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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
814/1098

ど-496. 遭遇しました

――回り込まれた! 逃げられない!



「……」



「……」



「……何をなさっておられるのですか、旦那様は?」



「……、よお、こんなところで会うなんて奇遇だな!」



「はい、そうですね。それと奇遇ついでに一つお尋ねしてもよろしいでしょうか?」



「駄目だ」



「承知いたしました」



「……」



「……」



「……で、何か俺に用事でもあるのかな?」



「どちらかと言えば旦那様が私に用事があるのでは? とお尋ねしたい所ではありますが、先程不問にする事を承知しましたので尋ねる事は致しません。ですがそこは私の部屋の前ですので出来ればどいて下さるとありがたいのですが? と申し上げておきます」



「おお、これは気付かなかったなぁ」



「そうなのですか? 旦那様も以外ではなくうっかりさんですね?」



「ああ、そうだなっ。俺とした事がついうっかりしてたぜッ☆」



「所で旦那様、私の弱みになりそうな品は何か見つかりましたでしょうか?」



「は? 何の事だ?」



「ちなみに私が旦那様に見惚れていたのは今朝方からずっとです、と申告しておきます」



「――悪気はなかったんだ!」



「はい。存じ上げております。それに旦那様に見られて困る品などありませんから。そちらの方々(しなじな)は秘密の地下室に埋葬済みです」



「――……ちっ、無駄足だったぜ」



「そうですね。ですがそう言う意味でしたら旦那様が無駄足出なかったことがかつてありましたでしょうか? いえ、なかったです、と僭越ながらお答えしておきましょう」



「そそ、そんなことはないぞー」



「そうでしたか? 存外、私の記憶力も当てにならないモノですね」



「まあ、お前にも間違いはあるってコトだなっ!」



「それを否定はしませんが。――所で旦那様、先程から気になっていたのですが、旦那様がそちらに握りしめておいでなのは私の下着では御座いませんか?」



「誰がそんなもの握りしめてるかっ、これは単なるお前の部屋で見つけた俺の“ぷろまいど”だ!!!!」



「……――ほぅ」



「……、ぁ、いや、……大体何でこんなモノをお前が持ってるんだよっ!?」



「そちらの品に関して言えば私の所有物ではないのですが、だんなさまの“ぷろまいど”でしたら昔シャトゥに頼んで数万枚程創らせた事がありますね」



「数万!?」



「どれ一つとして旦那様の真面目そうな表情がなく、くすりとも笑いを誘わないモノばかりなのは私なりのこだわりです」



「何のこだわり!? つか、そもそもそんなモノ、どんな用途に用いてるんだよ!?」



「呪術を掛ける際などに大変有効であると言う事は実証済みに御座います」



「……実証?」



「はい。旦那様で」



「……俺で?」



「はい。呪いを少々、面白可笑しく――ただし傍で見ている分には、ですが」



「それっていつ!? いつの事だよ!?」



「お心当たりが……百や二百あるのでは?」



「いくらなんでもそれは多すぎ――、……いや、思い返してみれば心当たり、結構あるもんだな、おい」



「旦那様の記憶力に感服いたします」



「いや、コレは記憶力と言うよりも忘れたくても忘れられないような酷い目にあった事の数々なだけであって――と言うかお前は何してくれてますかねっ!?」



「愛のなせる技、と申し上げておきましょう!」



「それ間違いなく違うから威張るなよっ!?」



「出来れば胸を張れば胸が揺れると言う所にご注目ください」



「それは言われなくても注目してる」



「左様でございましたか。流石は旦那様。目の付けどころが常人とは違います」



「ふっ、よせやい。照れるじゃねえか」



「そう言いつつ立ち去ろうとするのはおやめ下さいませ、旦那様。最低限、そちらの旦那様ぷろまいどを返却して下さい」



「ヤダ。……つか、お前はこんなモノ何に使う気だよ? ゃ、どうせ碌な事じゃないのは分かり切ってるわけだが!」



「そうですね。例えば毎晩、そちらのぷろまいどを旦那様に見立てて愛を囁く、と言うのは如何でしょう」



「嘘をつくならもっとまともな嘘をつけと言っておこう」



「コレはまた随分と信用がない事で」



「日ごろのお前の行動からしてみれば当り前の事だと思う」



「ちなみに先も申し上げましたがそちらの品は私のモノではなく、とある件にてリヒッシュ様より徴収させて頂いたもので御座います」



「……リヒッシュから?」



「はい。ですので出来れば返却願いたいのですが?」



「あ、いや。お前がこう言う事で嘘つかないのは知ってるから、これがリヒッシュのって事なら返すのも別に構わないわけだが。……何でリヒッシュが?」



「それは当人にお尋ねいただければ宜しいかと」



「ああ、まあ今度会ったら聞いてみるつもりだが。……でもやっぱりなんでまたリヒッシュが?」



「旦那様も存外慕われていると言う事では御座いませんか?」



「……むしろ日々の妬み辛みの吐き出し口にされてそうで怖いんだが」



「お可哀そうなリヒッシュ様」



「むしろ可哀そうなのは俺! 俺だからっ!!」



「ご自身を憐れんで悦ぶなど、やはり旦那様はアレですか。……殴って差し上げましょうか?」



「お断りします……ってか何でそんな話になってるんだよ。だから可哀想なのは俺の方だって話なんだよ!」



「……やはり殴りましょうか」



「何で!?」



「――取り敢えず、乙女の寝室に無断で侵入したと言う事で、」



「乙女? 誰が???」



「――」



「――ふごぉふぉ!!!????」





「…………………………打ち抜いてしまった壁の修理、あとで旦那様にやらせましょう。どうせ旦那様の所為なのですから」


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