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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
801/1098

ど-486. 流行っています

刺激? に満ちた日常。



「……ん?」



「如何なさいましたか、旦那様?」



「いや、今ちょっと……誰かに見られてる気がしてな」



「自意識過剰なのですね」



「や、違くて。確かに誰かの視線を感じたぞ」



「旦那様、妄想癖と言う言葉をご存知でしょうか」



「だから妄想とかそういうのじゃなくてだな、視線を……って、お前なら気付いてるんだろ?」



「はい、承知しております。ですがどうかお気になさらぬ様」



「気にするなと言われても……」



「危害・実害はないはずですのでお気になさらぬ様、お願い致します」



「実害ないとか言われてもなぁ」



「最近旦那様のスト―キングが館内で流行っているのです。旦那様のその寛大な御心で以てどうか気にしないでやって下さいませ」



「……」



「旦那様? 何やら面白おかしな顔になっておりますよ?」



「ゃ、スト―キングが流行るって、なんだそりゃ」



「遂に皆様方も旦那様の魅力に気づかれたのですねっ」



「……で、その結果がスト―キング大会だと?」



「はい……と、何でしょうか、その私にモノ言いたそうな視線は」



「よく分かってるじゃないか、扇情者候補その一」



「その様に悪意をもった勘違いをなさるとは、私悲しいです」



「ほぅ、勘違いだと?」



「いえ、正解ですが」



「……」



「むしろ私の事を正確に理解しておられる旦那差に喜びすら感じております」



「あ、そ」



「はい」



「……それで、お前は何でまたスト―キング大会なんて始めてるんだ? リッパーみたいなのを大量に増やそうとかでもしてるのか?」



「端的に言ってしまえばその通りですね」



「て、おいおい」



「そろそろ皆さま方にも、この素晴らしくもそれ以上に愚かしい旦那様のあるかどうか判断に非常に困る魅力と言うモノを理解して頂こうと思いまして」



「……それは、俺の事を認めているのかいないのか判断に困る言葉だな」



「ええ、当然認めておりますとも」



「まあお前にそれを聞いても無駄っつーことは分かり切ってたわけだが」



「そうですね。私は他の何物よりも旦那様を認めている事を誇りに思っておりますから」



「誇り、ねぇ」



「はい。……ご迷惑でしたでしょうか?」



「いや。んなの今更だしな。お前がそう思っていたいのならそう思ってりゃいいさ。俺がどうこう言う問題じゃない」



「はい」



「それで、俺の事を理解してほしいとかそういうのは分かったとして、……何でその手段がスト―キング?」



「温かく見守ると言い換えてもよろしいかと」



「いや、どっちにしろやってるのはスト―キングだから」



「そうですね」



「で、何でスト―キング?」



「素の旦那様を見て頂くには、やはり隠れて見守って頂くのが一番かと思いまして」



「普通にお互い話して理解を深めあうとか、そう言うのはなかったのか?」



「それでは余計に現実と言う名の溝が開いてしまいます。せめて幻想と言う名の橋渡しを掛けて溝がないように見せかけなければなりません」



「それはどういう意味だ、こら」



「現実に幻滅してしまうよりは想像の中で恋慕して頂く方が幾分かましであると申し上げております」



「それじゃまるで俺が外面だけの奴に聞こえるじゃないかっ」



「……あぁ、そもそも外見もそれほどではありませんでしたか」



「放っておけっ!!」



「いえ、私は凛々しいと思います」



「そんな取ってつけたような慰めは要らないんだよぉぉ!!」



「いえ、本当に私にとっては好ましい顔で御座いますし。気になさるほど崩れても居ないと思いますよ?」



「お前に容姿の事を言われても嫌味にしか聞こえねぇよ」



「……困りました。ではどのように申し上げれば宜しいのでしょうか」



「先ず根本的な問題として、あいつらにスト―キングを止めさせようぜ。なーんか最近誰かに見られてるなぁ、とか思ってたけど……――いくらなんでも昼夜問わず一日中ってのは酷いと思う」



「お風呂トイレもですか?」



「うん、まあ……振り切ってる」



「そうですか。もし見せつけておられたのでしたら敬愛してやまない旦那様の事を罵らなければいけない所でした。――この変態っ」



「罵ってる、もう罵ってるから、それ」



「おや、ついうっかり本音が漏れてしまいました。これは大変失礼を、旦那様」



「その本音がポロリ発言の方が失礼だと分かれ」



「おや」



「おや、じゃないっつーの」



「しかし旦那様に気づかれてしまうとは、皆様方もまだまだ未熟で御座いますね。困ったモノです」



「いや、むしろ俺が見られてるかなぁ? 程度にしか気づけないのが凄いと思うぞ?」



「いえ。折角私が『逃避鏡』を配ったと言うのに、有効利用できていないのは残念でなりません」



「……ああ、そう言えばお前、いつかそんなの創ってたなぁ。効果は確か――」



「存在の隠ぺい、で御座います。それでも旦那様に視線を気付かれてしまうとは、なんとも情けない」



「ふっ、俺もまだまだ捨てたモノじゃないってコトだなっ」



「……後でしっかりと皆様方に『逃避鏡』の使い方を伝授してまいりましょうか」



「っておい待て、お前はこれ以上、コトをややこしくするな」



「……、はい旦那様、承知いたしました」



「その沈黙の意味は?」



「少々躊躇ってみましたが、やはり旦那様のお言葉は聞くべきであるという結論に達しました」



「うん、それが普通だからな? そしてお前はとてもじゃないけど俺の言葉を聞き入れてくれてるようには見えないから、全然」



「私の努力は、常に日の光を見る事はないのです」



「や、お前は努力とかよりも天才型だから」



「身も蓋もありません、旦那様」



「まあ、……だな」



「それで、何の話でしたでしょうか、旦那様?」



「そうやって話逸らすなよ? ストーカだよ、ストーカ。お願いだから止めさせろ、じゃないと夜もおちおち眠れやしない」



「昨晩はぐっすり快眠であったと記憶しておりますが?」



「……まあ」



「取り敢えず承知いたしましたので、皆様方にはちゃんと言い聞かせておくことに致します」



「ああ、そうしてくれ」



「――旦那様に見つかるような低レベルのスト―キングは避けるように、と」



「って、おい、それ違う!?」



「では旦那様、この拙いスト―キングのお相手に、少々罰を与えてまいりますので、私はここで失礼させて頂きます」



「っと、おぉい!! だから今のお前の言葉じゃ別の意味にとられちまう――」



「では、失礼――」



「――て、行っちまいやがった。……よし、これからはもう少し気を張るか。じゃないと、本当に気付かない内にスト―キングされてそうで怖い」




……今日も良い天気だなぁ。

と言うか、気付けば前回で800回目。



わぉ


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