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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
708/1098

ど-415. お昼時

何故か普通に海の上を歩いたりしている二人組。


「魚が取れました、旦那様♪」



「それを俺にどうしろと?」



「本日の昼食になど如何でしょうか?」



「ああ、それは悪くないな……せめてもう少し小さい奴で頼む」



「本当に旦那様は我儘であらせられますね。これでもこの御魚様はこの海域では神魚と呼ばれて敬われている、とても縁起の良い魚だと言うのに」



「へぇ~、そうなんだ」



「はい。もう何百年も生きていると言われている、大変長寿な魚でして、」



「ほー」



「ですので誰も食べた事のない珍魚で御座いますよ、旦那様?」



「って、それじゃダメじゃん! 神魚とか言われてるんならその魚、敬おうぜ!?」



「そうなのですか?」



「普通そうだろ」



「……いえ、旦那様でしたら“神魚”であるからこそ、喜々として貪りつき、親の仇とでも言わんばかりにとって食べるのかと思い、態々この魚を選んだのですが……」



「いや、食べないから。普通に敬われたりしてる魚ならそっとしておいてやろうぜ?」



「旦那様がそう仰られるなら……もう捕まるんじゃありませんよ?」



「あの大きさの魚を捕まえられる奴は普通にいないと思うけどなー」



「そうでしょうか?」



「いや、だって船の十数倍の大きさの魚ってどうよ?」



「沢山食べられそうですね?」



「確かに、それはその通りだがあの大きさだと全部食べきる前に腐らせちゃいそうだな」



「いえ、それは無理にでも旦那様の口に詰め込む所存ですので心配ないかと」



「知ってるか? ヒトって食べる限界があるんだぞ?」



「それは存じております。原初の白龍ルーロンがその限界に挑み、お腹が破裂した逸話は有名ですので」



「それを知ってて今の発言はどうかと思う」



「旦那様、今こそ、彼のルーロンの所業を打ち破る時かとっ」



「しないっての。つか何でそんな無駄にハイリスクノーリターンなことしなきゃいけないんだよ」



「いつも通りの事では御座いませんか」



「……それを言われると確かにその通りではあるんだけどな」



「しかし旦那様、昼食候補を逃してしまいましたが如何致しましょう」



「そうだなぁ……つか、見渡す限り周りは海だしなぁ、食べ物なんて何もないし」



「あら不思議、このようなところに果物が」



「お、くれ」



「ごちそうさまでした」



「早!? と言うか自分で食うならわざわざ見せびらかすなよ!?」



「旦那様、最高の調味料とは何か、存じておられますか?」



「……ヒトの不幸、とかそんなのを言うつもりか?」



「愛情に決まっているではありませんか、旦那様は仕方のないおバカですね」



「愛情、ねぇ……んで、その愛情が料理の最高の調味料ってのと、今の会話と何の関係があるんだ?」



「そのようなものあるはずないでは御座いませんか」



「だよなー」



「はい。では私はお先に、旦那様の悔しがる顔を魚にしながら昼食を頂く事にします」



「普通そこは『旦那様が食べてください。いえ、私は結構ですので』とか言う流れになると思う」



「え、このような場所で私をお食べになるつもりで?」



「それはいらない」



「左様で」



「ああ。……と言うかいい加減疲れてきたなぁ。海の上を歩いてても、風景何も変わらなくて暇だし」



「波に乗ってきゃっきゃと遊びましょうか、旦那様」



「しなくていいから、そんな事」



「では軽く未知なる深海にでも冒険を」



「やらないし」



「では旦那様は何をなさりたいと仰るのですか!!」



「普通に、陸地が恋しくなってきたのと取り敢えず腹が減った」



「では昼食にいたしましょうか。この辺りの海一面を焼き払い、焼き魚でも――」



「それはやり過ぎだ!」



「……そうですか。では、御魚様と一緒に取ってきたこのツィートルでも捌くと致しましょうか」



「お? と言うか、この辺りってツィートルとれたのか」



「はい。中々質の良いのが群れで大量に泳いでおりましたよ?」



「へぇ……んじゃ、今日の昼食はそれにするか。ツィートルなら捌いて塩水で洗えば、生でも十分いけそうだし」



「私は旦那様やキリル様程ツィートルが好きではありませんので遠慮させていただきます」



「何だ、美味いのに」



「いえ、私は持参したこのお弁当を――」



「って、今お前どこから出したー!?」



「乙女の秘密袋からに御座います、旦那様。それはそうと――昼食にいたしましょうか」



「あ、あぁ、それもそうだな」



「……しかし旦那様?」



「何だよ」



「こうなって海原の上、旦那様と二人きりで食べる昼食も中々乙なものに御座いますね?」



「まぁ……確かに。海も広いし、空も広いし、悪くはないな」



「そして目の前には美女が」



「言ってろ」



「……つれない、旦那様です事」



【ラライとムェの修行一幕】


「……ムェ、どザえもんの作り方って、知ってる?」

「しっ、死ぬかと思った……もう本当に死ぬかと思ったっっ」

「次は山に逝こうと思います。山の幸が食べたい」

「……そうですね、山とかだとおぼれ死ぬようなことは」

「レッツ、千尋の谷」

「師匠、やっぱり山は止めましょう」

「うん、山は疲れるから嫌」

「……なら最初から言わないで下さいよ」

「谷に逝こう」

「ちょ、ま、師匠そっち方向違う、海、ってぇ――」

「周りは見渡す限り、青」

「……嘘だぁ、海の上を走るとか、そんな」

「お休みなさい、ぐー」

「ッて師匠急に寝ないで!? 沈んで……沈んじゃってるから!?」

「……(ぶくぶくぶく)」

「わー、師匠ー!!!」



ラライさんはいつも寝ぼけてます。そして寝ぼけてない時はぼけてます。

ナイス、大和撫子!!



ふぅ、朝日がまぶしいぜぃ。


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