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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
735/1098

ど-436. かくれんぼ

隠れるだけ無駄と言うモノです。


「旦那様ー? 何処に隠れておられるのですかー?」



「……ふっ、呼ばれて出ていくバカがいるはずがないだろうに」



「出て来られないのでしたら……仕方ありませんね。旦那様の秘密を大々的にばらしてしまいますよー?」



「なっ、あいっ――……いや待て、冷静になれ俺。びーくーる。これもあいつの手のうちだ、罠だ。ここで出て行ったらあいつの思うがままなんだっ」



「……これでもまだ出てきませんか。突っ込むのが大好きな旦那様であれば思わず出てきてしまうのを期待したのですが、」



「……ふふっ、今日の俺は一味違うのさ」



「どうやら本日の旦那様は一味違うようですね。私も気を抜いてばかりはいられません」



「……いや、そこはどちらかと言えば気を抜いてくれると助かるんだけどなぁ、俺としては」



「しかし旦那様? 隠れても無駄で御座いますよ。この近辺に潜んでいる事は既に調べがついております。大人しく出てきた方が後々のためであるかと思いますが如何です?」



「……だがしかし、ここを見つけられないのは俺が何処にいるのか分かっていない証拠」



「まだ出てくる気は御座いませんか。いつになくふてぶてしい旦那様ですね?」



「……くくっ、分かっている、分かっているぞ。そんな軽い挑発に俺が乗るとでも思ってかっ」



「では仕方ありません。周囲の遮蔽物を一つ一つ破壊していきますか。そうすればいつかは旦那様に辿りつける事でしょう」



「……いや、それはいくらなんでも卑怯なんじゃないか、ってかあいつはなんてこと言いだしやがるかっ」



「と、までやるのは流石にやり過ぎ感が否めないので行いませんが。さて、それでは如何様にして旦那様を燻り出しましょうか」



「……今のうちにここから避難して置いた方が無難だな。そっと、そぉっと――」



「――そこですかっ!」



「っっ」



「……旦那様?」



「……」



「今、そこの物陰で何かが動いた気がしたのですが気のせいだったのでしょうか?」



「……」



「まあ、確かめてみれば済む話ですか」



「……」



「……では旦那様、お覚悟――あら? 誰もいませんね?」



「……あぶ、危ねぇ。しかし拙いな、ここから気楽に動く事も出来そうにないか」



「旦那様の匂いを追おうにも……小賢しくも旦那様は匂いを隠しておられる様子ですし、」



「……ふふっ、本気になった俺を舐めるんじゃないぜ。何せお前の五感の鋭さは俺が一番知ってるしな。その辺りはぬかりなし、だ」



「ここまでしてくると言う事は旦那様は本気と言うこと……良いでしょう、その方が私としても狩り甲斐が御座いましょう」



「……くっ、あのやろめ。普通に“狩る”とか言ってやがるし。俺を何だと思ってやがるかっ」




「――旦那様は唯一無二、私の旦那様でありそれ以上でもそれ以下でも御座いませんが?」




「……、え?」



「ご機嫌麗しゅう、旦那様」



「……はははっ、ダメだな、俺。疲れてるのかな、何か後ろから幻聴が聞こえるぞ?」



「ちなみにあちらの私はフェイク、幻影デコイですので悪しからず」



「あ、消え……、……と言うか、いつからそこに?」



「当然旦那様がこちらに身を隠した、ほぼ直後からで御座います。常に旦那様の背後に控えさせていただいておりました」



「……」



「……旦那様?」



「――くそっ」



「逃げられると思いで?」



「ちぃ、回り込まれ――、と言いたいところだが今回の俺は一味もふた味も違うぜっ!!」



「ちなみに旦那様が仕掛けられた罠は既にすべて解除済みですが?」



「……うそんっ」



「いえ、本当で御座います」



「……」



「……旦那様?」



「逃げ――」



「ですから、私から逃げられると思いで? 身体能力の差は歴然であると、それは旦那様も承知のはずですが?」



「……くっ」



「ですので旦那様、どうか大人しくお縄につかれる事をお勧めいたします。もう逃げられませんよ?」



「――」



「……旦那様、また何か企んでおられる?」



「――実は俺、お前の事が大好きだー!!」



「私も旦那様を愛しております」



「……」



「めでたく両想いですね、旦那様」



「――実は俺、お前の事なんて大嫌いだー!!」



「私も旦那様を愛しております。これで晴れて両想いですね、旦那様」



「……あれ? というか今のは話の流れ的におかしいだろ」



「いえ、旦那様は照れておられるだけですのでこの程度がちょうどよいかと」



「くっ、こうなったら最終手段……あ、ルーロンだ」



「そう何度も同じ事が続くと思いで?」



「くっ、振り向きもせ――……ぁ、シャトゥ」



「ですから旦那様、そのような事がそう都合よく、」






「うむ? あ、母様なのです。母様ー、お元気ですかー?」






「俺、今度は嘘を言ってないぞ?」



「……そのようですね」



「ほら、“母様”、無視されてるってシャトゥの奴が泣きだしそうだぞ。早く返事をしてやったらどうだ?」



「……旦那様は――」



「当然、その隙に逃げる」



「で、しょうね。仕方ありませんが、今回は旦那様に勝ちを譲りましょう」



「今回“も”だろ?」



「……」



「ふっ、本気になった俺を舐めるんじゃないぜっっ。というわけでアデュ―!!」



「……また逃がしましたか。しかし思うのですが、旦那様は、なにもこのような事にばかり己の運を使わずとも宜しいと思うのですがね?」


【ラライとムェの修行一幕】


「師匠、偶には自分で料理とか洗濯とか、して下さいよ」

「……くー」

「……そんなのじゃいいお嫁さんになれない」

「――私だってやればそれくらいできますっ、かして下さい、ムェ!!」

「うわっ!?」

「これでも花嫁修業は一通り済んでるんですよっっ。料理だって洗濯だってお掃除だって、ちゃんと完璧に出来るんですからっぅ!!」

「……」

「診てなさい、ムェ! そして驚きなさいっ、あとさっきの言葉はちゃんと訂正してもらいますからねっっ」

「師匠が、師匠が燃えている。……な、なんで?」

「む~!!!」


将来の夢は、可愛いお嫁さん。


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