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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさんとご主人様
698/1098

ど-407. ちょっと良いトコ

ちょっと良いトコ見てみたい……でも見れるかどうかは、別問題。



「……何か俺、良いところを見せないと駄目な気がする」



「唐突なまでに駄目発言ですね、旦那様」



「駄目発言とか言うな」



「ですが一応フォローしておきますと、旦那様は態々良い所など見せて下さらなくても十二分にダメ野郎♪ なのでご心配は杞憂、もとい徒労かと」



「それ全然フォロー違いますけどっ!?」



「つまりフォローする事も出来ないほどに旦那様のダメっぷりは磨きがかかっている、と言う事ですか」



「つーかフォローするとか言い出しやがったのはテメェですがね、コン畜生っ」



「では旦那様、私にもう一度チャンスを」



「チャンス?」



「はい、今度こそ完璧に、旦那様の事をフォローして見せましょう」



「や、別に」



「では旦那様にも許可を頂けたところで、」



「いや許可出してないよ!? つかそれは態々許可求めた意味あるのかと問いたいっ」



「旦那様はツッコミがお得意です。そして突っ込むのがお好きです」



「……というか、そう言う事をさせる原因はお前だ。俺は別に断じて、ツッコミが好きとかそういう訳じゃ……うん?」



「如何なさいましたか、旦那様?」



「いや、今のお前の発言、何か微妙に危険っぽいのが混じってた気が――」



「旦那様の気のせいもしくは己の欲望にまみれた勘違いで御座いましょう」



「そう、か……?」



「はい」



「……んー、何か微妙に納得いかないんだが、」



「納得いかずともこの世には不条理な事など数えて腐るほどあるのですよ、旦那様」



「それもそうか、てかその最もたるのがお前だけどな」



「旦那様に言われたくはない台詞かと」



「お前にも言われたくないセリフでもあるけどな」



「……」



「……」



「……ぽ」



「まあ、こんな不毛な睨み合いは止めておこう。つかお前もだからってワザとらしく頬を染めて恥ずかしがる振りとかするのは止めろ」



「実は本気で恥ずかしがっている可能性も、」



「あるのか?」



「いえ、演技ですが」



「ないんじゃねえかよ」



「時々恥ずかしがったりする事もあるかもしれないという可能性が無きにしも非ずです、旦那様」



「随分曖昧だけど、一言で言うと?」



「旦那様が気に留めない程度には恥ずかしがる事も御座います」



「まあ、つまり聞くまでもなくほぼないと」



「旦那様がそう取られるのでしたら、そうなのでしょう」



「……そう言う言い方はずるいと思うぞ?」



「旦那様ほどでは御座いませんのでご容赦くださいませ」



「――むぅ」



「それで旦那様、良いところをお見せ頂けるという事で、ひそかに私は期待に胸を高鳴らせているのですが一体どのような凛々しいい――かもしれない――お姿を見せていただけるので?」



