表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
803/1098

ど-487. 無駄話、立ち話

本当に、たわいのない無駄話。



「ヒトには役割ってのが存在する。俺や、当然お前にも。まあ、言い換えれば分相応な振舞いってやつだな」



「はい、そうですね。所で旦那様、急に何を仰っておられるのですか、遂に頭にウジでもわきましたね」



「……ゃ、そこはせめて断定じゃなくて、疑問形にしてほしいのだが」



「では何故唐突に『ヒトの役割』などと言う、旦那様には不釣り合い極まりない事を言いだされたりしたのですか? はっ、さては偽物!?」



「いや偽物違うし。それに偽物かどうかはお前が一番良く分かってるだろ」



「確かにそうですが、私の目を欺く程の高度な偽物と言う可能性も捨てきれません」



「そこは捨てきっても良いと思う」



「もしくは旦那様試作機三号かもしれませんし」



「試作機って何っ!?」



「……」



「おいっ!?」



「……おっと、少々口が滑ってしまいました。旦那様はどうか、お気になさらぬ様。ほんの些事に御座いますので」



「ああいう言い方されて気にならない奴はいないと俺は思うなぁ!!」



「そこは旦那様がそこいらの凡人と違い、遥かに劣ると言う事でなにとぞお願い致します」



「断る。つか劣るって何だ、劣るって」



「このウジ虫未満がっ!!」



「いや何!? 何で急に俺罵倒されてるわけ!?」



「旦那様が悦ぶかと思いまして」



「喜ばねえよ!?」



「どうやらそのようで」



「つか罵倒されて喜ぶ奴なんていねえ……ぁ、ゃ、そう言えばそんなのも居たようなそうでないような」



「まあ、私が存じ上げている方々でも数名は御存命で御座いますね。ちなみに筆頭は旦那様とアルカッタのダリア様、どちらが良いか迷うところで御座ます」



「そこは素直にダリアの阿呆にしておけ」



「旦那様は本当に謙遜なのですね?」



「謙遜違う。つか俺としては候補に挙がってること自体不服だ」



「ふふっ、照れずともよろしいですのに」



「照れてないよ!? 全然照れてねえよ!!」



「所で旦那様はなぜ急に『ヒトの役割とは――』などと言う哲学めいた事を仰られたのですか?」



「って、また急に話を戻す……」



「旦那様にお付き合いしたい所ではありますが、私も忙しい身なれば、旦那様の無駄話に付き合う時間の為に、身を粉にして働いているのです。ですが今は急用が入ってしまい、少々旦那様に付き合う程の暇が取れませんで」



「急用? 何だ、急いでるのか?」



「はい、まあ急いでいます」



「あ、何だ。なら別に俺の話に付き合わなくても、早くその急用とやらを済ませてこいよ」



「いえ、急用ではありますが、旦那様の無駄話を優先させます」



「いや、それは悪いし」



「どうかご心配なさらぬよう。今回の措置が遅れたとして、精々大規模災害に見舞われるか、地域戦争が拡大して被害がちょっと口に出せない程に広がるだけですので」



「はいっ、お前はさっさとその急用とやらを済ませてこようなー!!」



「お断りします。旦那様との無駄話の方が私には大切ですので!」



「それは限りなく優先順位をつけ間違えていると思う!!」



「そうですか?」



「そうだよ! つか、“無駄”話なんだから、そこまでする価値もないだろうがっ」



「まあ確かに旦那様が口に出されることの実に九割九分に価値は御座いませんが」



「だろうっ!? だからお前はさっさと……って、自分で言ってて何か悲しくなってきた」



「どうぞ、こちらで涙をおふき下さい」



「いや、涙は辛うじてまだ出てないから」



「そうですか。……ではこちらで涙を流して下さいませ。香辛料を水で溶いたモノです」



「嫌だよ。つか何でそこまでして涙流さなきゃならん」



「女の涙は最終兵器、男の涙はヘタレの証、とも申しますし」



「や、だからお前は俺に何させたいワケ? と、言うか、急用ならさっさと行けよ」



「そんなっ、旦那様はそんなに私の事がお邪魔なのですかっ」



「邪魔と言うかなんというか、まあどうでもいいからっさと用事を済ませてこい。そうすれば相手してやるから」



「まあ、まるで旦那様が私の事をお相手下さっているように聞こえるモノいいですね、それは」



「違うのか?」



「いえ、微塵も、違いませんとも」



「そうか。なら早く行って来い。さっき言ってたような、酷い事態になったりしたら――」



「……しましたら?」



「俺は悲しいぞ」



「左様でございますか」



「ああ」



「……」



「……」



「では旦那様、――至急、行って参ります」



「ああ――って、早っ、……まあ、あの調子ならどうとでもなるだろ、うん。…………ちょっと発破掛け過ぎたかも知れないけど」



「俺は悲しいぞ」って言うのはレム君の最終手段の一つです?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