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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
70/1098

ど-47. 機嫌が悪いのは仕様です


基本的に

旦那様>メイドさん

の関係ですから。…本当ですよ?




「うむ!」



「如何なされましたか、旦那様?」



「俺は自由だー」



「そうですか。それはようございましたね。では私は忙しいのでこれにて失礼させていただきます」



「待て、てかいつもはそっちから無駄につかっかってくるくせしてこういうときばっかり無視かよっ!?」



「旦那様、構っていただきたいのであればそう仰って下されば、私としてはいついかなる時いかなる場合においてもどのような場所からも直ちに駆けつけ、お相手いたしますものを。それで、いかがなされましたか、旦那様?」



「…頬が緩んでるぞ」



「……、これは失礼を」



「いや、俺としてはむしろそっちの方が微笑ましいのだが…じゃなくてだなっ、やっとこうして自由になったわけだが、よくも俺を牢なんかに入れてくれさくったな!!」



「何の事でしょうか?」



「…お前、今素で聞き返しただろ?」



「素、とはいかなる意味でしょうか?私は常に誠心誠意至極真面目に旦那様に尽くしており、そこに一片の余地が入る事もありませんが」



「だ・か・ら・だっ、てめぇがかけた冤罪の所為であのあと牢屋に三日間もぶち込まれたんだぞ!!」



「正直私には旦那様が何を仰りたいのか理解する事ができません。どうか正しいお言葉で仰ってくださるよう、誠心誠意この身を粉にしてお願い申し上げます」



「それのどこが誠心誠意の態度だよっ!!あと俺は至極まっとうな事しか言ってねぇー、俺が言いたいのは牢屋に入れてくれた恩をどう返してやろうかって事だ、このっ!!!」



「初めからそうおっしゃって下さればよろしいものを」



「…そうすればすんなり話が進んだのに、か?」



「いいえ、例えそうだとしてもそれほど変わりはなかったと思われますが」



「…もう少しさ、取り繕うって事を覚えたほうがいいと思うよ、ほんと」



「それで旦那様としては私にどのような報復活動をお考えになられておられるのですか?」



「率直に聞いてくるなぁ。…うん、そうだな、何にするか…?」



「私は旦那様の申しつけであれば如何にご無体なご命令であろうとも心して承る所存でございます」



「…くっ、真顔でそれを言われると…俺のこの怒りをどこに持っていけばいいのか」



「どうか旦那様の理不尽極まりなく道端の小石のよりも価値のないお心はこの私めの身体でお鎮めください」



「変なところだけ殊勝だよな、お前って」



「それは異な事を。私は常に殊勝な態度を心掛けておりますれば、それは旦那様の不快極まりない勘違いであられるかと」



「相変わらずだなぁ……て、はっ!?そうだった、話をずらすんじゃない、俺は牢屋にぶち込まれたことを怒ってるんだよ!!」



「…惜しい、ではなく、そのような事は億も承知でございます。それで私の旦那様、旦那様としては私にどのような折檻をお望みであられるのでしょうか?」



「そうだな、それじゃ、」



「拉致監禁ですかそうですか。なるほど旦那様のお考えは至極まっとうな事でございます」



「って俺まだ何も言ってないよっ!?」



「つまり旦那様は掛けられた容疑を冤罪ではなく実罪だとお認めになり、かつそれを自らの手で実行なさろうと、そのようにお考えであるという事ですね?」



「何か俺の考えが勝手にねつ造されていくのですがっ!?」



「いえ、何も申される必要はございません。そして旦那様の命であるのならば私はこの身体を喜んで旦那様の歪みに歪んで円環の様に繋がってしまった性癖に捧げましょう」



「取り敢えずは、だ。お前これからしばらく暇な」



「そんなご無体なっ!!旦那様は私に死ねと、そうおっしゃられるですかっ!?」



「いや、そんな大げさな。けどいい加減に俺が結構機嫌が悪いって事を解ってくれたら嬉しいのだが、な?」



「藪の中に敢えて踏み込むのが優しさではないかと――」



「誓ってそれはない」



「で、では旦那様は先ほどの申し上げを本気で仰られ…」



「ああ。つかさ、お前は俺の言う事なら喜んで受け入れる、そうだよな」



「…旦那様に暇を出された私としてはそれを受け入れる必要はどこにもありませんが?」



「そっそれを言うか」



「ええ、言わせていただきますとも。…ですが旦那様、何をそのように憤っておられるのですか?旦那様が牢にお入りになられるなどいつもの事ではございませんか。それにあそこは仮にもアルゼルイです。旦那様の処遇が悪かったとは思えないのですが。それに旦那様がその気になられれば脱獄する事など雑作もないでしょうに。正直私としては旦那様がそこまで憤っておられる理由が思いつきません」



「…別に。ちょっと牢を出がけにあのタヌキに厭な事を言われたから苛立ってるだけだ」



「――そうですか、あの学長の所為ですか」



「……予め言っておくけどだからってあのタヌキに何かしようと思うなよ。お前が動くと自体が余計にややこしくなる」



「…と、言う事は先の用事はラライ様の因果に関しての事ですか」



「ああ、そうだ。胸糞悪い、俺たちに手伝えだとよ」



「それで旦那様は」



「当然断った」



「でしょうね。なるほど、それで旦那様のお機嫌が悪かったのですか。それで旦那様、少しはお気が紛れたでしょうか?」



「…まあ、少しはな。下らない日常ってのもこういう時には大事だよな、心が休まる」



「それはようございました」






「あ、ちなみにお前にしばらく暇だすの、アレ本気だから」



「そそそそそそんなっ!?」



「…………くくくっ、日頃無表情な奴が慌てるのは見てて楽しいな。なるほど、いつものあいつの気持ちが少しは解かるってものだ」




本日の一口メモ〜


前書きの、『本当ですよ?』

?を付けている時点ですでに駄目な気がするのは自分だけだろうか…?


『はっちゃけてみよう』

平和です。平和。この物語はあくまで平和な一日を描いております。

旦那様がメイドさんにいじめられるのは既に日常の一部――訂正、

旦那様とメイドさんのじゃれ合いは普通に日常に一風景です。

平和ですね?



旦那様の今日の格言

「優しさは時にふと気づくものである」


メイドさんの今日の戯言

「…旦那様は意地悪です」


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