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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
715/1098

ど-420. 旅の目的、思い出す

相変わらず、海原の上を散歩中な二人。



「……そーいえばさ」



「はい、なんでしょうか旦那様?」



「反乱分子と言うか、いろんな奴らが色々な事を企んでそうだっていう話はどうなったんだ?」



「?」



「いや、今回の旅の目的だよ、目的っ」



「今回の旅の目的は私と旦那様の慰安ではなかったですか?」



「……仮にそうだとすると、俺にとっては全然慰安になってないのですが?」



「そんな事は御座いません」



「って、何で他人事なのにおまえが断言してるんだよ」



「旦那様はきっとこう思っておられるはずです。このような美人と二人きりで旅なんて、間違いを起こしてしまったらどうしよう……と」



「いや思ってないし」



「では間違いっぽい何かが起きてもそれは間違いではないと」



「それも違うし」



「……ではこう思っておられるのですね。新しい女の子と知り合う、もとい乱獲する機会が出来てラッキー……と」



「思ってない。と言うか俺としては至極真面目な話をしてるつもりなんだが……?」



「私も至極真面目ですが?」



「……今のが?」



「はい。今のが、で御座います」



「……」



「……」



「――まあそれはどぶに捨てておいて、」



「捨てられました」



「実際のところどうなんだ? 各地の動きとか、赤い子とか白いヤツとかが何か愉快迷惑な事を企んでないかとか」



「何故私にお尋ねになるのでしょうか? 私は今まで常に旦那様と共にいたので旦那様と同程度の認識しか持ち合わせていないはずですが?」



「いや、まあ確かにそうなんだが。何となくお前に聞けばわかるかなって気がしてな」



「流石にこの場に留まりながら情報を収集するのは無理があるかと」



「……だよなぁ。ってか少し考えればわかるか」



「その少しの考えがりないのが旦那様」



「悪かったな」



「いえ、時には考え足らずと言うのも必要悪では御座いますので。単純に悪いとだけ申し上げるつもりは毛頭ございません」



「そうか?」



「はい」



「まあ、お前がそう言って褒めてくれてるなら、」



「いえ褒めてなどおりませんが? むしろ貶しています」



「って、やっぱり貶してるのかよ!?」



「当然ではありませんか、察しの悪い旦那様。むしろ今の言い方で褒められていると勘違いできるとはどれほど都合の良い頭なのでしょうか、と思わず問いかけたくなってきます」



「……いやさ、確かに俺も酷い事言われてるかな、とかは思ったぞ? でもそれもお前なりの俺へのフォローかな、なんて事を少し思ってだな、」



「で、旦那様が先程仰っておられた各地の勢力の動きなのですが――」



「ってスルーかよ!? と言うかやっぱり分かるのか、何故分かる!?」



「この場での情報収集は無理があるとは申し上げましたが、私が分からないと答えたつもりは御座いません」



「……そう言うモノなのか、と言うよりもどうやって出来るんだよ、んな事」



「いえ、通信の魔法で各地に散らばる同志もしくは処理部の方々と連絡を取り合っていただけですが?」



「あ、成程。そう言う事……と言うか、同志?」



「はい、同志の方々で御座いますがそれ何か?」



「同志って、何の……?」



「……旦那様は、お聞きになられぬ方が宜しいかと」



「なんですかっ!? そんな悲痛そうに言われると余計に気になるのですが!?」



「一言で言えば『旦那様☆撲滅・友の会』で御座います。まあ大した会では御座いません。精々今まで旦那様がお会いになられた方々全員が入っている程度の、小さな会ですし」



「なんだ、そうなのか……あれ? と言うか、俺が今まであった事のある奴全員? それって実は結構な人数になったりしないか?」



「それだけの数の方々に恨まれていると言う事ですね、旦那様は」



「え、恨まれてるの、俺? つか流石にそこまで恨まれるような覚えはないぞ!?」



「では慕われているの方で」



「……って、何か投げやりだな、おい」



「どちらでも同じ事ですので」



「いや、同じじゃないと思うんですが……」



「同じです。――それで先程の各地の動きについてなのですが」



「あぁ、うん。で、どうなんだ? 何かやばそうな動きとか派手な暗躍とかあったりするのか?」



「いえ。取り敢えずの動きとしてはシャトゥが着々と信者を増やしていっているくらいでしょうか。あと……」



「あと?」



「……白が各地で無性飲食を着々と重ねているもようです」



「……第二の人生、やりたい放題だな、あいつ」



「……そうですね」



「まあ、その二組は元より別にどうでもいいとして、青と緑に特別な動きがないってんなら良しとしようか」



「はい、少なくとも皆様方が察知できる程の大きな動きは起きていないと推察できます」



「……不安になるような事言うなよ」



「ですが何らかの暗躍があるのは、恐らく事実ですので」



「まあ、その通りなんだろうけどな」



「はい」



「取り敢えず今は、動きは何事もなさそうなんだし、もうちょっとこうやってのんびりと世界を旅でもしてますかねっ」



「とは言いましても、周りは海しかございませんが?」



「……いい加減見飽きたなぁ、この景色。陸地が恋しいぜ」



【ラライとムェの修行一幕】


「師匠? 師匠ッ、起きて下さいとは言いませんけどせめて自分で歩いて下さいよっ」

「楽ちん、楽ちん」

「起きて……ませんよね。なんて紛らわしい寝言を」

「やだっ、そこは違います、レム様っ!?」

「……何の夢を見てるんだ、このヒト?」

「んっ……レム、様…………」

「なんて言うのかな、この寝顔を見てると何となく……」

「……くー」

「川に流したくなってくる。……ほら師匠っ、ちゃんと自分でたって、寝ぼけても良いから歩いて下さいよっ!!」

「ん~……ゃです」



てくてくと、一歩一歩歩くのです。


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