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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
773/1098

ど-464. 好物

好きな食べ物は箸が進むし、いつだって美味しいものです

「さあ、食ってくれ!」



「遠慮いたします」



「そう言わずに。さあ、さあ、さあっ!」



「それでも謹んで遠慮させて頂きます」



「なんだよ、折角俺が心を込めて作ってやったって言うのに」



「旦那様が心を込めて作られた、という点では心惹かれるモノが御座いますが、やはり遠慮いたします」



「だから何でだよー?」



「私は旦那様と違い特にツィートルが好きではありませんので。と言うよりどちらかと言えば苦手な部類に入ります」



「こんなに美味しいのに?」



「それは旦那様の味覚が異常だからではないかと」



「そんな事はない。つか俺の味覚が変だっていうのなら、他の“ツィートル愛好家団体”の奴らも味覚がおかしいって事になるぞ」



「……何ですか、その団体は」



「ん? “ツィートル愛好家団体”のことか?」



「はい。そのような団体、初めて聞くのですが?」



「ま、それほど有名でもないし? つか好きな奴しか知らないし?」



「ちなみに団体数が旦那様お一人と言う訳では御座いませんね?」



「当然、違う。今のところ37だ。ちなみに俺は名誉会長」



「迷世会長、ですか。それは確かに、言いえて妙ですね」



「んー? 何か意思の疎通に齟齬があった気がするんだが……」



「旦那様の気の迷いですのでどうかお気になさらぬ様」



「……まあ、いいか?」



「はい、宜しいです」



「――しかし、折角久しぶりに腕をふるってツィートル捌いたのに……なあ、お前本当にいらないのか?」



「はい。それに私にお勧め下さるくらいならご自分で食されてはいかがです?」



「んー、そうは言うけどな……」



「まさかご自分一人では食べられないと」



「それはない」



「……即答ですか」



「ああ。これくらいの量なら食べられるんだが、なんつーか俺一人だけで食べても良いものかなーという遠慮みたいな? そんな感じだ」



「ご心配なさらず。旦那様は思う存分に貪り食っていただければ宜しいです」



「そうか?」



「何度も言うのは正直好きではないのですが理解力に乏しい旦那様の為にならば幾度でも申し上げさせていただきます。私はツィートルはあまり好きではありませんので、私の事はどうかお気になさらず旦那さまお一人で思う存分食べて下さいませ」



「そこまで言うなら、そうするけど……本当にいらないんだな? 後で欲しいとか言ってもやらないぞ?」



「少々しつこいですよ、旦那様。それに……せめて焼いてあるならばまだしも、生のツィートルと言うのは流石に……」



「……美味しいのに」



「私にはそうは思えません。例えば、そう。クゥガの実は私どもの好物ですが、旦那様はそこまでお好きではなかったでしょう?」



「ん~? まあ、そんな熱狂的に、ってわけじゃないなぁ。何か珍しいから市場じゃ滅茶滅茶高いけど」



「私としては市場の価格は適正であると思っております。旦那様がツィートルが好きなのと同様に、そのくらいの金貨を出しても食したい方々は大勢おられますから」



「そんなものかー」



「はい」



「んっ、美味かった。ごちそーさんっ!」



「……もう完食なされたのですか」



「おう。やっぱり好きなモノは食の進みが違うよなー」



「それは同意致しますが、……やはりツィートルを食べる旦那様は異常であると感じざるを得ません」



「ふぅ、やれやれ。この美味さが分からないとは、お前絶対人生の1/100は損してるぞ」



「ご心配、痛み入ります。ですがそれは杞憂かと。例え旦那様が仰る通り、それで私の人生の1/100が損害をこうむっていたとしても――私が旦那様のお傍にいられる事、ただそれだけで私にとっては十分満ち足りておりますので」



「そか。まあヒトの好みにあれこれ言うってのも変か」



「……しかし、最初に悪戯気分で旦那様の口に放り込んだ“七本腕の悪魔”を、まさか旦那様が此処まで気に入られるとは思いもよりませんでした」



「よしっ、んじゃツィートルを食べるって言う目的も果たした事だし――次は山にでも行くかっ」



「薪でも集められるおつもりで?」



「――それも良いかもな」



「お供いたします、旦那様」



「んじゃ、行くか」



「はい」


とある護衛マレーヌの独り言


「…………主、様――っっ、……いけないいけない。また見惚れてしまってました。……で、でも……――はっ!?」


周囲のヒトが不思議そうに見ていました。


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