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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
74/1098

ど-50. 月の光に照らされて


49の前夜の出来事…(汗)




「…」



「旦那様」



「…ん、あぁ、悪いな」



「いえ。ではどうぞ」



「ととっ、と。ちょっとこぼれたか。………ふぅ、今日は月が奇麗だな」



「はい、そうですね」



「……」



「……」



「なんだ、その、今日は珍しく静かだな?」



「このような日は言葉を慎むのが風情があるかと思いまして…お嫌ですか?」



「いや、悪くはない。ただまぁ、物足りないって言えば物足りないけど、別段気にしやしないさ」



「…はい」



「ん、もう一杯頼むわ」



「はい、旦那様。…どうぞ」



「ととっ。悪いな、注いでもらってばっかりで」



「いいえ。私といたしましても十分に楽しんでおりますので」



「楽しむ?何をだよ?」



「旦那様のお顔をこのようにお傍で拝顔させていただいております」



「何だぁ、そんなに俺の顔は面白いか?」



「…、はい、そうですね」



「…今日は張り合いがないな。まあ、いいか」



「やはり少々盛り上げた方が…?」



「いや、今日はこれでいい。っと、そうだ。お前にも一杯、ほらっ」



「では、失礼させていただきます。…頂戴いたします」



「気にするなって」



「ありがとうございます。全く以て身に余る光栄」



「無礼講無礼講。……あぁ、なるほどな」



「如何なされましたか、旦那様?」



「いや、お前の言ってた意味が少しは分かったな、って思ってな」



「意味、ですか?」



「あぁ、なるほど確かに。こうやって月見上げながら酒飲んで、隣にはお前みたいなのがいるって言うのはいいものだよな」



「………」



「…ん、どうした?」



「…いえ。なんでもございません。少々、少しばかりこの身の幸多き事を噛み締めておりました、ただそれだけにございます」



「安い幸せだな」



「私も、そう思います」



「んっ。今度は俺にも注いでくれ」



「はい、旦那様。…どうぞ」



「ありがとな」



「いえ、当然の事をしておりますだけですので」



「…いや、そうじゃなくてだな。いつもの事だよ、いつもお前たちには苦労をかけてて、有り難うなって意味だよ……てなに言わせるんだよ、恥ずかしいな、おい。酔ってるな、俺」



「旦那様」



「ん?」



「それこそ、お気になされずとも。私達は、私達がこうしたいと望んでいるからこそこうして旦那様のお傍でお手伝いをさせていただいているのです。旦那様の方こそご迷惑に感じられることは御座いませんか?」



「むしろそっちの方こそ杞憂だな。お前はもっと胸張って……、いや、もう少し控え目に頑張ってくれればいいさ」



「…ふふっ。さて、それはどうでしょうね」



「どうでしょうねって、お前……、ま、そうか。明日の事は明日になれば分かる事だしな」



「はい」



「……」



「……」



「それじゃ、もう一杯。今度はお前な」



「では、謹んでお受けさせていただきます、旦那様」






「――ほらよ」





本日の一口メモ〜


この話を読んだ後にひとつ前のを読むと…最悪だ。

折角の甘々の雰囲気の全てがぶち壊しとは…やるなぁ。


旦那様の今日の格言

「月にはさ、ヒトを惑わす魔力があるんだよ」


メイドさんの今日の戯言

「私は全く以て、正気で御座いました」


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