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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
783/1098

ど-471. 作戦会議

結論。

結局何事もいつも通りが一番って言う事で。



「では――秘密会議を始めようと思う」



「率直に申し上げてそのような振る舞いはまったく似合っておりません、旦那様」



「……いきなり話の腰を折らないでほしいのだが?」



「失礼いたしました、旦那様。ですがやはり、事実はしかと認識しておいていただくのが一番かと思いまして。僭越ながら最初に指摘させていただきました」



「まあ……と言うか俺に似合わない振る舞いっつーのは何だ、俺が偉そうにするのはそんなに似合わないとでも言いたいのか、お前は」



「その様に申し上げましたが伝わりませんでしたか?」



「ふ、ふふ。お前にはやはり一度俺の認識を改めてもらう必要があるみたいだな、つか俺は十分偉いので偉ぶったって全く問題ないわけだ」



「ですが旦那様は権力を笠に周囲のモノへ迷惑をまき散らすようなお方では御座いませんので」



「いや、そりゃ俺としても別に迷惑になるような事をしたい、てかするつもりはないが……」



「それで旦那様、話が逸れてしまいましたが会議と言うのはどのような事をお考えなのでしょうか?」



「話が逸れたってか逸らしたのはお前だ――って、まあそれは良いとして」



「はい」



「まあ、……何だ。取り敢えず世界の危機的状況を打破するところから始めてみようと思う」



「世界の危機的状況?」



「先ず第一勢力の――“赤”、てかシャトゥを教祖として何か色々と危ない方向に向かってるっぽい宗教団体の諸兄諸姉の皆様方」



「所詮シャトゥなので、放置してもよろしいのでは?」



「所詮って、お前も随分とばっさり……いやまあ確かにその通りではあるんだが。実は最近聞き捨てならない情報を掴んでな」



「情報? もしや「打倒、レム。聖戦の誓いと世界の正義は我が意に得たり!』と言う天啓と申しましょうか、例のアレの事ですか?」



「そう、まさにそれだ」



「あれはどちらかと言えば世界の危機的状況と言うよりも旦那様故人の危機的状況と言った方が宜しいのではありませんか?」



「そうとも言う。が、どちらにせよ同じ事だ」



「それもそうですね。旦那様の危機とはすなわち世界の危機でもありますし」



「ぅ、まあそこまではっきりと言うつもりは――」



「旦那様に“もしも”が御座いましたら、私自身“なに”をしてしまうのか想像もつきませんので」



「……お前が暴れるとか言ったら冗談抜きで本当に世界の危機だしな」



「はい」



「でもその割には放置で良いとかいったよな、お前」



「所詮シャトゥですので」



「……まあ、所詮シャトゥだけど」



「それにあの子の目的はまず間違いなく、旦那様を嫁にする事でしょうから、周囲への危害は一切御座いません」



「待て。それは色々とおかしくないか?」



「おかしいですか?」



「つか、何故に俺が嫁?」



「シャトゥですから」



「……それで納得できてしまうのがシャトゥのシャトゥたる所以だな」



「はい」



「……まあ、どの道シャトゥ――シャトゥルヌーメが悪い意味での大それた事をするはずがないし、俺の貞操さえ何とか死守すれば一向に無視していいのは確かなんだけどな」



「ご心配なく。旦那様の貞操は私がお守りいたします」



「……お前にそう言う言う事言われると今一安心が出来ん」



「では言い換えて、旦那様の貞操は私が奪います」



「奪うなよ!? ……と言うか、何か最近の言動が危なくなってきてる気がするのだが、もしかしてシャトゥに毒された?」



「……心外です」



「心外とか言うのなら今後はそう言う感じの発言は控えるように」



「……」



「返事は? と言うか返事がないと余計に疑ってしまうのだが?」



「では旦那様の手前承知しましたと言う事にしておきたいと思います」



「いや、そこは俺の手前と言うよりも素直に承知しておこうぜ?」



「お断り致します」



「……」



「……」



「……ま、いっか」



「――ありがとうございます、旦那様」



「ゃ。……んで、第二勢力なんだが、“白”――どこかの残念思念を中心として最近盗賊ギルドとかに祭り上げられてる一派」



「旦那様、滅ぼしてきてもよろしいですか?」



「ダメ」



「旦那様、即刻殲滅してきてもよろしいですか?」



「ダメ」



「旦那様――」



「だから駄目だっつーの。まあ盗賊ギルドって言っても? 食い逃げとか食い逃げとか食い逃げとか……まあ必要悪と言う言葉もあるし仕方なくもない」



「あれは必要以上悪かと」



「お前は……。“身内”だからって少し厳し過ぎない?」



「そんな事はありません。それとあのような輩、決して身内などではないです」



「……まあ、第二勢力って言っても基本的に“白”の一派は『今が楽しければそれでいい』って言う感じの道楽一味だから。それほど深く気にしなくても良いんだけどな。ただ、まあ、数が数だ。ちょっと膨れ上がり過ぎてきてるかもしれない」



「潰しますか?」



「だからー、何でお前はそんなに積極的なんだ」



「旦那様にご迷惑はおかけいたしません。私一人で殲滅してまいりますので」



「いや、だからあそこは必要悪だから、完全になくなるとそれはそれで困るわけで。……まあコレは話題に出した俺が悪かったな、うん」



「いえ、そのような事は……」



「まあ、だから基本的には放置の方向で。ただし最近はちょっと規模が膨れ上がり過ぎの気もするし、情報部の奴らを数人程潜ませておいて、何か行き過ぎがあったらその時に対処っつーことで」



