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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
701/1098

ど-410. 贈り物

敢えて言いますが、メイドさんはご主人様らぶです?




「……さて」



「現実逃避はそこまでにされた方が宜しいかと」



「ふっ、何事も逃避したくなる現実ってのはあるものさっ」



「そうですね、旦那様の場合は特に」



「……」



「……」



「昔の事を振り返っていても仕方がない。今は目の前の事だけを見ていよう」



「昔の事? それはつまり旦那様が女そ――」



「目の前の! ……些細な事は置いておくとして、だ」



「はい、旦那様」



「……何か顔が笑ってないか?」



「それは被害妄想で御座います、旦那様」



「……本当に?」



「はい。それとも旦那様は私の言葉を信じられないと仰られるのですか?」



「うん――と言いたいところだが、それを言い出したら切りがないので一応信じておくことにする」



「では私も、旦那様の取ってつけたような言い方に不満を覚えないわけではありませんが一応、信じていただきありがとうございますと申し上げておきましょう」



「お前の余計すぎる二言三言は聞き流すとして、……いやそれ程でもないさ。お前の事を信じるなんて当然のことだろう?」



「そうで御座いますね。誠に白々しい限りのそのお言葉を何の臆面もなく仰る事が出来るのはさすが旦那様と言うほか御座いません」



「白々しくなんてないさ。俺は本当にお前の事、信じてるんだぜ?」



「私も、旦那様の事を信じております」



「そうか、……ありがとよ」



「いえ、当然の事ですので。所で旦那様?」



「なんだ?」



「いつまでこの三文芝居を続けられるおつもりで?」



「何となく周りの奴らが見てるので後に引けなくなった」



「そうですか。ではこの辺りで私がボディブローを一発叩きこんで幕を引きましょうか?」



「止めろ。つか何でそんな物騒な事を思いつく」



「旦那様の顔が近いので照れくさくてパニックに陥っております」



「そうか。いつも通りの無表情だけどな」



「それはおそらく混乱し過ぎているために逆に表情に表れ難いのだと推測いたします」



「照れてる感じもしないし、」



「……ぽ」



「おいこら、声だけ『……ぽ』とか言ってもわけわかんねえよ。つか全然照れてるようにとかは見えないから。そもそもさっきの冷静な自己分析だって、微塵もパニックに陥ってない証拠だろうが」



「あわわっ、だ、旦那様っ、顔が近いです~」



「……今更過ぎ。と言うか不気味だから止めろ」



「そうですか。ではそのように」



「……しかしおかしいな。さっきよりも益々視線が集まってきてる気がするぞ?」



「きっと夫婦漫才をしているとでも思われているのでしょう。夫婦……ふふっ、悪くないですね」



「いやそれは違うと思うけど。つか誰もこんな道端で、しかも普通に歩きながら大道芸してるとも思わねぇだろ」



「ですが旦那様。私は時折チップなるものを頂く事が御座いますが?」



「え、マジで!?」



「はい。お金を直接……と言うのではありませんが、食料だったり装飾品であったりと様々なものを」



「……ちなみに俺は貰った事がないんだが?」



「恐らく、旦那様よりも私の方がフレンドリーな振る舞いをしているので話しかけやすいのでしょう」



「どの口がフレンドリーとか言うか」



「もしくは、変人に話しかけるのは嫌だなどと言う理由ではないかと推測いたしますが」



「どちらかと言うと常にメイド服着て街中城内、森の中に遺跡に至るまでいつどこでもその恰好で闊歩してるお前の方が変人だと俺は思う」



「ふふっ、変人などと、旦那様にだけは言われたくない言葉で御座いますね♪」



「おーい、何かどす黒いものが漏れてるっぽいぞ~?」



「おっと、これは失礼を」



「全く、気をつけろよ?」



「はい、旦那様。まあ、今のはワザとですが」



「そか。なら良いんだけどな……て、あれ?」



「如何なさいましたか旦那様?」



「いや、今ふと思ったんだけど、そのチップってさ、もしかして渡してくるのって野郎だけとか言う事ないよな?」



「いえ、女性の方もおられますが?」



「ん~、ちなみにお前のそのチップを渡す時、そいつらってどんな感じだったりする?」



「一言で言うならば非常に照れた様子ですね。頬を染めて、――もうっ、旦那様のおばかっ!! ……とのような感じでしょうか」



「あぁ、うん、実況ありがとう。実によく分かった。ついでに言うと今の周りの奴ら見たいな感じだよな?」



「周り? ……ああ、そうですね。そのような感じかと」



「ちなみに、どうやらさっきのお前の照れた演技に殺られたみたいなんだが」



「私も罪作りな美女ですから」



「自分で美女とか言うな。まあ事実だけど」



「それは失礼を。では今後はもう少々控えめにする事に致します」



「そうしておけ。……って、言う事はもしかして実は分かってる?」



「分かってるとは、一体なんのことでしょうか? いえ、合えてお答えするのであれば『はい』と申し上げさせていただきますが、ここは旦那様の顔を立ててお尋ねしておきます。一体何の事を仰っているので?」



「いや、だからそのお前に贈られてくるチップとやら。俺に来ない事とか、良く考えれば現金じゃなくて食べ物とか装飾品だとかいうところで気付けそうなものだけど――普通にお前への贈り物じゃね、それって?」



「そう言うかもしれませんが、そうではありません」



「? どういう意味だ?」



「もし仮にそれらが“チップ”でないのならば、私は彼らからそれらを受け取る事は出来ませんので」



「益々、意味が分からないんだが?」



「旦那様からの贈り物以外、私は受け取るつもりはないと言う事です」



「ああ、成程……ぁぁ、なるほど」



「何故に二度納得を?」



「……いや、別に意味はないけど。まあ、一応言っておくけどな?」



「はい、旦那様?」



「それ、チップじゃないだろ、絶対」



「……ならば、申し訳ないですが今後彼らからの施しは一切受け取らない事に致しましょう」



「あぁ、まぁ、仕方ねぇか」



「……折角の資金源が」



「――って、はぁっ!?」



「いえ、冗談です。えぇ、今後旦那様の食事のランクが多少下がろうとも、今の言葉はあくまで冗談ですので」




【潰される人々:レム編】


「――あれ!? おかしくない!? これ、おかしくないか!!??」


「何がでしょうか、旦那様?」


「いやだって俺だけ本当に――げふっ!?」


【潰れてます】



ららら~

何となくにゃんこがみたい。


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