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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
819/1098

50. どれいと、平穏な旅路?

~これまでのあらすじ~

国家間の戦争に巻き込まれかけたり(?)何処かの女神様の悪戯に振り回されたり(?)した気もするけれど。全てを振り切って(赤い女神様もどきをいけにえにささげてきたとも言う)逃げ出してきたレム君一行。これからの予定は何も考えていない。



アルーシア・・・口の聞けない(聞かない?)奴隷の女の子。使徒【燎原】の生まれ変わりとか、色々と設定があったりなかったりな感じだけど、取り敢えず無口な子って事で。

レアリア・・・本名、レアリア・ルーフェンス。カトゥメ聖国の次期聖王様の父親違いの姉だったりするけど。大した意味はない。デレる予定のないツンデレ(?)

シンカ・・・リリシィ共和国の“予言の巫女”様。取っても偉いはずのお方なのだが、何故かレム君に攫われている最中。人生を転落中(?)な女の子。



「――ふぅ、今日も空が青いぜ」


「……?」


「曇ってるわよ、バカ主人」


「……わたし、なんでこんなところにいるんだろ?」


「まあまあ、レアリアもシンカも、アルを見習って少し落ち着け」


「……???」


「この子の場合は何も分かってないだけじゃないっ、って言うよりも気が付いたら知らない場所って何よ、あの後一体どうなったの、どうなったのよ、ねえ!?」


「……わたし、何でこんなところにいるの?」


「まあ? あの後は実に順調に戦争は終結に向かった……つか多分、戦争“出来ない”状態にまで散々にされたんだろうけど、平和的に解決したから安心しろ、レアリア」


「……(ふるふる)」


「平和的? 私の聞いた話じゃ、イチが率いてたあのカトゥメ軍と、それからリリアン姫様を取り戻したアルカッタが勢い勇んで進軍しかけてた軍隊が、一夜にして殲滅されたって聞いたんだけど?」


「……ここはどこ? わたしはどうしてこんなところにいるの?」


「殲滅? 俺が聞いた話じゃ無力化だったと思うけど?」


「……」


「バカレム。無力化の方がむしろ信じられないわよ。と、いうかカトゥメ軍の方はまだいいとしてもアルカッタの方は先頭にあのリリアン姫様が立ってたって話じゃない」


「うぅ……うぅぅ……」


「らしいな」


「……(こくこく)」


「W.R.第五位の戦姫いくさひめを含めた精鋭って名高いあのアルカッタ軍を一夜で殲滅、いえ無力化とかありえないでしょ。それってどんな化け物よ、噂に名高い『白面』? それとも噂が独り歩きしてる『夜天』? むしろそんなのじゃないと無理じゃない?」


「……おねーちゃ~ん」


「『白面』だか『夜天』だか、まあ兎に角起きたことは起きたことってんで事実として認めないとな、レアリア」


「……(こくん)」


「それは、まあ分かってるけど、と言うかこれはあくまで噂話で――」


「……マデューカスおね゛ーぢゃ~ん」


「いや、それ噂じゃなくて事実だから。うん、裏もちゃんとったし。――て、そう言えばシンカってマデューカスの妹とかなんとかって驚愕事実があったっけ」


「……?」


「本当? 本当の……ってことはやっぱり一応は戦争は止まってるのよね、レム?」


「……何でこんな事になったんだろ? わたし、何かイケナイ事しちゃった? わたし、悪い子?」


「はい、シンカ。そろそろ現実に戻ってこようなー? あとレアリア、しつこいぞ。大国間の戦争は起こらず世界は平和そのもの、と言うのは言い過ぎだけど、まあ最悪ってほどじゃないってのは現状見れば分かるだろうが」