「……それが旦那様の御意向と言うのでしたら、承知いたしました」



「ん。それで第三の勢力な訳だが――“青”」



「犯罪者予備軍の方々ですね」



「そうとも言う。まあこれも基本的には放置の方向で」



「宜しいので?」



「いや、宜しいっつーかなんつーか。毎度毎度毎度毎度、規模がある程度の大きさになったらシャトゥに潰されてるし。んで“青”の勢力の低減と“赤”の勢力の増大……まあ行き着くだろう結果は目に見ええるしな」



「確かにそうですね」



「ただまぁ――『静鎮』だけあちょっと気にかけておかないとダメかもなぁ、と思う訳だ」



「……確かに」



「けどでも? 基本的に『静鎮』のヤロウも――狙いがあるとすればシャトゥか、もしくは俺個人に対してだろうし? そう言う意味じゃ気にする必要はそれほど大きくはないな」



「はい。そうですね。ただ――」



「ただ?」



「『静鎮』が旦那様を狙ってきた時には、予め周囲がどうなっても良いように気を配っておく必要は御座いますが」



「……ま、お前もほどほどに」



「『静鎮』相手に手加減が可能ならばですが。了承いたしました、旦那様」



「まあ、『静鎮』――クゥワトロビェの欠片って言ってもシャトゥの『灼耀』程完璧に集まってるわけじゃないし? 大丈夫じゃないか」



「ですが旦那様としては被害は最小限に抑えたいとお考えですよね?」



「それは確かに」



「では――私は旦那様のそのお心に応えられるよう、尽力を賭す次第に御座います」



「……ま、“もしも”のその際には幾らお前でも気を付けるように」



「はい、旦那様」



「んで――そろそろこの会議の本題に行くか」



「第四勢力――いえ、正確に言えば、ただ一つの第一勢力……ですか」



「ああ、そうだな。――“緑”、チートクライの奴が何を考えてるのか、未だに俺も完全には分かってないしな」



「そう……ですね」



「んで、今回の議題は事が起こる前に何をしておけばいいかっつーことな訳だが。……まさかあそこまで完璧に潜んでるとは思ってなかったんだよなぁ」



「此度の地上への視察――手がかりは一つとして得られませんでしたからね」



「ああ、そうなんだよなぁ。……どうしたものか」



「あぶり出す、と言うのは?」



「無理。素直にあぶり出されるような正常な奴じゃないし。そもそもあぶり出すための“条件”がさっぱりだ」



「そうですか」



「ああ。かと言って、このまま素直に待ってるだけって言うのも癪なんだよなぁ。何かあの野郎の思い通りになってる、みたいで」



「では――世界を統一して危機に備えると言うのは如何ですか?」



「それはいつもの冗談……と言う訳でもなさそうだな、おい」



「はい。万策を尽くすためには、頭の統一は重要なものかと思いますが?」



「それはそれで認めるが。面倒くさいので却下」



「左様でございますか」



「ああ。世界の統一って言っても……何か逆にソレがあの野郎の目的って感じがしないでもないしな」



「……旦那様の旦那様による旦那様以外の方々の為の世界統一が?」



「何となく、だけどな。……あと、俺以外の為の世界統一って言うのはどうかと思う」



「別名、ヒト柱とも言います」



「言わなくていい。言わなくても良いから」



「……左様でございますか」



「左様だ。……つーわけで、どうしたものかね?」



「目的が分からねば対処のしようも御座いませんが……」



「確かにその通りではあるんだが……何と言うか、もどかしいな、おい」



「……そうですね」



「結局、何だ。俺としてはいつも通りに俺らしくしてるのが一番って言う……そう言う結論な訳か?」



「旦那様が何より旦那様楽なさるのにはこの私、全面的に賛同いたします」



「……小難しい企みとか策略とかが俺に合ってないのは分かってるんだけどな。はぁぁぁぁ」



「旦那様は、旦那様が望まれる様に――そのための道は私どもが切り拓きます」



「……なんて言うか、……チートクライのヤロウの事と言い、お前のそのいつも通りの物言いと言い、後ついでに女神シャトゥの困った行動とか残念思念ルーロンの愉快上等な振る舞いとか悪餓鬼クゥワのマザコン振りとか、もうため息しか出てこねぇよ」



「同列に数えられるのは些か心外であると苦言いたします」



「同列だよ、俺に取っちゃな。……はぁぁぁぁぁぁ」



「……むぅ」



「ま、結局のところ結論は変わりようがなく。俺としては俺の思うがままの行動をするのが一番って事で落ち着いた訳だが。……ふっ、ならば仕方ないな。遂に温めておいたあの計画を実行する時が来た、と言う訳だ」



「温めておいた計画、で御座いますか? 私初耳ですが?」



「ああ、お前には言ったことないからな」



「……その計画とは?」



「――“ビバ、ハーレム計画!”」



「……」



「……」



「……さて、溜まった仕事をこなすとしましょうか」



「って、おい!?」



「ああ、忙しい、忙しい」



「あからさまに棒読み!? と言うか何その仕打ち!?」



「――ああ、忙しい、忙しい。……旦那様の企みの悉くを潰す、と言うのも、あぁ、とても胸躍りますね」




やっぱり基本のんびりまったりと進みます。

シリアス? それって美味しいのですか? と言う感じで。

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