答はないのかっ!?」



「ご心配には及びません。あれはシャトゥの技を見て考案した魔道具――名を『イミテージ』とつけまして、」



「シャトゥの――? ああ、だからナイフ刺さったはずなのに傷が全くないのか」



「……、はい。旦那様。己の魔力で実態を持たぬナイフを創ることができる非殺傷魔道具、それがこの『イミテージ』で御座います」



「いや、非殺傷とかうたってる割には痛みが半端なかったんだが?」



「痛みは通常の五倍程度感じる様に設定しておきました」



「それはもはや、非殺傷とかそういうカテゴリじゃなくて、立派な拷問器具一つだと思うのは俺だけか?」



「ご心配なく。『イミテージ』は旦那様専用の――つまり旦那様にしか効果は御座いませんので」



「――俺にとってはそれが一番重要だと思うんだがっ!?」



「旦那様は我慢が出来る御方です」



「や! あれは滅茶苦茶痛かったんだが!?」



「……五倍設定は流石の旦那様でも無理でしょうか?」



「無理!」



「では十倍設定に修正しておきますね?」



「それは何の改善もされてないのだがっ、と言うかむしろ悪化!?」



「――ああ、それと旦那様?」



「な、何だよ、まだ何かあるのか……?」



「いえ、……先の仕合い、早々にやり過ぎたかも知れません。旦那様への注目が集まり出しておりました」



「注目、ねえ。――あの程度で?」



「はい、“あの程度で”で御座います。フルベッル様の刺突を全て相殺された旦那様の速度は、流石にラライ様とまではいかないでも、それなりの速度である事は間違い御座いませんでしたから」



「フルベッル? 誰だ、それ」



「先程の、旦那様の対戦相手で御座います……が、やはり旦那様は殿方などの名前は覚えられないと仰られますか」



「あ、や、そう言う訳じゃない、んだが……そう言えばあの坊ちゃんっぽい奴の名前、聞いてなかったなぁ」



「――チャイナック・フルベッル様、リリシィ共和国の子爵家次男の、剣技と才気に溢れた大変有能な方と言う事でそれなりに有名なお方ですよ?」



「興味ない」



「はい、旦那様はそう仰られると思っておりました。そうですよね、旦那様ならば彼のリリシィ共和国と言えば“予言の巫女”の方が興味がおありで御座いましょうね?」



「いや、そう言う言い方は……」



「違うので?」



「違わないけど」



「そうでしょうとも。ですが旦那様、だからと言って“予言の巫女”を攫うなどと言う暴挙に出るのはお止め下さいませ?」



「いや、流石の俺でもそんな事はしないし、するつもりもない」



「そうでしょうか? 旦那様ならばいつか、『まあ、その場のノリと勢いで?』などと仰られている気がいたします」



「……微妙にありそうな気もするが。まあ先の事をあれこれ考えたって仕方ないさっ! 今は今の事だけを考えよう!」



「――左様でございますね」



「ん、んで、あの程度で遣り過ぎで、俺に注目が集まったと?」



「はい。それに旦那様が身につけている“白面”にもそれなりの効果があるようですね」



「ああ、コレね。うん、そうじゃないとこれをつけてる意味がない」



「それで旦那様、注目されてきているのですが――如何なさるおつもりで?」



「如何も何も、何もしねえよ? 今ついてる監視の目だって態々気にする必要もないから。これからは結界でごまかすとかしなくても良いぞ?」



「――承知いたしました、旦那様」



「ま、相手の腕前もそれなりだったし、久しぶりに興に乗ってるしなぁ~。暴れ回るいい機会でもあるし? ま、そっちは放置の方向で」



「はい」



「んで、そう言えばあの期待の新人君はどうなってる?」



「そうですね……未だそれなりに実力を隠したまま、只今順当に勝ち上がりました」



「そかそか。そうじゃないと面白くないな」



「左様でござますか」



「ああ。――んじゃ、俺も二回戦に向けてもうちっと頑張ってきますかっ」



「はい、旦那様――次の試合も、ご健闘を」



「――てめえの邪魔さえなければ幾らでもなっ!!」



「それは……さて、如何なものでしょう?」





◇◆◇



大体、こんな感じ。

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