表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
795/1098

48. どれいと暴走

~これまでのあらすじ~


相も変わらずレム君が女の子に襲われて(!?)ピンチの時、颯爽と姿を現した(仮)正義の味方。何か、大国間同士の戦争とか難しい話があった様な気もしたが取り敢えずそれは置いておくとして。正義の味方事、みんなのシャトゥルヌーメが現れて、そして彼女はアルーシアを見て一言、漏らした。「……燎原?」と。

……てな感じだったように思われ。



アルーシア・・・愛称、アル。口のきけない、奴隷の女の子。何事に対しても反応がなかったが、シャトゥの一言に大きな動揺(?)を見せた模様。きっといろいろあるのです。


スィリィ・エレファン・・・冰頂の魔導士にしてレム君に(わりと)ゾッコンな娘っ子。その事を聞くと否定して、でも暴走して肯定して、最終的にはレム君に怨み辛み愛しさを募らせる困った子。

スヘミア・・・点睛の魔女。ロリっ子。……あれ、今思ったけど、アルーシアと言い、シャトゥといい、意外とロリが多い?


シャトゥ・・・本名(?)シャトゥルヌーメ。色々と終わっているっぽい、ホムンクルスの幼女。我が道を行くタイプで最近信者が増えてきて嬉しいらしい。



「……おい、ちょっと待て、シャトゥ」



「はい。如何なさいましたか、レム? はっ、もしや遂に私に愛の告白を!?」



「それはない」



「しょんぼりです」



「それよりもシャトゥ、」



「うむ?」



「お前、今なんて言った?」



「うむ? 私は一日に三度はレムを想い胸を痛めています?」



「――真面目に答えろ、似非女神」



「レ、レム? ……何だか怖いの」



「良いか、もう一度聞くぞ――」



「きゅんしました! 我はそんな真面目な表情のレムに胸キュンですっ」



「お前は、今、何て言った?」



「……お、お胸がきゅんきゅん?」



「――シャトゥルヌーメ」



「……がくがくぶるぶる」



「……」



「……」



「……」



「………………――はぁ」






瞬間、何かが変わる。


同時に矛盾はしているが何が変わったと言う訳ではない。全ては初めからそこに在り――緊張感に塗れた空気さえも、それは初めからこの場に存在していて、全て、そこにあるモノは何も変わらない。




強いて。


どうしても言葉を用いて言い表すならば……今この時この瞬間、“裏”と“表”が反転した。






「余裕がなさすぎなのは良くない」



「余裕はある時に持ってるもんじゃない。必要な時に“繕う”モノだ――いや、んな事はどうでもいいんだよ。それよりも、」



「私があの子の事を“燎原”って呼んだのが、そんなにおかしかった?」



「そう、それだ」



「うん、分かってる。でもそれはおかしい事?」



「ああ、おかしい。ちゃんちゃらおかしいな。お前に限って【燎原】を見間違えるなんてありえないし、それにあの容姿で“燎原”だと? もしそれが本当だとして――ふざけるのも大概にしろよ」



