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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
76/1098

ど-51. 終焉の…とき?


最終回とか、そんなのじゃありません。





「ふ、ふ、ふ。ついに終わりの始まりの時がきたっ!」



「旦那様」



「そうかそうか、お前も一緒に祝ってくれるんだ…な?」



「旦那様」



「何も見えない何も見えない何も聞こえない」



「現実からの逃避はおやめ下さい。そして悦に浸っておられたところ大変申し訳ないのですが旦那様、こちら追加の書類となっております」



「……あのさ、あれだけの量を二日ほど徹夜でこなして、やっとこれが最後の一枚だったんだけど?」



「そうですか。それはご苦労様で御座います」



「これはいくらなんでもちょっと多すぎないか?」



「しかし旦那様は問題なく、滞りなく処理しておられますので問題はないかと」



「いや、だから睡眠時間を削ってるんだよ」



「旦那様、おひとつ忠告させていただきたいと思います」



「何だよ?」



「あまり御身体を酷使しすぎないよう、適度に休息をとることをお勧めいたします」



「だったら仕事の量を減らせよっ!?つか、俺でこの量なら他のやつ等はどれだけ仕事してるんだよ。……そろそろ死人が出るんじゃないのか?」



「いえ、それは御座いません。何故ならば旦那様の仕事量は他の皆様の……、そうですね、軽く見積もって十倍ほどでしょうか。ですので皆様は旦那様の十分の一以下のお仕事しかしておられません。よって旦那様のように睡眠時間を削るというようなこともなく、十分に休息を取っておいでで御座います」



「それは何か、間違ってないか?」



「いえ、旦那様の存在ほどは間違っておりませんが。旦那様は果たしてどのようなご不満がおありなのでしょうか?」



「ゃ、だからさ、ご主人様の俺が働いて奴隷たちがゆっくり休んでるって、これどうよ?」



「奴隷ではなく“隷属の刻印”を刻まれた方々である、と訂正をしておきましょう。それと旦那様が疑問に思っていらっしゃる件についてですが、特に問題はないのではないですか?」



「…何でだよ」



「旦那様は自ら進んで他の方々よりも十倍も努力なさっておられて、大変素晴らしいですね。旦那様がそのように立派なお方であられるという事は、私としても大変誇らしい気持ちで満ち溢れております」



「マテ、今何か不穏当な言葉があったぞ」



「おかしな事をお言いになられる旦那様ですね。旦那様が自ら進んで…ええ、あくまで自発的に“隷属の刻印”を刻まれた方々の仕事を肩代わりし、その負担を減らしておいでになられている事はこの館の住人全てが既に承知の上で御座います。さて、それはそうと致しまして、何か不穏当な事柄でも御座いましたでしょうか?」



「…おまえ、分かって言ってるだろ?」



「旦那様のお口から直接お言葉を聞きとう御座います。どうぞ、私には遠慮なさらずに率直にお言いくださって結構で御座います」



「おまえかっ!?おまえの所為でこの馬鹿みたいに多い仕事をやらされてたのかっ!?」



「肯定いたします」



「ぐっ、そう素直に認められると文句のつけようがないじゃないか。いや待てそうじゃないだろ、そもそも俺はどうしてそんな十倍もの量の仕事をしなきゃいけないんだよ?」



「それは旦那様が進んでなされておられたので私としましても知る余地は御座いませんが……そうですね、おそらくは心優しい旦那様の事、きっと何らかの理由がおありになるのでしょう」



「ない」



「ないのですか」



「ああ、全く以て、ないっ!!」



「それは……私、旦那様の大変ご立派な行いに涙ながらに感嘆の意を述べさせて貰いましょう。…ほろり」



「何故そうなる、何故!?……後な、泣けてないぞ」



「いえ、旦那様は何の理由もなく、それでも皆様の事をお想いになられて、だからこそ仕事を人の十倍以上などとその御身を壊してもおかしくないような所業をなさっておられたのでしょう。果たしてこれを感涙せずにいられましょうか」



「…お前は全く以て感涙なんぞしてないけどな。しかしなるほど、確かに……、て、ざけるんじゃねえー!!そもそも誰が好き好んでこんな過労死するような仕事量をやると思ってるんだよっ!?」



「旦那様ですが、それが何か?」



「誰がやるか、誰がっ」



「異な事を仰られます。既にそれだけの仕事量を捌いておきながらその御言葉とは…旦那様、大変お疲れのご様子ですのでどうかお休みくださいませ。後の事はこの私にお任せ下さいますよう」



「ああ分かっ――待ておい。そもそも最初から俺に任せなくていい仕事だったのかよ?」



「当然、肯定でございます。これらの書類は皆様から特に優先度・重要度の低いものを私自らが選別して旦那様の元へとお届けしておりますので。誰が行ったところで問題はないでしょう」



「お」



「お?」



「俺の二日間を返せー!!!」



「おや、旦那様。まだそのようにお元気がおあり――」



「がくっ」



「――でもありませんでしたね。今のが最後の雄たけびでしたか。全く、限界に来てなおあのような無駄な力を使うなど無茶をなされる。ですが、そこが時として旦那様の良いところでもありますか。では旦那様、当面の間はごゆるりと、心穏やかにお休みくださいますよう。………後は私自身が五日ほど詰めれば…はい、これでスケジュール的に何とか、皆様の希望通りの休暇が与えられそうですね」





本日の一口メモ〜


改めて言って置きますが本作のメイドさんは常に無表情の愛い奴です。基本的に表情変化はないものとお考えください。

…え、よく変わってる?

そりゃ気のせいっすよ、お客さん



旦那様の今日の格言

「仕事で流す汗とはすなわち、魂の慟哭の涙である」


メイドさんの今日の戯言

「自動回復機能…旦那様の魂は一日経てば自動的に直りますので、存分にすり減らし下さい」




ふと思ったのだが、この後書きってちゃんと見てる人、どのくらいいるのだろうか?


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