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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
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ど-474. あぴーる・ぽいんと?

あぴーる、あぴーる、あぴーり?



「先ずはやっぱりアピールからだよな、うん」



「何がアピールなのでしょうか?」



「うお!? ……っと、驚くから急に後ろから声かけるなよ」



「それは失礼を。旦那様が余りにも不穏な企みをしている気配をありありと発しておりましたので、つい気配を断ってしまっておりました。どうかご容赦のほどをお願い致します」



「いや、容赦ってほどの事じゃないけど、つか不穏な企みとかもしてないけど」



「それは嘘ですね」



「や、嘘じゃないっつーの。俺は単に如何にして俺のハーレムを築き上げるか、と言う予てからの命題、いやむしろ俺の使命を実行に移そうと――」



「ああ、それは確かに不穏な企みなどでは御座いませんね」



「だろ?」



「はい。不穏な企みではなく無駄な足掻きでした」



「……無駄とか言うなっ、無駄とか言うなよっ!?」



「では無意味とでも?」



「そう言う事じゃないからっ、俺が言いたいのは根本的に違うからっ」



「では一応尋ねて差し上げますが、どのような愚案を考慮なさっておられたのですか?」



「ふふん、聞いて驚け」



「そんなっ!?」



「……や、聞く前にそんな反応されても困るんだが」



「いついかなる時のご要望にも応えられるよう、驚く練習をしてみました」



「練習なら今するなと言いたい。それとお前には今更練習なんて必要ないだろ」



「では旦那様の驚くには値せずとも呆れるには値する与太話を聞いた直後の反応を先取りしてみました。これが最先端というものでしょうか」



「それは間違いなく違う」



「そうですか。……では旦那様、お話の続きをどうぞ」



「……何か、無性に話す気が無くなってくるんだが」



「ではお話しいただけずとも私は宜しいですが? 旦那様の事ですので、『モテるためには先ず俺の良いところをアピールするところから始めるべきだなっ』などと言う浅慮極まりない事をお考えになられているのは想像に難くないのですが」



「そそそ、そんな事はないぞ!?」



「左様でございますか。まあ、確かに今のは少々旦那様を侮りに侮り過ぎた発言であったのかもしれませんね」



「あ、……ああ、そうだとも」



「はい。では旦那様、改めましてお話の続きをお聞かせ願いたいのですが?」



「そう、だな。やっぱり自分のいいところをアピールするとか、あざといと言うか卑怯と言うか、そんな事を考える奴は性根が腐ってると思うんだ。お前が言ってたように」



「いえ、私はそこまでは申しておりませんし、自身の良い個所をアピールするのが悪手とまで断言はしておりませんが……」



「兎に角、だ。基本的なこととしてハーレムに限らず、男女間の恋愛事とは互いに最大幸福であることが絶対条件だと俺は思う訳だ」



「旦那様が何やら比較劇まともな事を仰っているような気がしますが気のせいでしょう。それで、その続きは?」



「ああ。自分の都合を、良いところを押しつけてるだけじゃ、駄目だ。つまりは何が言いたいかと言うと、如何にして相手の懐に入り込み、そして相手の本音を引きずり出せるのかがモテるモテないの分かれ目だと俺は思う訳だ。――お前はどう思う?」



「少なからず的を得ている話かと。まあ実践できるか否かの問題は別に御座いますが」



「そうだな、ああ、確かにその通りだ。そして今までの俺はその行動が甘かったが故に、未だにハーレムを築けていないのだと言う事だ」



「……、そうですね」



「? 今何か」



「それで旦那様は、結局のところ“行動”としてどのような振る舞いをなさるおつもりなのですか?」



「あ、ああ。そうだな。結局のところは“行動”に全てがゆだねられる訳だし、何よりそれを自分が実行できるかどうかが重要な訳だ。例えば口下手な奴がフレンドリーになろうとして、いきなり口達者になるとか無理だしな」



「はい。駄目な旦那様がより駄目な旦那様を目指して、更により駄目駄目な旦那様になる事は無理……でもないですね?」



「それはそもそも前提と過程と結果が間違っていると言う話だと俺は思う」



「つまり旦那様がにお話しいただいたのは全てが与太話であるとご自分で認められるので?」



「いや、俺の事じゃなくて。間違ってるのはお前の方。別に俺、ダメな旦那様とか目指してないし。現状で駄目な奴でもないし。そもそも駄目な奴になる予定もない」



「知らぬは本人ばかり、と言うお言葉はご存知ですか、旦那様?」



「知ってはいるが、断じて俺の事を指しているわけじゃない」



「私も別段、旦那様の事を態々指定した訳でも御座いませんが?」



「まあ、確かにそうだが……、」



「それで旦那様は、“行動“としては何をなさろうとお考えで?」



「ああ、それは――、……、……」



「旦那様?」



「やっぱり言うの止めた。お前に言うと、何だが悉くを妨害されそうだし」



「そのような事は御座いますとも」



「やっぱりか!」



「旦那様にしては目敏いので……どうやら今回の決起とやらはそれなりに本気の様ですね」



「ああ、当然だとも。そして俺は――ハーレムの主になるっ!!」



「左様で」



「と、言う訳でお前にかまえている時間も惜しいので俺はいかせてもらうぜっ」



「はい。私は旦那様をお引き留めするつもりは毛頭ございませんので、どうぞご勝手に」



「ふっ、誰も俺を止められないぜっ。つことで、俺は行くぞっ」



「はい、ですからどうぞご勝手になさってくださいませ、旦那様」



「っし。じゃあ……うん、先ずはやっぱり手堅く、館の奴隷たち相手に俺様の華麗な手腕を磨いてからにすべきだなっ」



「……ですが――」



「良しっ、そうと決まれば――」



「――旦那様がお望みになる事を実現する気があるのであれば、行動より何より先に、その認識を直すところから始めるのが最良であると私は思うのですがね……とは、分かっていても旦那様の手前で進言する気など微塵もない事ですが」




最近、後書きの小話を休み気味……。

何となく各気が低減している今日この頃です?

まあときにはそんな気分の時もありますと言う事で。

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