「私は別にふざけてなんていない」



「黙れ、“なんちゃって♪”女神」



「ぶー、ぶー、自分から呼んで置いてその言い方は酷いー」



「お前なんて必要な事を聞きだしたらその場でポイで十分だ」



「えー、それは酷いっ、鬼畜っ、横暴っ、そしてやっぱりロリコンですね、レムッ♪」



「――」



「……だから、余裕がないのはダメっ。ほら、周りの子だってレムの真面目な表情に胸キュン♪しちゃってるじゃない? 余り私以外の子の好感度を上げるのもダメ」



「……シャトゥに変な事を刷り込むなよ?」



「私もシャトゥ、あの子もシャトゥだから問題ない」



「……それで、シャトゥ。さっきの言葉は一体どういう意味だ?」



「私があの子を“燎原”って呼んだこと?」



「ああ。事と次第によっちゃ――例えお前だろうと許さねえぞ」



「だから顔が怖い。それに――たとえどんな些細なことであれ私が貴方を悲しませるような事をするはずがないじゃない、私の愛し子」



「ああ、そうか。それで、どういう事か今すぐ率直に簡単にそして完璧に、説明しろ」



「う゛スルーは悲しい……」



「説明、しろ」



「もうっ、だから余裕のないのは駄目ですよっ?」



「今、お前相手に余裕を取り繕う気はないから構わん」



「私は構うと思います!」



「――で、アルの事、説明しろ」



「……はーい。それで聞きたいのは……ああ、あれ、あの子? うん、私がちょいと神様なる御技で蘇らせました」



「……」



「うん。確か元の子はアルーシアって子」



「ぇ、いやおい。ちょ、待っ!?」



「うん? どうかした?」



「……死者蘇生、だと?」



「うん♪」



「――」



「死んだあの子を蘇らせちゃいましたっ、てへ♪ あの子ってのがどの子なんてツッコミはなしの方向で、あ、でも貴方になら……ゅ、許しちゃうかも? 」



「……幾らお前でもそんなこと、」



「だからスルーは悲しいのです。それに、時と場合と偶然とほんのちょっとの勇気と絶大な貴方への愛があれば私は何だって出来る!」



「……」



「……貴方への愛があれば私は何」



「いや、繰り返さなくても良い」



「さっきから反応がつれない、寂しい。もしや、これが噂のニュータイプ、ツンデレラ?」



「今は冗談に付き合う気はないから」



「……そうみたいですね」



「――で、今のは性質の悪い冗談、」



「ではないですよ?」



「だ、ろうなぁ」



「はい」



「……じゃあ、あれは」



「【燎原】の――前の子です」



「アルーシ、ア……?」



「はい」





◇◆◇




レムが、“彼女”に視線を向けて、“彼女”の名前を呼んだ瞬間。



声にならない声がする。


想いにならない想いがある。


同様に、力にならない力が弾けた。




◇◆◇



始まりは緩慢に、だが確実に。


ジワリと、現実に赤インクが垂れた様に、“あか”がアルーシアを中心にして滲んだ。そしてその“あか”はゆっくりとだが確実にその範囲を広めていった。



◇◆◇



「――っ!? おい、シャトゥ、コレはまさか【燎原】の――」



「うむ? オネムの時間です?」



「だっぁぁぁぁぁ、相変わらず役に立たねえあの駄女神ッッ!?」



「うむ? レムは何をそんなに慌てておいで?」



「っ、シャトゥ!!!!」



「は、はいっ!」



「守れっ、“全力で”アルーシアに結界を――」



「それは無理だと思います! ……何となくだけど意味ないような私の直感?」



「っ、――あぁ、そうだったな。相性的に“女神”じゃ【燎原】相手は無理か。なら――スィリィ! スヘミア! いい加減我に返れ!!」






「「――っっ!!」」



「レ、レム……!?」



「レム兄様……!?」






「スィリィは今すぐ全力でアルの周囲――ええい、この際だ、問答無用殺す気で、あの子を攻撃しろっ。反論は許さん!!」



「ぇ、ぁ、はい!!」






「スヘミア、お前は守れ!! 対象はアル以外の全て! そこらで寝てるような奴含めて“全部”だっ、こっちも反論は許さん!!」



「は、はい、レム兄様!!」






「レムっ、レムっ、我はっ、我はっ???」



「取り敢えず黙って小さく縮こまってろ」



「……地面に“の”を書いて待ってるので出来るだけ早くにまた呼んで下さい」



「――ああ、どうせすぐ呼ぶ」



「……、うむ!!」






「――来るぞっ、スィリィ、スヘミア、加減は無しだ、全力以上で――ぶっ放せ!!」



「っ、あぁもうっ、何がなんだかよく分からないんだけどっ、今みたいな真面目なレムも恰好良くて想像以上に素敵かも、なんて――」



「でしょ? スィリィもそう思うよね? ね??? 私も今みたいなレム兄様の方が好き――」






「テメェら二人ともっ、ごちゃごちゃ言わずにさっさと――」






「っ、“あまねく世界の法と秩序に安定と閉息を――ロウ・ディストラクション!!”」



「≪私は点穿つ点睛、我が声は天穿つ天声――総てを護れ、隔て! 在れ、【紙の城壁(むてきのたて)】≫」






「よしっ、これでどう――だ?」



「「え?」






◇◆◇





今、唱えられたはずの魔法は、一瞬その効果が現れたかに見えた瞬間、粉々に砕け散っていた。


魔法が、魔法による効果が、その構成そのものが全てが粉々に。原初に戻り紅き世界の中に還っていく。





◇◆◇




「ちっ、似非ステイルサイトと違って流石【燎原】、これでも駄目かっ、ならっ――」



レムが何かしようと一歩、その瞬間。



ひらり、と。


女が一人、そのロングスカートに空気を含ませて、実に軽やかな動作で“降り立った”。



「“館”で待機との御命令を背き、申し訳ございません、旦那様。お叱りは後ほどに。代わりに私が詰問致しましょう」




その視線はしっかりと、僅か先に在ったアルーシアを凝視していて。


掲げた片手のみで“あか”の世界をせき止めながら彼女は、くすんだ銀髪のメイドは――自分の足元へと問いかけた。




「――これは、どういう事でしょう?」



「……答える前に、先ず俺の上から退け、テメェ」



「畏まりました、旦那様」


……一日以上遅れてました。

と、言う事でメイドさん初(?)登場。


え、戦争? アルカッタとカトゥメ聖国? なんっすか、それ?

クィック皇子? レアリア? え、誰です、それ?

……ってな感じになってきてる。どうしてこんな流れになってるんだろうか???


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