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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
745/1098

ど-444. しゃば

しゃばのくうきはうめぇぜぃ


「ふっ、空気が美味いぜ」



「そうですか? いつもと変わりありませんが?」



「比喩だよ、比喩っ、比喩表現っ! 久々に自由になれて嬉しいなーって言ってるんだよ、俺はっ」



「ああ、そう言う事でしたか、存じておりましたが」



「分かってたんなら初めから――……いや、止めておこう。折角のすがすがしい気分を台無しにしたくないしな」



「お勤め御苦労さまでした、旦那様」



「何がお務めだよ、全部テメェの所為の冤罪だよコンチクショウッッ!!」



「しかし冤罪とも言い切れないのが旦那様の後ろ暗いところで御座います」



「や、冤罪だろ」



「先日貴族の館を強襲してそこの御令嬢を毒牙にかけた件をお忘れで?」



「お忘れもなにもそんな事実は全くないからっ!」



「シラを切るおつもりですか、旦那様。良いでしょう」



「良いでしょう……じゃないっつーのっ。そんな事実は無根だ、無根ッ!!」



「はい、旦那様。そのような事実は確かに無根で御座いますね?」



「……ナニ、その良い笑顔」



「おや、私笑っておりますか?」



「何をわざとらしい……」



「しかし旦那様、本日は良い天気に御座いますね」



「……何だよ、急に」



「いえ、旦那様が新たな出自を迎えられるに良い日であると申し上げたかったのです」



「……」



「旦那様、何やらご不満そうなお顔をされておりますが、何か良い事でもあったのですか?」



「マテ。今のお前の言葉は明らかにおかしかったぞ」



「そうでしたか?」



「直前と直後に言ったセリフがかみ合ってなかった」



「そうですか。では旦那様、どのような良い事があったのでしょうか?」



「いや! そっちじゃないからっ。正しいのは良い事あったな、の方じゃないからっ」



「ではご不満なのですか?」



「ああ不満だ。大いに不満だ不満すぎるほど不満だとも」



「そ、そんな……私がついていながら、旦那様にご不満を感じさせてしまうとは何と言う不覚でしょうか」



「いや。元凶のお前がどの口でほざくか」



「私にはこの口以外の口は付いておりません」



「……それもそうだな」



「では旦那様は私の何が不満だと仰られるのですかっ」



「マテやおいこの。誰がいつそんな話をしてた。話の趣旨を変えるな、趣旨を」



「……照れます」



「いや何故に!?」



「そんな、旦那様も急にそのような事を仰らずとも良いでは御座いませんか」



「や、いま俺が何を言った!?」



「私に何の不満もない、愛している……と」



「いやいやいや。前半はそれっぽい事を言った気もするが勝手に残りを捏造するんじゃねえよ!?」



「その様に照れずとも宜しいですよ、旦那様」



「照れてない、照れてない」



「……ちぇ」



「それとちゃんと指摘しておくと、何処がどういい天気、良い日だと?」



「今にも降り出しそうなどんよりと曇った雲、彼方では雷鳴が響き渡り、一方此方では日が差し覗く。どちらともつかず、実に旦那様らしい、いえ正に旦那様を現した様な天気では御座いませんか。これを良い天気と言わずして何と申しましょう……旦那様日和、とでも申しましょうか」



「言わんで良い。言わなくて良いから、それは」



「そうですか。……旦那様日和」



「だから止めろって、それ。……しかし、微妙に否定しきれないのが辛い」



「と言う訳で旦那様、旦那様も晴れて自由の身になった? ことですし次はどちらに参りましょうか」



「いや。今のセリフ、何で不思議そうに言うんだよ」



「旦那様が自由の身? 潔白? 追手が数多多数かどうかはさて置きまして」



「いや置くなよ!? そこ結構重要なとこだよ、特に最後の追手って何!?」



「旦那様、次はどちらに参ります? あちらの、私たちの未来を象徴するような明るく日の差した愛と愛と愛に満ち溢れた素敵な明日でしょうか、それともあちらの私たちの未来を祝福するかのごとく雷鳴轟く苦難困難努力と旦那様の御苦労後ちょっぴりの愛と愛と愛が待ち構えているかのような嵐一歩前のあちらでしょうか?」



「……何か、どっちも行きたくないんですけど。つか何で“愛”を態々三回言う?」



「重要な事ですので。しかし旦那様、時には重要な選択に迫られる、人生とは往々にしてそのようなモノなのですよ?」



「いや、んな諭すように言われても……つかこれってそこまで重要な選択でもないだろうが。元々大した目的もない、ぶらぶらと旅をする事だけが目的の様なモノなんだし?」



「私と楽しくきゃっきゃうふふが抜けております、旦那様」



「……さて、じゃあ行くか。この街も何か俺を見る目が変になってきたし、居心地悪いし」



「スルーですか、旦那様」



「ん~、じゃああっちに行くか。取り敢えず天気のよさそうな方向。天気、荒れてるのはやっぱり嫌だしな」



「畏まりました、旦那様」



「じゃ、出発進行~」



「……目視した限り、あちらでは日照りが続いていそうだと言う事は進言した方が宜しいのでしょうか?」



【シャトゥちゃんの冒険-with Blue Sky-】


「結こ――」

「瞬堕、ブレイカー!!」

「っぉ……!?」

「連堕、『こずみっく・あろー』……しゅーと!!!!」

「っ! っ!? っ!?!?」

「……ふぅ。なんだか最近、腕が上がってきた気がします。でも全然嬉しくないのです」

キュゥゥ?

「うん、ルル。あの残骸は気にしちゃいけないものだから、早く行くのです。そして私は何も見てないのです」

キュッ!


「く、お、おぉ……? お、俺は絶対、諦めないからな、シャ――」


「――ふぁ、い、な、るぅぅぅ・あぱかっ!!!」

「ぐげっ!?」

「だから粘着質は大嫌いですっ。行きましょう、ルルっ」

キュ!



本日もおおむね平和っぽい。


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