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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
727/1098

ど-429. 噂話

ヒトの噂も、七十五日



「そう言えばさ、こんな話を知っているか?」



「はい、存じております」



「……何でまだ何も言ってないのに知ってるって分かるんだよ」



「旦那様の事はすべてお見通しです」



「それはそれで怖いのだが……と言うか、なら俺が何を言おうとしたか言い当ててみてもらおうか」



「では……旦那様はこのような話をご存知でしょうか?」



「一応、ここは知らないと言っておこう。んでどんな話だ?」



「はい、何でもアルゼルイ学園都市をはじめとする大きな都市には都市伝説、と言うモノが存在しているらしいのです。これはその内の一つなのですが――」



「おぉ、ここまでは一応あってるっぽい流れだな」



「当然で御座います。旦那様の施行など私にかかればモノの一瞬で見通して見せましょう」



「……お前なら本当にしそうだから、頼むから止めろよ?」



「……」



「……返事は?」



「それで先程の話の続きなのですが、その都市伝説の中の一つにですね、」



「だから返事は!? はいとかイエスとか、そう言う返答はっ!?」



「何でも毎夜毎夜、闇に包まれた街中を闊歩する変人が存在するらしいのです。そしてその変人を見た“女性”は、皆その旦那様に拉致監禁されてしまうと言う――」



「って、俺になってる! いつの間にか俺になってるから、それ!?」



「ですがそのような話ですので、致し方ございません」



「いや、間違いなくお前が垂れ流したデマ情報だろ、それ」



「いいえ? 私は携わっておりませんよ?」



「嘘だぁ」



「ごくごく自然と当然の如き流れで湧き上がった噂話であると推察されます」



「あ、そ。お前がそう言うならそう言う事にはしておいてやろう」



「そう言う事もなにも、事実なのですが」



「……でも、残念だったな」



「残念、とは? 確かに旦那様は少々残念なお方では御座いますが、それを何もご自身で仰らずともよろしいのでは、と進言させていただきますが?」



「言ってないよ!? 誰もそんな事は一切言ってないからな!!」



「左様で御座いましたか。それは失礼を」



「ああ、ったく。……でもお前が言ったのと俺が言おうとしてた話はやっぱり違ってたな。都市伝説、まではおしかったんだけどな」



「そうでしたか。それは残念で御座いました」



「ああ。んで、見事言い当てられなかったお前に今度は俺が聞いた都市伝説の噂話を話してやろう」



「そのような話は心の底よりどうでもよいのですが旦那様の手前、一応興味があると言う事にして置きましょうか。それで旦那様、どのような噂話で?」



「……なんつーか、滅茶苦茶話す気力が萎えるな、おい」



「そうですか。ではお聞かせ下さらずとも結構で御座います」



「いや、聞かせる。絶対、この話はおまえに聞かせようと思う」



「旦那様がそこまで仰るのでしたら……それで、どのような話なので?」



「何でも毎夜毎夜……ではないらしいけど、大きな麻袋を担いだメイドさんがいて、彼女と遭遇するとそのまま何処へと連れ去られてしまうっていう怪奇な話だ」



「それはまた大変で御座いますね?」



「ああ。でも何でもそのメイドが余りに美人で、連れ去られるの上等! とかほざく輩が後を絶たずに結構な冒険者がいるらしい」



「まあ」



「その美貌を釣り餌にしてヒト攫いだなんて、ほんと、世の中怖いメイドも居るものだよなぁ?」



「はい、まったくもって怖い話で御座います、旦那様」



「……」



「……」



「……で?」



「で、とは?」



「他に何か弁明したい事は?」



「何故弁明、なのかは理解する気が御座いませんが、特に御座いません」



「そうか」



「はい、旦那様」



「……」



「……」



「ま、所詮噂は噂だしなっ。別に実在してるわけでもなし?」



「そうですね。確かに旦那様は実在しているかどうかも怪しい存在で――」



「それはもう良いからっ!」



「――、はい、旦那様」



「……まあ、なんだ?」



「はい」



「お互い、少しは自重した方がいいかも? って話だな、うん」



「特に旦那様はお気を付け下さるよう、お願い致します」



「いやお前も気をつけろよ!? と言うか、やけに目撃情報が多いのはもしかしてワザと姿見せたりしてるのか、お前!?」



「さて、何の事で御座いましょうか旦那様?」



「いや、だってお前の実力なら目撃者一人出さずにヒト一人や二人や百人攫うのだって軽いだろうが」



「全く、怖い話です。そしてそれはあくまで噂話では御座いませんか、旦那様。私の事では御座いませんよ?」



「……そう言えばそうだったな」



「はい。本当に、おかしな旦那様」



「……まあ、なんだ」



「はい」



「やっぱりお互いに自重しよう、うん」



「了解いたしました、旦那様」



【ラライとムェの修行一幕】


「さあ、準備は良いですよ、師匠!」

「うん、じゃあ……――行きますよ?」

「――ぇ」

「反応が遅い!! 何処を見ているのですか、ムェ!!」

「っっ」

「切り返しが違いますっ。それでは次の動作に 繋げられません、もっと手首の返しを早くっ」

「っ」

「次――!!」

「っっっ」

「……は、眠いのでまた今度」

「って、ええぇぇぇーー!!??」

「……くー」

「ししょー!!!!」


お休みタイム。


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