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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
81/1098

ど-56. れべるが上がった!


何も嬉しいことばかりじゃない。





「…この世は所詮、弱肉強食。強いものだけが生き残り、弱い者から順に死んでいく」



「つまり何を仰られたいのでしょうか、旦那様?」



「これ、止めていいですか?」



「却下いたします。どうぞ旦那様、ご遠慮なされずに。それとも私もお手伝いいたしましょうか?」



「いや、お前の手伝いは断固として断る。でもさ、ほら、俺言ったよね?弱い人からさ、順に死んじゃうんだよ」



「でしたら旦那様は大丈夫でございますね。さあ、どうぞ一気にぱくりと、お覚悟をお決めください」



「…覚悟、決めなきゃいけないものなの?」



「いえ、特に覚悟をお決めになる必要もないはずですが。旦那様が必死の形相であられたので、覚悟をお決めになられるのならばどうぞ速やかに行い下さるよう、お願い申し上げましょう」



「た、助けてぇ〜」



「旦那様」



「だから、さ。流石にこればかりは無理なんじゃないかな、と俺は思うわけですよ」



「心配には及びません。準備は既に万端でございますので」



「お前の準備が万端って言葉を聞いて余計に心配になってきたよ。…でもね、ほら、これはさ…………どうして器程度にミスリル銀を使う必要があるんだ?」



「それ以下の物理および魔法強度の物質では耐えきれませんでしたので」



「や、俺は生身ですよ?」



「承知しておりますが、それが何か?」



「耐えきれないって」



「そこは根性でなんとかなりませんか、旦那様?」



「無理。絶対、無理!」



「ならば先ほど旦那様が仰られた自然の摂理に素直に従うのも如何なものかと?」



「俺に死ねと言うか!?」



「そこまでは申し上げておりません。それに私は旦那様を深く、心の底より信じておりますので」



「…実にステキな信じられ方だよ、それは」



「お褒めいただきありがとうございます」



「褒めてない、そして無駄に照れるな」



「それはそうと旦那様、そろそろミスリル銀の耐久度も限界に来ていますので、早々に取りかかられる事をお勧めいたします」



「…おれ、まだしにたくないよ」



「なにを子供のような事を仰られますか。元は一介の食材に過ぎませんし、毒の類も一切含まれておりません。それは私がしかと確認いたしました。ですので、」



「食べても大丈夫だと?いや、そもそもミスリル銀も既に溶け始めてるからっ!?」



「…つまり旦那様はファイ様が誠心誠意籠めておつくりになられたこのご朝食をお食べになられないと、そう仰られるわけでございますね?」



「そっ、そこまでは言ってないが。…でもさ、ファイの料理も最近見かけだけはよくなってきたと思ってたのに、今日のこれは一体何なんだ?」



「察しますにファイ様の料理の腕が一ランク上がったのではないかと」



「嬉しくもないレベルアップだな、おいっ!!」



「喜ばしい事でございます」



「どこがだっ!?」



「…おや?旦那様がお食べになられない所為で料理が零れてしまったではありませんか」



「そもそも時間が経てば容器の中の料理がこぼれだすって言う事に疑問を感じないのか?」



「微々たる問題でしょう。しかし…仕方ありません。このように零れてしまった料理を旦那様に召し上がっていただくのは私としても本意ではございませんので、本日のところは早急に新しいものを持ってくるといたしましょう」



「やたー!!!」



「…随分と喜ばれておられる様子」



「…こ、こほん?いや、そんな事はないですよ?いやー残念だなー。でも仕方ないよなー零れちゃったもんなー」



「――では旦那様、早急に軽く食せるものを作ってまいりますので、もう少々お待ちいただいてよろしいでしょうか?」



「ああ、いいぞ…て、お前が作るのか?」



「はい。ですが私が作る事に何かご不満でも?」



「いやない。むしろ作れ。………よしっ」



「…はい。では本日のご朝食は時間がございませんので僭越ながら私がご用意させていただきます。御昼食からは再びファイ様に作っていただきますので、ご容赦くださいますよう」



「そ、そうか。やっぱり…というか、昼からはまたファイの料理か」



「ご不満が?」



「い、いやぁ。そうじゃなくってたまにはお前の料理を食べるのもいいんじゃないかな?と思ってただけだよ。………くそっ」



「了解いたしました。旦那様がお望みであられるのであれば時折私が料理を作るというのも吝かではございません。ファイ様のお仕事を完全に取ってしまうわけにはいきませんが、旦那様がお望みして頂けるのであれば私も偶には作ってみるといたしましょう」



「マジか!?」



「……、それほどまでに私の料理をご所望で?」



「ああそりゃもうっ!!」



「…………、では早急にご用意してまいりますので、お待ち下さるようお願い申し上げます」



「ああ。でもゆっくり待ってるからじっくり作ってきてくれて構わないぞー」



「いえ、旦那様を必要以上にお待たせするわけにはいきませんので。では、私はこれで」



「おうっ!…………よし、これで久しぶりにまともな飯が食えるぞっ、て言っても一食だけだけどな。とほほ」





今日の一口メモ〜


恐らくですが、何気に一番名前の出る回数の多いファイさん。

当初、彼女はメインのつもりはなかったのですが、現在進行形で次第にメインになりかけてます。


…やっぱり今の時代、個性ですよねっ?



旦那様の今日の格言

「世の中には二種類のものがある。食えるものと…食えないものだ」


メイドさんの今日の戯言

「言い訳など見苦しいですよ、旦那様?」


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