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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
787/1098

ど-475 .失敗から学ぶもの

実りの差してない、普通の日常会話。



「ヒトとは学び、失敗を繰り返して成長し、より良く成ろうとする生き物だと誰かが言った」



「旦那様、その頬のモミジは何でしょうか?」



「ヒトってのは成長していく生き物だ!」



「真っ赤にはれておりますね? 誰かにたたかれましたか?」



「……気にするな」



「はい。了承いたしました」



「――で、だ。ヒトってのは学んで、成長していく生き物なんだって事を誰かが言ったんだよっ」



「たった今、旦那様が仰いました」



「ああ、そうだな……じゃ、なくてとにかく、だ。俺が言いたいのはヒトってのは失敗から学ぶことが出来るって言う事だ」



「はい、それは確かに。ただ時折旦那様の様な御方もおりますが」



「それはどういう意味だ」



「深い意味は御座いません」



「俺にはまるで俺が全然失敗から学んでいないって言ってるように聞こえたのだが?」



「おや、その様に穿った物言いに聞こえてしまいましたか? それは申し訳ございません、旦那様」



「……」



「まあ、旦那様の仰る通りなのですが」



「……おい」



「それはそれとして捨て置くとしまして、旦那様は結局の所何を仰りたいのですか?」



「いや捨て置くなよ」



「それで、旦那様は何を仰りたいのですか? 五秒以内に簡潔にまとめてくださいませ」



「五秒は無理だ」



「では五文字で」



「……お前は“五”に何か思い入れでもあるのか?」



「いえ、特には御座いません」



「そうか。つか、五文字も無理だ」



「注文の多い旦那様ですね?」



「お前の注文が厳しいだけだ」



「左様でございますか。では仕方がないので旦那様の思うがまま、その身の内を存分に語って下さいませ。今は少々、私も忙しいのでこれで失礼いたしますが」



「ゃ、それじゃあ俺が一人で何かつぶやいてる危ない奴にならないか?」



「それは杞憂ですのでご心配なさらぬよう。元より旦那様はそのようなお方として皆様からも認識されておりますので、今更何をためらう必要も失う事も御座いません」



「……例え俺が今更何を失う訳じゃなくても、だ。寂しいので聞いていけ」



「仕方のない旦那様ですね」



「……と、言いつつお辞儀して去ろうとしてるお前はなんだ」



「先も申し上げましたが、私は旦那様と違い忙しいのです。特に今は少々。ですので旦那様、お話しは後で聞いて差し上げますから……ね?」



「ね? って、何で俺が諭されるような感じになってるんだよ」



「大変我儘な旦那様ですので」



「……まあ良いや。忙しいってのならそれはそれで。俺が言いたい事も今すぐってわけでもないしな。……まあ、後で聞かせてやるから楽しみにしておけ」



「はい、そうしますね。では旦那様、私はこれで失礼させて頂きます」



「ああ」



「ですが、私に相手されなかったからと言ってくれぐれもいじけられぬ様、お願い致しますね?」



「俺は子供かっ」



「――さて? それでは旦那様、誠に申し訳ございませんが、失礼を」



「ああ、いや、そんな、忙しいってのに声を変えて悪かったな」



「いえ、旦那様ですので。それにさほど忙しいと言う訳でも御座いませんから」



「って、さっきまでと言ってることい違ぇ!?」



「――ふふっ、では旦那様、また後ほど」



「……で、行っちまいやがった。結局のところ、あいつは本当に忙しかったのか? それとも、単に今俺の話を聞く気がなかっただけ? ……分からん」




時にはこんな日もあるのです。

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