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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
778/1098

ど-467. 悉くを蹂躙せよ!

……わたし、渋い?

「……ふむ、俺って渋い?」



「何を急に妄言を吐き捨てておられるのですか旦那様、そのような暴投はもはや会話のキャッチボールにもなりませんので何処か道端の端のまた端の、いえいっその事悠久の時の彼方へと葬り去って下さいませ」



「……あー、えっと、な?」



「はい、如何なさいましたか、旦那様?」



「……その、ついさっきの事がまるでなかったかのように振る舞うお前が怖いと時々思う」



「何事も御座いませんでした」



「いや、あっただろっ、てかさらりと暴言吐いたよね、お前!?」



「いつものことではないですか。何を今さら仰られますか」



「……うん、そうだよな。今更、なんだよな」



「はい。今更ですね。私が旦那様に愛を囁くなど」



「はいそこっ、それ嘘! 嘘だから!!」



「そのような事は御座いません」



「いやっ、何で暴言がいつの間にか愛の囁きになってるの!?」



「些細な違いです」



「些細違うよ!? 全然些細じゃないって!!」



「では旦那様は私にどうしろと仰るのですか」



「ゃ……うん、まあ、もう少し俺に優しくならね?」



「私ほど旦那様に優しく甘やかし、ついでに厳しきしつける存在はいないと自負しております」



「うん、そうだな。特に最後の躾けるとか言う辺り。つか躾ける言うな」



「申し訳ございません。どちらが躾ける側かと言えば旦那様が私を、でしたね。これは失言に御座いました」



「いや、俺がお前を躾けると言うのも……、――ふむ?」



「愛があれば厳しくとも耐えられます」



「耐えるって何が!?」



「今旦那様が青い春と言う名の脳裏に思い描いた事ですが、何か訂正する必要が御座いますか?」



「……ある! お前はきっと俺に対して間違った事を考えている!」



「旦那様の癖に言い切りますか」



「応ともっ。……つか旦那様の癖にとか言うな」



「――いつになく旦那様が反抗的っ!?」



「……それは驚く所違うと思うな―」



「と、数々の真実はこのくらいにしておくとしました」



「全く、微塵も真実じゃねえよ!? つか無理やり完結させた!?」



「旦那様は渋いかどうかと問われると、やはり微妙であると言わざるを得ないかと」



「つか今更その話題なのか!?」



「旦那様にはせいぜいコメディアンが限度かと」



「その精々って程度が俺には分かりませんけどねっ!」



「ノリツッコミ、自爆、自爆、ノリツッコミ、自爆、ノリ自爆、自爆ツッコミ、自爆」



「自爆が自棄に多いんですがっ!?」



「旦那様の身を呈したギャグにも憐れ過ぎて涙を誘いますが全くこれっぽっちも全然面白くありません。この三流!」



「何かわけ分からん内に三流扱い!?」



「いえ、三流は言いすぎでした。申し訳ございません、旦那様」



「あ、そ――」



「五流、いえ十流くらいでしょうか。幾ら私の大切な大切な旦那様とは言え三流と呼ぶには少々判断基準が甘すぎました」



「それ既に大切なとか言ってる意味がないと俺は思うのですが!?」



「残念ながら、やはり旦那様はコメディアンとして失格と言わざるを得ないかと……」



「いや! そこ残念そうにしてるけどねっ、俺は一切、一度もコメディアン目指してるとかなりたいとか俺はギャグの星を目指すとかそういう事言ってないからなっ!?」



「存じております」



「だったらさっきまでのやり取りの意味は!?」



「軽い戯れと、お思い下さいませ」



「……軽くねえよ。つか声出し過ぎて精神的に疲れてきた」



「気苦労、お察しいたします」



「元凶のお前に察せられるとなんだか複雑だな、おい」



「痛み入ります」



「……はぁぁ」



「所で旦那様、なぜ急に『俺って渋いおっさんか?』などと答えの分かり切った事をお尋ねになられたのですか?」



「いや“おっさん”まではつけてないけど。……まあ、何となくと言うか、やっぱり俺にはハードボイルドっぽさが欠けてると思ってな」



「はい、決定的に欠けております」



「そこまではっきり言われると少しは傷つく」



「旦那様にハードボイルド? ……ふぅ」



「言いたい事があるなら聞こう」



「旦那様にハードボイルドは無理かと。どちらかと言えば問答無用で全てを蹴散らす覇王の様な存在の方が似合っておられますよ?」



「問答無用で蹴散らすて……お前は俺に何をさせる気だ」



「いえ、何も? 旦那様がお望みになる事でしたら何なりと叶えさせて頂く所存に御座いますが、旦那様がお望みになられないと言うのでしたら私は何も、旦那様のお傍にこのように佇ませていただくこと以外を望みは致しません」



「……お前の場合は無欲と言うべきか、貪欲と言うべきか迷うところだな」



「私は貪欲ですよ? そう言う意味では旦那様ももう少々、貪欲になられた方が宜しいかと」



「いや、俺はそんな事は……」



「――御座います」



「……」



「……」



「……はぁ、分かった。お前の良いた事は分かったから、この話題は終わりな」



「はい、旦那様」



「……で、だ。モノは相談なのだが、渋さを出すにはどうしたらいいと思う? やっぱり髭を生やすべきか……」



「先ずは何より、その貧相な発想を何とかするのが先決かと」



「ぅ」



「……そもそも、旦那様は今のお優しい旦那様が一番弄りやすくからかい甲斐も御座いますので宜しいかと」



「……うん、やっぱり何事も普通が、自然が一番だよなー」



「……スルーなさいましたか。残念」




時々幽霊が浮遊しています。


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