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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
711/1098

ど-417. 料理は愛情3

はい、テイク10.いってみよー



「旦那様、昼食が出来ました」



「お、そうか」



「……旦那様、そこは『おい、飯は未だか?』とボケていただかなくては」



「……いやさ、お前は俺に何を期待してるんだ」



「ではテイク2」



「って、え、もう一度やるのか、コレ?」



「旦那様、昼食の準備が整いました」



「おい、飯は未だか?」



「はんっ、貴様に出す飯など何もないわっ!!」



「……」



「……」



「……で?」



「……ふぅ、旦那様はこの程度のアドリブも出来ないのですね」



「そもそもよ、普通に『ご飯が出来ましたー』って声をかけるだけなのにどのあたりにアドリブとかが必要になるんだ?」



「ではテイク3」



「まだやるの!? と言うか俺の話を聞けよ、おい!!」



「旦那様、本日も宴の準備が整いました」



「テイクなんとかって言ってる割にさっきから微妙に言ってる事が違うな……ってまあそれはこの際いいとして。……そんな飯が食えるかぁぁ!!!」



「では旦那様の本日の昼食話と言う事で」



「あ、いやご免、今のなし。ちょっと勢いにかまけて言ってみただけだから――つーかお前も急に素で答えるんじゃねえよ。折角期待通りに俺がぼけてやったっていうのに」



「では旦那様の三食はなしですね?」



「普通に三食抜いてたらヒトは死ぬと思うのですが?」



「ご飯がなければおやつを食べれば良い――はい、今私良い事を言いました」



「いや、それは全然良くないだろ、てかむしろ世の中舐め切ってるのかお前ッて感じの発言だぞ、今のは」



「承知しております。少々ぼけてみただけです。そして旦那様にはこの程度の茶目っ気が欲しいところ、と私自ら手本を見せてみました、と言う事でテイク4」



「……まだ続ける気なのか、コレ」



「旦那様の昼食は御座いません」



「だったら何をしたいんだよ、テメェは!?」



「……仕方ありませんね。それでは旦那様の昼食はわ・た・しっ♪と言う事で」



「はぁ?」



「美味しく食べてね、旦那様♪ ……――それはどういうケダモノですか、それ以上私に近寄らないで下さい、旦那様」



「だからお前は何がしたいんですかー!?」



「では気を取り直してテイク5」



「……いつまで続ける気だよ、ほんともう」



「昼食の準備が整いました、旦那様。どうぞ、冷めてしまう前にお召し上がりを」



「お、今度は普通に運んできた……って、そういやここでボケろとかだったな。えっと……」



「そのような常時下らない旦那様のボケは不要ですので、冷めてしまう前にお召し上がりを」



「……一番初めにボケを見せろとか言ったのはお前だったと思うけどなっ?」



「……ふぅ、昔の事です」



「いや、そんな『私も昔はやんちゃでした』みたいに感慨深く言われても。ついさっきの事だし」



「まあ飽きました」



「うわぁ、こいつ殴りてぇ……」



「旦那様からの愛の籠った仕置きですか? では謹んで、受けさせて頂きましょう。あぁ、ですが冷めるといけませんので仕置きよりも先にご昼食の方をお召し上がり下されば幸いです」



「いや、別に仕置きとかはする気ないから。つーか冷めるとかそういう事を言うのなら初めからボケろとかそう言う事を言わずに普通に昼食持ってこいよ」



「ですが……料理の最高のエッセンスは愛情とも申しますし……ねぇ?」



「そんな期待のこもっていそうな目を向けられても答えようがない。と言うか今の一連の中のどのあたりに愛情とかがあったと?」



「ボケと突っ込み、まさにそれは夫婦漫才、そして夫婦と言えば夫婦愛では御座いませんか」



「それはきっと料理に加える類の愛情とは意味合いがかけ離れていると俺は思う」



「以後、精進させていただきます」



「しなくていい、と言うかご飯はご飯で普通に作って、普通に持ってきてくれれば良いから。それ以上は望むべくもなしだし、むしろ余計な事はするなと言いたい」



「あれはするな、これはしろと……旦那様は本当に、我儘で御座いますね?」



「我儘って――俺は至って普通のことしか言ってないつもりだし……んじゃ、頂きますっ」



「はい、お召し上がりくださいませ。手によりをかけて作っておりますので」


【ラライとムェの修行一幕】


「まずーいっ!! こんなのが食えるかー、かー、かー……」

「師匠、料理を無駄にしないで、と言うかその丸テーブルは一体どこから、それに自分で一人エコーとかするの止めてください、見てて切なくなってきますから」

「……満足」

「ええ、あれだけ盛大に料理を無駄にひっくり返せば満足もするでしょうねっ」

「ところでムェ、ご飯はまだ?」

「今! 師匠が! 思い切りひっくり返しました!!」

「……」

「僕は一度は作りましたからね? 欲しいなら今度は自分で用意」

「……ムェ」

「なんですか、師匠?」

「弟子とは、師匠のいかなる無理難題にも従う義務があると以前聞いたことが――」

「お断りします」

「……ムェ」

「今度は何ですか、師匠。だから食事なら自分で用意して下さいと――」

「ちょっと近くの街まで食べ物を強奪しに行ってきます。探さないで下さい?」

「って、師匠ちょい待ち――ぃ、いないし、もう」



隣町で、食べ物屋さんや屋台が何者かの襲撃に合った模様です。犯人は依然としてつかまっておりません。




怖い世の中です。


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