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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
828/1098

ど-508. 拒絶……?

そんなこともあるさ


「ア~ルッ、あっそびっましょ!」



「……いや」



「……あれ、俺の聞き間違いかな? ――アル、遊ぼうぜ!」



「……いや」



「……ふむ、幻聴が聞こえる気がするなぁ。俺、疲れてるのかな? ――それはそうとある、遊ばないか?」



「……イヤ」



「……」



「……」



「なっ――何だってぇぇ!!!???」



「っ!?」



「そ、そんなバカなっ!? アルが俺を拒絶した!? そんな事があっていいのか、いや良いはずがないっ!」



「……レムなんて嫌い」



「――、世界は終わった!」









「はい、旦那様。何処へ行かれるおつもりですか?」



「これは夢なんだ、いつの間にか俺は悪夢の中に取り込まれてたんだっ、だから放せ、俺は今すぐ目を覚まさなくちゃいけないっ!」



「はい」



「――ぶほっ!?」



「どうですか、痛いですか? 痛いですよね? 殴られて痛いと言う事はつまりこれは現実と言う事です、ご理解いただけましたでしょうか、旦那様?」



「……ぃ、痛いだと? まさかこれが夢じゃなくて現実だとでも言うのか――? 否、そんなバカな」



「……旦那様、高々アルーシア様に一度拒絶されたくらいでその様な、」



「――はっ!? そうか、全てはお前の企みだなっ! そうか成程そうだったのか! ああいや、慌てて損したなぁ、いや、俺はちゃんと分かってたんだけどな?」



「いえ、私は何もしておりませんが?」



「またまたぁ~。“してない”とか言っても、どうせ何かを吹き込んだりはしてたんだろ? いや、言わなくても分かってる、うん、俺は全部分かってるって」



「いえ、全く。アルーシア様に何かを吹き込むような事もなければ、その様に誘導させる類の事は一切行っておりません。断言いたしましょう」



「……嘘偽りなく?」



「はい、嘘偽り、一切なく」



「……つまり、アルが俺の誘いに対して『い・やッ』とか言ったのは全部が全部、アルの独断だと?」



「はい」



「……」



「……」



「――世界の終わりだ!」



「……ですから旦那様、それはいくらなんでも言い過ぎではないかと――」









「……ぷくくっ」









「「――?」」



「……?」



「……おい」



「はい、何で御座いましょう、旦那様」



「今、アルが忍び笑いをしてた気がしたのは俺の気の所為見間違いか?」



「そうですね、」



「……ふむ? ……お~い、アルッ」






「……?」






「至って変わった様子は見受けられませんね?」



「……お前でもアレが演技じゃないように見えるか」



「はい。ただ普通に、旦那様にお声を掛けられて反応したように見受けられましたし、それ以外の他意を見止める事は少なくとも私には出来ませんでした」



「お前が分からなかったんじゃ、そりゃ他意はなかったって事なんだろうが……何か釈然としないな」



「……」



「……――実は腐ったフレッシュゾンビもどきがアルの真似をして俺の事を忍び笑いして楽しんでやがる……とか、」






「っ――、!!」






「――おや、旦那様」



「ん?」



「……いえ、あちらに何か見慣れぬものが、と一瞬思ったのですが、気のせいでした」



「あ、そう」



「はい。お考えの最中、話しかけてしまい申し訳ございませんでした」



「いや、別に良いけど……――腐った死体、ゃ、まさかなぁ……?」



「しかし旦那様? このような時間にこちらにいらっしゃると言う事は、旦那様に回しておいた本日分の雑務の数々は既に終えられたのですね?」



「当然! ――何か料理の試作とかでお菓子を持ってきてくれたシャルアとキリルに頼んだら引き受けてくれたんで、全部押し付けてきた」



「……まあ、旦那様に頼まれて断ることが出来なかったのは致し方ないとは思いますが、」



「いや、でもモノは試しに頼んでみるもんだな。正直引き受けてくれるとは思ってなかったんだけどなっ。助かった助かった!」



「――後で厳重注意が必要ですね」



「と、言う訳だから今日の俺に後顧こうこの憂いは一切ない!」



「左様で御座いましたか。それは失礼を。……まあ、ですが、それで会いに来たアルーシア様に拒絶されていては元も子もないですが」



「ぅぐ!? ……いや、まあアルにだって偶には愛しい俺から離れたくなる時だってあるさ。今がその時だったってだけの話だ」



「随分とプラス思考では御座いますが、――それはない、と申し上げておきましょう」



「……いや、きっとあると俺は信じたいんだ」



「その様に申し上げている時点で、旦那様もさして信じてはおられない事が丸分かりですね? 心中お察し申し上げます」



「……お前、本当に何か余計なこととかして無いんだよな?」



「はい。私は何も」



「……ま、まあ! アルにだってそう言う気分の時があるさっ、俺は気になんてしてないんだからなっ!」



「――そうですね?」



「ああ、そうだとも! ……よし、今度はアルの大好きな甘いお菓子をいっぱい持って来てやろう、そうしよう」









「まるで旦那様の背中が惨敗兵のソレと同じですね――……はい、アルーシア様、如何なさいましたか?」



「――いまの、ほんと?」



「今の、とは旦那様が次回来る時に大量のお菓子を持参してくる、という事ですか?」



「……(こくん)」



「それは、間違いないかと。ですので楽しみにしていてくださいね、アルーシア様」



「……(こくん)」



「ですが、それはそうと――余りオイタが過ぎるのも考えもので御座いますよ? “誰”とは申し上げませんが?」



「……?」



「いえ、アルーシア様。これは独り言ですので、どうかお気になさらぬ様、お願い致します」



「……、(こくん)」



「ではアルーシア様、折角の機会ですので、少々、様々なモノを私と共に見て回りましょうか? 何、何処なりとも私がご案内いたしますのでどうかお気になさらぬ様」



「……(こくん)」



「――はい、では、参りましょう」




-とある二人の会話-


「……ね、シャルア」

「……はい、何でしょうか、キリル」

「邪魔です」

「……それはこっちのセリフです。大体、御菓子そんなモノを持って何処に行くつもりなんですか?」

「そっちこそ、どういうつもり?」

「キリルには関係ない事ですっ。それにキリルだって、」

「シャルアには関係ない事です」


「「……」」


「このままじゃ埒があきませんね」

「それもそうだね。……それじゃあ、“せ~の”で一緒に言おうか」

「望むところです」

「それじゃ、せ~の、」


「「これは御主人様レムさまの所に持っていくんです!」」


「……」

「……」

「……、早い者勝ち!」

「あ、キリル、ずるいっ!!」



平和、ですなぁ


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