「……(こくこく)」


「それは、まあ……」


「――ふぇ!? ぁ、ここは……うぅ、やっぱり神殿おうちじゃない。夢じゃないんだ」


「と、言う訳でシンカ。改めてちょい、さっきポロリした重要なとこをもう一度、今度は詳しく言ってみようか」


「……(じー)」


「……レム、あんたソレ、別の意味にも聞こえるから」


「え、……えぇ!!?? ぽ、ぽろり? わたし、何ポロリしちゃったの!?」


「さあ、何だと思う?」


「……(ふるふる)」


「……趣味性格悪」


「ええっ、わたしお嫁にいけない? もうお嫁に行けないようなモノポロリしちゃった!?」


「心配するな、シンカ! 一番最初に、ある意味隠せる余地がない程に全部見ちゃってるから。今更だって!」


「……(じー)」


「……レム、あんた、何した訳?」


「――ぁ、アレは例外っ、あの時の事は……もうなかった事にしたんですっ! ……そっ、そうじゃないとこんな変態さんに嫁がないと経過異様な、そんなの嫌!!」


「ふっ、どんとこいだぜ!」


「……(じー)」


「さいてー」


「いやいやいやぁ~!!!」


「……何か微妙に楽しいかも」


「……(じー)」


「あんたって……」


「……うぅぅぅ、出来れば、………………大切にして下さい」


「はい? と言うかアルさん? さっきから何だか微妙に視線が痛い気がするのですが、俺の気のせいでしょうか?」


「……(じー)」


「気の所為じゃないんじゃない? この子だってあんたのあくどさに怒ってるのよ、きっと」


「――でもやっぱり嫌ぁぁぁぁ!!!!」


「はい、シンカ少し落ち着こう。いや、マジで少し落ち着こうな?」


「……(じー)」


「……おんなのてきねー」


「あやっ、抱き、抱き留め――……はふっ」


「って、おぉい、シンカ!? 大丈夫か、ってかこの程度の事で何気絶してやがる!?」


「……(じー)」


「……うわー」


「きゅぅぅ~……」


「な、何だよ!? 何、アルもレアリアも、二人ともそんな目で俺を見てっ、俺か、俺が悪いとでも言う気か!?」


「……(こくん)」


「――それ以外何があると?」


「……はふっ、はふっ、はふっ」


「何だよ、何でいつの間に俺が責められてるわけっ、俺何も悪いことしてないよ、――ほらシンカ、お前も俺の弁解を頼むっ」


「……(ふるふるふる)」


「と言うよりも言い訳する気? 益々最低ね」


「はみゅ!? ……あ、あれ? ここはどこ? 私は……――ななななんでどうして!? 何でわたし、レムさんに抱きとめられてるの!? え、え、ええ~!!??」


「だから何度も言ってるが、少し落ち着け、シンカ。……と言うよりもそれでも本当にリリシィ共和国の『予言の巫女』様か?」


「……?」


「……予言の巫女!? この子が!?」


「ふあ!? ちがっ、違います違います違います違いまじゅ!?」


「あ、舌噛んだ」


「……(こくこく)」


「……うわぁ、痛そ」


「ひは、わはひは、ひょへんのひひょひゃんかひゃ……にゃ、にゃいでしゅよっ!」


「……ぷ」


「……?」


「ちょ、レム。笑っちゃ失礼だって。本人だって頑張って、頑張って……、……」


「~~っっ!!」


「ぁ」


「……(じー)」


「あー、レムが泣かせた!」


「な、泣いてなんてないもんっ、泣いてなんていないんです!」


「……あーいや、悪い。少しからかい過ぎた。悪かった、シンカ」


「……(ふるふる)」


「ご、ごめんなさいね。私もちょっと悪ノリが過ぎたわ。えっと……シンカ?」


「うぅ……うぅ? そ、そう言えば貴女は一体誰なんですか?」


「応、こっちは俺の愛の奴隷のレアリア。気軽に愛奴♪って呼んでやってくれ」


「……?」


「違うわよっ! 何でそんな呼ばれ方しないといけないのよ!?」


「……あいどさん?」


「そそ」


「……(こくこく)」


「ちっがーう!!!!」


「あ、えと、ごめんなさい。……レアリアさん、でしたか?」


「ちっ、詰まらん」


「……(こくこく)」


「詰まらなくなんてないわよ。それにアルまで……もしかしてレムに感化されてる?」


「ひっ!?」


「それはいいことだ――って、シンカ、何をそんなに怖がってる? と言うか何故に俺から離れていこうとしてる?」


「……?」


「あんたの得体のしれない病原菌が移るからじゃない?」


「びょ、病気持ちでもあるんですかっ!?」


「ないない。それに俺、コレでも一応薬師だから。身体の方はむしろ普通の奴よりも健康だぞ。……三食劇物喰らっても生きてられる程度にはな。いや、本当によく生きてるよな、俺って自分を褒め称えたい所ではあるけど」


「……?」


「は? あんた、何言ってるの?」


「あ、その気持ち、私も少し分かります。マデューカス姉さんも料理下手……いえ、ちょっとだけ料理の才能に恵まれてないから」


「ほぅ、それは良い事を聞いた。今度マデューカスの奴をそのネタでからかってやる事にしよう」


「……(ふるふる)」


「……あんたって、やっぱり性格悪」


「あっ、あのっ、出来れば私が姉さんの料理があんまり上手じゃないって言った事は内緒でお願いしますっ!」


「ふっ、承知した!」


「……(こくん)」


「……なんだろ。何だか此処にいるの、バカばっかりに見えてきたわ」


「わっ、わたしはバカじゃありません! それに変態さんはそこのレムさん一人で十分です!!」


「いや俺変態じゃないよ? 何ごく当たり前のように俺を変態扱いしてるかな、シンカ」


「……(じー)」


「……なに、変態じゃないとでも言い張るつもり? 厚かましいわね」


「そっ、そうですよ変態さんっ! わたしの着替え、覗いた癖に!!」


「それはもう忘れる事にしたんじゃなかったんですか、シンカさん!?」


「……(じー)」


「……やっぱり、ね。そうだと思ってたわ」


「――ぁ、いや、今のなし! なしなんです!! だ、だからこんな変態さんに嫁ぐなんてそんな事は、事は……うわぁ~ん!!!!」


「あ、いや待てシンカ! 泣くのとか落ち込むのとかは良いんだけど、走って逃げるな、つか何処に行く気だ!?」


「……」


「と、いうかレム。今更ながらにここってどこなの? 私、気が付いたらここにいたんだけど?」


「そんなの、俺も知らん! って、アルまで!? そんなに急いで何処行く気!?」


「……」


「……何なのよ、このヒト達って。私って確か、ちょっと前までイチと真剣に話してたはずなんだけど……何でこんな事になってるのかしら???」


「――、きゃ~、変態さんが追ってくるー!!」


「って、だから誰が変態だ、このっ、こらシンカ、待ちやがれっ!! あとアルも、何勘違いしてるのか考えてるのか分からないけどっ、お願いだから待ってくれっ!!」


「……(ふるふる)」


「……何か、どっと疲れた気がする。――わたしも、二人みたいに逃げようかしら?」


「きゃ~!!!!!!!!」




「――くぉらああああ!! いい加減に待ちやがれっ!! テメェら、俺がいつまでも大人しくしてると思ったら大間違いだぞっっ!!!!」








◇◆◇






「……で。……あれ?」


「全く。こんな真昼間から堂々と婦女暴行未遂とは……色々と舐められたものだねっ」


「ぎぶみーぷりーず、誰か説明を」


「はい、犯罪者、大人しくして下さいね?」


「……、……えー」




いろいろと、……うん、平和だなぁ。最後にレム君がいつも通り(?)婦女暴行罪で捕まってたりする気もするけれど。至って平和です。


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