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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
748/1098

ど-447. 自らを見つめ直すと言うのは人生の迷走に他ならない

ケンタウロ―っていうのは何か馬みたいなもの




「さて、これから輝かしい『新生☆俺様』な感じの世界的に記念すべき一日が始まるわけだが、」



「おや旦那様、件の『俺、新しい自分に目覚めちゃったんだ』などと言うのは本気だったのですか?」



「当り前だ。あと、お前が言ったような事実は一切ない」



「それで旦那様が目覚めたのは、やはり虐待的特殊性癖嗜好ですか?」



「だからそんな事実はないと言っている」



「左様で」



「ああ。兎に角、自らを見つめ直し鍛え直すんだ。俺は……生まれ変わるんだからなっ」



「……はぁ。それで旦那様は如何なさるおつもりで? 自らを見つめ鍛え直すとそこまで豪語されておられるのですから、何かしらのプランは既に用意されている事とは存じ上げますが、」



「……」



「その様子では何も考えておられなかったように見受けられますが、何か反論はおありでしょうか?」



「取り敢えず、自分を見つめ直す事から始めてみようと思うんだ、俺」



「つまり旦那様は非常に旦那様らしい事に口先だけで何も考えておられなかった、と言う事ですね?」



「……よし、先ず自分を見つめ直すと言うのはどういうことかを考えよう」



「ご自身を見つめ直すと仰られるのでしたら旦那様、先ずは現在の旦那様の体力知力精神力並びに決断力がどの程度であるかを見極めるべきかと思う次第に御座います」



「それもそうだな。うん、俺も分かってたけどな、そんな事。ちょっとお前を試してみただけだ、試してみただけ……」



「では無計画な旦那様、体力を使い果たすまでの鬼ごっこと、知力の限界を知る記憶百万選暗記大会と、精神力の限界に挑戦する30日間フル単純作業、どれになさいますか?」



「……何か選択肢に碌なモノがない気がするのは俺だけか?」



「いえ、碌なモノを用意しておりません」



「そう言うの俺に勧めるのとかって止めような!?」



「ですが旦那様に選択の権利は御座いません」



「あるよ!? 選択の権利くらい俺にあるよ!? ……いや、あるよな?」



「旦那様は肯定と否定、どちらをお望みでしょう?」



「……」



「……」



「……」



「旦那様はちゃんと選択の権利をお持ちに御座います。当然ではありませんか」



「遅いから! もう何から何まで既に遅いからっ!?」



「それで旦那様、体力知力精神力、どの限界から挑戦なさいますか?」



「で、それってやっぱりさっき言ってた方法?」



「はい」



「いや、でもさ、そこまで限界に挑戦しなくても自分を見つめ直すことくらい、他に方法はないのか?」



「それは御座いますでしょう」



「ってあるのかよ!? ……ならそっちの方にしたいなぁ、と」



「旦那様、甘言はいけません。旦那様は自らを鍛え直すと仰いました、つまりは自らいばらの道を歩くご英断をされたと、私は判断しております」



「う、むぅ……」



「そこで敢えて辛いであろう限界点突破を視野に入れた自らを見つめ直す方法を考えた次第に御座います。決して、決してその旦那様のお姿を拝見して楽しもうなどとは思っておりません」



「――」



「決して旦那様の愉快な雄姿を見て楽しむ訳では御座いません?」



「――台無しだな、おい。もう全部が台無しになるような台詞だな、おい」



「そうですね、はい。否定は致しません」



「……いや、そこはせめて否定しろよ」



「では言いなおします。旦那様の愉快なお姿を拝見して楽しんでおります」



「それは言っちゃダメだろ!?」



「私……嘘はつけませんので」



「……」



「と、言うのはあくまで冗談で御座いますが」



「ど、何処までが冗談だと?」



「それは旦那様の御想像にお任せ致します。それで旦那様、ご自身を見つめ直すと言えばやはり迷走の類が一番ではないかと思いますが、如何でしょうか?」



「めいそう……瞑想かぁ、確かにそっちの方が色々といいかもしれないな。自分の中の自分を見つめ直すって言う意味でも」



「存分に迷走して下さる事を期待しております」



「存分に瞑想って……また変な言い方するな、お前」



「そうでしょうか?」



「ああ。いや、普通に変だろ?」



「そうですね。旦那様がそう仰られるのでしたら、その通りなのでしょう」



「……んっ、それじゃあ早速瞑想でもしてみるか。自分とは何なのか、自分とは何者か、己の生きる意味とは……ふふっ、何かだちょっと考えただけでも凄く賢くなったような気になるな」



「それは気の所為で御座います、旦那様」



「ま、今は未だ、な。それじゃ、ちょっくら瞑想でもしますかっ」



「はい、旦那様」



「――」



「……では、手持無沙汰な私は香でも焚いて旦那様の瞑想のお手伝いをいたしましょうか」



「――」



「餞別は……そうですね、リラックス効果があるものと、集中力が増すモノ、後ついでにしだいに気分が良くなってくるものでも混ぜてみましょうか」



「――ってそれはやばいだろっ!?」



「おや旦那様、瞑想は如何なさったのですか?」



「や、お前の言動が危なくておちおち集中もしてられないのだが?」



「ご心配していただけるのは大変嬉しい限りではありますが、旦那様のご意思を乱して妨げになってしまうのは私の本意ではないのですが……」



「そう思うなら、お前は何もせず、ただじっとしててくれればいいから」



「承知いたしました、旦那様」



「よし、んじゃもう一度瞑想を、――」



「……」



「――」



「……」



「――」



「……ぁ」



「? ――」



「……」



「――ふべしっ!?」



「……この時期にケンタウローの集団移動とは珍しいですね、と、私もこうしてはおれません、轢かれてそのまま引きずられていった憐れぼろ布の様な旦那様を追わねば」



【シャトゥちゃんの冒険-without Blue Sky-】


「……」

きゅ~?

「うむ、今日も平和なのです、ルル」

きゅ、きゅっ

「……でもね、ルル。一つ気になってる事があるの」

きゅぅ~?

「あの、後ろについてくる青色ゼリーな王様な物体は一体何なのでしょうか?」

きゅるる~

「うむ、ルルに聞いても分からないよね。でもどうしてあれは私たちの後をついてくるのでしょう? ――はっ、もしや私の新しい信者ですかっ!?」

きゅ!

「うむ? 違う? そうなのですか、残念です」

きゅぅぅ~

「ではルル、取り敢えず――炎で焼き払っちゃっえ、なの。青色は私の知らないしつこい子を思い出すみたいなので嫌な色なのです」

きゅ、ガアアアアァァァァァ!!!

「……冥福を祈ります、青色ゼリーな王様」

きゅ!

「では、行きましょうか。ルル」

きゅぅ~



青い子は現在沈黙中。道端で倒れていたのを通りかかったお姫様に助けられて熱心な開放を受けている最中だったりそうじゃなかったり?

でも関係ないのです、青い子の眼中は赤い子だけなので。


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