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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
741/1098

ど-441. そんな関係

風邪はうつせば治ると言うらしい。




「おぉ、旦那様。しんでしまうとは情けない」



「死んでね――げほっげほっっ」



「旦那様、ご自身の身体の事で分かっているとは思いますが、大声は喉に障ります。どうかお控えくださいます様、お願い致します」



「……その大声を上げさせやがった元凶は何処のどいつだよ、ったく」



「ここにいる私かと」



「よく分かってるじゃねえか」



「はい。お褒めいただきありがとうございます」



「……いつも言ってるが褒めてないからな?」



「それも重々承知しております」



「なら、いい」



「それよりも今度は旦那様が熱で倒れてしまうとは……うつしてしまいましたか」



「いや、これはお前のとは違う症状だからうつされたとか言う事はないな」



「……今は嘘でも私に風邪をうつされたのだと言っておくのが正しい選択と言うモノです、乙女心の全く分かっておられない旦那様」



「は?」



「旦那様、お加減の方は?」



「よくはないな」



「では旦那様、こちらをどうぞ」



「? 何だ、コレ」



「“カユ”なるものを作ってみました。病人食と言うモノらしいです」



「カユ、ねぇ……お前、何か変な小細工とかはしてないよな?」



「失礼な。いくらなんでも弱り切った旦那様に鞭打つような非道な真似を私がするとでも旦那様はお思いなのですか?」



「ああ、思ってるぞ。つか、普通にしてるよな、いつも」



「そうですね?」



「……」



「……」



「……」



「ですがその時はその時です。今の旦那様が熱を出して倒れておられる状況とは異なります。どうか私を信じて下さいませ」



「……まあ、――お前が信じろと言うのなら?」



「はい。今の私は全身全霊、全力で旦那様の看病をする志の元、動いておりますのでご心配なく」



「お前の全力ってのは、それはそれで心配になっても来るんだけどな」



「私の身の心配をして頂きありがとうございます、旦那様。ですが今は、どうかご自身の事をお考え下さいますよう」



「まあ、そうさせてもらう……ぉ、コレ、結構美味しいな」



「味付けは塩を少々のみにしてみました」



「ああ、良い感じだ。食べ辛くもなく、……あぁ、確かにこりゃ病人食としていいな。今度作り方を俺にも教えてくれ」



「手順は簡単ですしそれは良いですが、旦那様、それより今は――」



「自分の身体を考えろ、だろ? 分かってるって。これ食べ終わったら休ませてもらうからさ」



「分かっておられるのならば、良いのですが」



「お前はいつも俺に無茶させようとする割には心配し過ぎ」



「性分ですので」



「そうだとしてももっと気楽に考えるようにしていけよ?」



「心がけてはみますが、何分旦那様の事となると難しいかと思われます」



「ああ、まあ心掛けるだけでも違いは出るさ……っと、ごちそうさん」



「旦那様、もう宜しいので?」



「ああ、やっぱりちょっと、今起きてるのはつらいかなって感じだな。少し寝かせてもらう」



「はい、では旦那様、お休みなさいませ」



「お前は――」



「旦那様が目を覚まされるまでこちらに控えておりますのでどうかご心配なく」



「……そう言う事を言いだしそうだから、何処かに行ってても別にいぞってって言おうとしたんだけど、なぁ……」



「私は、こちらに居りますのでどうかご心配なさらぬよう」



「……ま、それもお前の勝手か。んじゃ、俺はもうほんとに休ませてもらうから、な」



「はい旦那様」



「それじゃ、お休、み……、」



「――はい、どうかごゆるりとお休み下さいませ、旦那様」




【ラライとムェの修行一幕】


「師匠ー、そんなところで寝てると風邪引きますよー?」

「……くー」

「ダメか。と言うよりもよくこんなところで寝てられるよなぁ、このヒト」

「……くー」

「と言うか、何で僕らこんなところにいるんだろ?」

「……くー」

「師匠も、いくら方向音痴で寝ぼけてるとか言っても、活火山の噴火口でお昼寝とかありえないと……い、いい加減熱いし」

「……くー」

「あぁもうっ、師匠! 起きて下さいってば、ねえ!!」



寝ても寝ても、疲れが取れないのは大変だと思います。


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