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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
744/1098

ど-443. 平和です

のんびりまったり。

いつもこんな感じです?



「……ふー、平和だなぁ」



「はい全く。平和で御座いますね、旦那様」



「ああ。……の割には何か周りが騒がしい気がするけど、何かあったのかねぇ」



「何でもこの国でも有数の貴族の家が襲われたそうですよ」



「おぉ、俺の周りはこんなにも平和だっていうのに怖い事もあるもんだな」



「はい、全く以て旦那様の仰られる通りかと」



「ま、俺達には関係ない事だけどな、ははは」



「そうで御座いますね、うふふ」



「……いや、その不気味な笑い声の様なモノは何だ」



「旦那様の方こそ、『ははは』などとわざとらし過ぎるのでは御座いませんか?」



「良いんだよ、俺は。それにこう言うのはちょっと大げさにやった方が良いんだから」



「左様で。つまり旦那様が右を向けと言えば生きとし生けるもの全てが右を向かなければいけない理論と同じですね」



「ゃ、そんな恐ろしそうな理論はないけどな」



「それもそうでしたね。旦那様は存在しているだけで有害では御座いますが、存在していなければ無害そのものですから」



「……いや、それフォローじゃねぇし」



「フォローしたつもりも御座いません。私は正論を述べているに過ぎませんので」



「あ、そ」



「はい」



「……しかし、平和だ」



「はい、平和で御座いますね、旦那様。何やら兵士の方々が慌ただしく下手人探しをしているようではありますが、ええ全く、平和で御座いますね、旦那様」



「ああ、平和だ。しかし、貴族の館を襲うとか、そりゃどんな蛮勇な輩かねぇ……」



「何でも男と女の二人組だそうです」



「へぇ、二人、というかたった二人で貴族の館とかに踏み込んだのか。偉いねぇ~」



「それは自画自賛ですか?」



「は? 何の事だ? 俺はその貴族の館を襲った奴らの勇気を褒めただけで、別に全く全然俺達とは関係ないじゃないか。ははは、おかしな奴だなぁ」



「それもそうでしたね。第一旦那様が自画自賛などしていたところで虚しいと申しますか、それはもうばか丸出し見るに堪えない、何ですかこの道化? おや悲しくないのに涙が――……などと言うものですし」



「……そうっすね」



「おや旦那様、如何なさいましたか?」



「いや何でもないぞ」



「左様で。しかしお気になさらぬ様、バカ丸出しの旦那様。いつもの事では御座いませんか、おバカ丸出しの旦那様」



「そんな、バカバカと連呼するなよ。まるで俺がバカみたいに聞こえるじゃないか」



「これは大変失礼いたしました」



「全くだ」



「……しかし旦那様、本当に本日は平和そのもので――良い事ですね?」



「ああそうだな……で、お前は一体何をしてるんだ?」



「旦那様を縛っております」



「それは分かってる。俺が言いたいのは何故俺を縛ってるかと言う事だ」



「……これには深い事情が御座いまして、」



「ほぅ、深い事情ね。何だ、聞いてやるから言ってみろ」



「それはそうと旦那様、全く関係のない事なのですが、なんでも貴族の館を襲った下手人を捕えれば褒美が出るそうですよ?」



「……それは本当に関係がないのか?」



「おや、まさか旦那様は私が件の下手人として旦那様を経たいの方々に突き出すとでもお考えで?」



「違うのか?」



「いえ、違いませんが」



「……」



「……」



「こら放せっ、放しやがれこのっ!!」



「私、その褒美とやらが欲しいのです」



「何だその暴論はっ!? つか何で急に――と言うか、何考えてやがるテメェ!?」



「さあ旦那様、痛くないですからねー?」



「いや絶対痛いだろっ!? っ、この……はーなーせー!!」



「本日も本当に、平和そのもので御座いますね、旦那様」



「平和じゃないっ、今の俺は断じて平和何かじゃないっっ」



「旦那様個人の主観など些細なモノで御座います。それに旦那様も先程平和であると仰っておりましたし」



「状況が変わった! 俺のピンチが! 俺の命が危ないっ!!」



「いつもの事では御座いませんか」



「……あ、それもそうか」



「はい。ですので旦那様は大人しく突き出されて下さいませ」



「――って、出来るかこのっっ!!」



「? おや、旦那様。縄抜けがご上手になられましたね?」



「はんっ、お前に日頃散々鍛えられてるからなっ、この程度、楽しょ」



「――この程度、何でしょうか旦那様?」



「……あれぇ、おかしいなぁ。さっき確かに脱出に成功したような、そのはず」



「はい、それは確かに。ですがこの程度の緊縛など瞬きの刹那あれば事足りますので。さあ旦那様、お逃げになると言うのであれば、どうか存分にお逃げ下さいませ」



「……」



「旦那様がお逃げになられないと言うのであればこのまま兵士の方に旦那様を突き出しますが? あぁ、ちなみに旦那様が逃げようとしてもちゃんと私が責任を持って捕縛し直しますので、どうか留意のほどをお願い致します、旦那様」



「……」



「では旦那様、参りましょうか」



「……あぁ、今日も本当に平和だナー、……この畜生がっっ!!」



【シャトゥちゃんの冒険-with Blue Sky-】


「――さあ俺と結婚しよう、シャトゥルヌーメ!!」

「……」

「――さあ俺と明るい未来を築こうじゃないか、シャトゥルヌーメ!!」

「……」

「――なあ、子供は何人が良いと思う、シャトゥルヌーメ?」

「……何ですかこの駄、と言うか私の目の前から否この世界から存在したと言う痕跡から消えて下さい」

「ふふっ、そんな釣れない事を言うキミも素敵さ、シャトゥルヌーメ」

「今必堕の『ブレイカー』」

「っっぉ」

「……ふぅ、今日も夢見が悪いのです。さあルル、早く行きましょう?」

キュッキュッ



何事も、平和です。

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