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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
726/1098

ど-428. 天気のいい日はこうしよう

のんびりまったりと



「んー、今日は良い天気だなぁ」



「はい、旦那様」



「こう言う日はのんびりと草原なんかに寝そべって日向ぼっこで過ごす……とか良さそうだなぁ」



「旦那様、失礼ですが発言が多少年寄りじみておられるかと」



「ほっとけ。いつもあわただしい毎日だったりするから偶にはのんびりとしたいんだよ」



「慌ただしい日々、変わり映えしていく適度に刺激に満ちた毎日……ですね?」



「アレが適度かどうかは微妙なところだけどな。まあ? 俺にも休日は必要なのですよって話だ」



「では私は旦那様の隣で旦那様の生態系を観察させていただいておりますので、どうかお気になされないで下さいますよう」



「……いや、すぐ傍でじっと熱い視線を向けられると非常に気になるのだが?」



「では存分に気にして下さいませ。私としては旦那様のお気持ちを独占できるそちらの方が嬉しく思います」



「……俺のお休みは?」



「存分にのんびりと、お寛ぎ下さいませ」



「視線があると落ち着かないのだが?」



「視線の前に“熱い”が抜けております」



「いや、そこは態々訂正する所じゃないから」



「私は出来うる限りの熱い視線を旦那様に注いでおりますが、伝わりませんでしょうか?」



「うん、至って普通の、いつも通りの無表情だな」



「……そうですか」



「いや、そこで落ち込むなよっ」



「落ち込んでなど居りませんし旦那様に多少の失望を覚えたり、ましてや旦那様に対して淡い期待を抱いた私自身に対して自己嫌悪を抱いているわけでも御座いません」



「や、さっきのは軽い冗談だって。はいはい、ちゃんとお前の熱い視線は感じてますよー」



「何やら、言葉が軽い気がいたします」



「俺にどうしろとっ」



「熱い抱擁を交わし、耳元で『……愛しているよ』と囁くと言うのは如何でしょう」



「やってほしいのか? あとそう言うのを俺の声真似使ってやるのは止めてくれ。自分の事ながらゾッと来るものがあるから」



「承知いたしませんでした、旦那様。そして旦那様が私への法要と愛の告白をお望みと言うのであれば、謹んでお受けしたいと思います」



「言いだしたのはお前」



「些細な事です」



「――で?」



「……少々、して下さると嬉しいかもしれません」



「だが断る」



「想像通りのお答え、ありがとうございます旦那様」



「せめての話だが、そう言うのは他人の居ないところでする、もしくは話す内容だと俺は思う」



「衆人環視の目など恐れていては大物にはなれませんよ、旦那様?」



「俺はお前に羞恥心を持てと言いたい」



「十二分に心得ていると自負しております」



「……なら街のど真ん中で、他人の目に晒されながらああいう事を話すのはぶっちゃけどうかと思う」



「私にとっては無知の他者の視線による羞恥よりも旦那様のその少し胸に熱いものが伝わる反応や仕草などの方が優先されますので、問題御座いません」



「俺としては周りの方々の視線が非常に気になるんだが?」



「相変わらずの小心者ですね」



「平和主義者と言ってくれ。極力波風立てないように生きてるんだ、俺」



「それはまったく面白くない冗談かと」



「いや、冗談のつもりないし」



「ではここは呆れ果てれば宜しいのでしょうか?」



「出来れば全力で俺をバックアップとかしてほしいと思う」



「絶賛、進行中に御座います」



「それは絶対嘘だ」



「ばれましたか」



「むしろお前は波風立てるようにしてる方だし」



「私は旦那様の意に沿うように行動しているに過ぎません」



「……何か、俺が厄介事を好んでる、とか言ってるように聞こえるのですが?」



「心の奥底の深層意識とはえてして本人は知りえないものです、旦那様」



「だからと言ってお前が勝手に俺の深層意識の在り方を決めるのはどうかと思うっ!?」



「これに限り問題は唯一もなく、と断言させていただきます」



「……俺は平穏に、女の子に囲まれてのんびりと暮せればそれで良いんだけどなぁ」



「既にその発言自体が一般的な“のんびりと”という概念とはずれていると思われます、旦那様」



「良いんだよ、そこは。俺なりの“のんびり”で」



「左様で。つまりは私の判断も間違いないと言う事で御座いますね。旦那様からの言質が取れた様で安心いたしました」



「全然取れてないからっ。……まあ、多少は毎日に刺激とか新しい出会いとかうっかり恋のハプニングっ、とかあった方が楽しいだろうけどさ」



「故意のハプニングは万全に御座います、旦那様!」



「……何か、俺の言ってるのとお前の言ってるのには非常に大きな隔たりがある気がする」



「幾ら旦那様の性癖並びに趣向が特殊であると心得てはいても、多少なりとも悔しくはありますので敢えて隔たりを作ってみました」



「しなくて良いから、そんな事。と言うか俺の性癖とか趣向とか、それは絶対お前の勘違いだと俺は断言する」



「……譲りませんか?」



「ああ、譲らない。と言うかその辺りを勝手に言わせておくと俺はいつの間にか超変態紳士になってそうだしな」



「紳士の部分は余計かと」



「それだとただの変態なのですが!?」



「何を今更な事を仰られますか」



「今更じゃねえよ!? 俺は何度も言ってるよ、俺は至って普通の常識的な、ただのヒトだって!!」



「本日は旦那様のトークも絶好調ですねっ」



「それは一体どんな意味だっ!!??」



「このように良い天気の日は小山の向こうへピクニックなど、のんびりと草原で寛ぐと言うのも良さそうで御座いますね、旦那様」



「それ、さっき俺が言ったから。一番最初に俺が言ったから」



「そうですね?」



「……何か、生温かい目で見られている気がする」



「それは“半分”旦那様の被害妄想かと」



「……もう半分は?」



「では旦那様、私は少々、ピクニック等の準備をしてまいります」



「だからもう半分は!? 何なんだよ、一体っ!?」



「さて? では旦那様、旦那様はいつも通り、女性の方々をナンパでもしてお待ちくださいませ」



「何そのいつも俺がナンパしてる、みたいな言い方!?」



「反論は受け付けません」



「何故に!?」



「では旦那様、……追加として何人くらい加わる予定でしょうか?」



「加わらないから!! 俺とお前の二人だけだからっ!!」



「つまりナンパは須らく失敗に終わる、と。それでも無駄と知りつつも奮闘なされる旦那様はご立派であると私は思います」



「いや! だからそもそもナンパなんてしないし、俺!!」



「では準備に行って参ります。集合場所は街の南の入口と言う事でよろしいですか?」



「南……ああ、了解。――っと、後訂正しとくが俺は断じてナンパなんてしないからなっ!!」



「………はい、それはそれで、私と旦那様の二人きりと言う事で心待ちにさせていただきますね?」




【ラライとムェの修行一幕】


「……師匠、これは何の修行何でしょうか?」

「……くー」

「って、やっぱり寝てるし!!」

「冗談」

「いや、全然冗談になってませんから。というか今のって寝言とか言う事はないですよね?」

「これは、気持ちを落ち着けて自然と一体になる修行。効果は魔力が研ぎ澄まされる」

「へぇ、そんな意味が……僕にはただ単に草むらに寝そべって寛いでるようにしか見えませんけどねっ」

「……ばれた」

「って、本当にただ寛いでただけだったんですか!? ならさっきの説明は!?」

「だから冗談って言った」

「くそっ、それが冗談かー!!!」



ちゃんと修行しろ。


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