「お、おう。そう言えばそうだったな」



「お忘れだったのですか?」



「いや、そんな事はないぞ、うん」



「そうですか。では改めて旦那様、凛々しい(時もある?)お姿を見せてくださいませ」



「……何か、さっきからお前の言葉の裏に変なものを感じる気がする」



「それは旦那様の妄想でしょう。それよりも旦那様、その様な事をお仰って逃げておられずに、どのような凛々しい(?)お姿を見せて下さるおつもりなのですか?」



「ん~、そうだな、どんな、ってのは具体的に考えてなかったな。兎に角、偶には俺も良いところを見せないとダメかなって衝動にかられてさ」



「それはあれですね、日頃駄目な方が時々良い事をするとそれがとても素晴らしい事に見えるという、勘違い」



「勘違い言うな」



「ですが旦那様、一つ疑問に思っていたのですが、お尋ねしてもよろしいでしょうか?」



「んぁ? なんだ」



「先程から旦那様の良いところを見せる、と仰られてはおりますが、それは一体どなたにお見せするのですか?」



「何方って、そりゃ勿論日頃俺の子を侮ってるような奴らにだな、一発どかんと――」



「とは申しましてもここには私一人しかおりませんが?」



「……だな」



「旦那様のボーナスシーンをお見せいただけるというのでしたら、私としては喜ばしい限りなのですが……」



「お前に俺の、『やればできる子!』的な姿を見せてもなぁ」



「惚れ直すかもしれません」



「ん~……――いや、それもないな」



「なぜ、そう思われるので?」



「ふっ、何故って、お前は既に俺にメロメロだからさっ!」



「……」



「ごめんなさい何か言って下さい、じゃないと滅茶虚しいです」



「では今の私の沈黙は珍しく旦那様が的を得た発言をされたので驚いておりました……と言う事にしておきましょう」



「うん、そうしておこう。その方が俺のためだし」



「はい、ではそのように。……しかし旦那様、いくらなんでも今の発言は少々頂けないかと」



「俺もちょい無謀すぎたかなって思ってるんだから蒸し返さないでー!?」



「はい、了承いたしました、旦那様」



「……ふぅ、……いや、これじゃ駄目だ、これじゃいつもの俺と何も変わってないじゃねえか」



「いつも通りの素晴らしい旦那様です♪」



「何その溢れんばかりの作り笑顔、むかつくから止めてくれない?」



「嫌です♪ ――分かりました、では旦那様の仰る通りに」



「……わー、ギャップが激しいなぁ。相変わらず見てて何と言うか、壮観だぞ、おい」



「お褒め頂き恐悦至極に御座います」



「いや、こんないつも通りのやり取りはいいとして、本当にいい加減、俺は出来る奴だって見返さないと何か駄目な気がするんだよな。最近の周りが俺を見る目とか、完全にダメ人間とかへたれキングとか、そう言う類を見る目の奴らばっかりだし」



「違うのですか?」



「違う」



「ここに、また一つ世界の新たな一ページが、」



「いやそれどういう意味!?」



「いえ、旦那様の更生プロジェクトの始まりの記念と言いますか、」



「なに、更生って!? 俺は駄目な奴じゃないからねっ」



「知っています、そう言うのを“ツンデル”――つまりもはやどうしようもない詰みの状態であるというのですね」



「……微妙に違ってるような、合ってるような、――じゃなくて!」



「はい、ではこちらに旦那様が活躍できそうなギルドの依頼一覧をご用意しております」



「――て、仕事速いな、相変わらず」



「私と旦那様は“あ”“嫌です”の呼吸ですから」



「それを言うなら阿吽の呼吸……っと、ふむふむ、『山賊退治』に『迷い猫探し』、『伝説の件を探してっ』『国王暗殺依頼』『君も一緒に、怪盗ねこにゃんにゃ&うさぎぴょんぴょん』、他にも……て、随分とばらばらだなぁ――あと暗殺とか怪盗とかってのは一体何だ」



「判断基準は旦那様が参加されると面白ハプニングが起きそうなもの、に御座います」



「面白ハプニングて、お前基準のな」



「そうですがそれが何か問題でも?」



「お前基準で面白ハプニングと言えば俺は決まって酷い目にあう」



「旦那様、ふぁいとっ」



「無責任な応援止めぃ、と言うか既に受けさせる気満々かっ」



「と言うよりもすでに全て承っているので、キャンセルすると違約金を支払わなければなりません」



「うぉぉい!? ……と言うか、流石に暗殺とかそういうのはちょっと、」



「そちらは旦那様の独断と偏見で依頼主を懲らしめれば宜しいかと」



「ま、それもそうか。……つか、今更だがこんなのがギルドの依頼に出てるのか? それはちょっと問題な気が……」



「いえ、御心配はされぬ様。そちらは旦那様とは“別口”のギルドから承ってきたものですので」



「別口……そう言えば暗殺ギルド、なんてものも有ったりしたか?」



「はい。探し出すのに少々手間を……余りかかりませんでしたね。後はトップを捻り上げて、一網打尽でした」



「うわぁ、御愁傷様な奴らだな、とはいっても暗殺とか生業にしてるんだから自業自得と言えば自業自得か」



「それもこれも全て旦那様の我儘の所為ですっ」



「って、何で俺の我儘の所為になってるんだよ、つか俺の我儘って何だ!?」



「旦那様の、ちょっといいとこ、見てみたいっ♪」



「……なに、それ?」



「……いえ」



「流石に今のはお前でも恥ずかしかったか」



「……少々」



「まあ、取り敢えずお前が選んできてくれた依頼って言うのなら一通りこなしてみるかっ」



「流石、それでこそ旦那様です」



「じゃあ最初は……『迷い猫探し』にしよう」



「手堅いですね」



「……まあな。あ、あとこれは却下な。違約金も払わないし、依頼をする気もない」



「……怪盗には興味がないのですか?」



「俺は全身タイツになる気はねぇ」



「……残念です」



「なに、その心底残念そうなのは!? お前は俺を全身タイツのバカ野郎にして楽し……いや、お前なら楽しんでそうだよな、おい」



「はい」



「……まあいい。んじゃ、依頼主の所にでも行って、事情聞いてくるとするかっ」



「旦那様、ふぁいとっ」



「…………何か、お前の応援は裏がありそうでやる気が殺がれてく」



【潰される人々:スィーカット編】


「――あ、スィー、もう少し右にお願いね」


「了解した、……ところでライカーレよ、一つ良いか?」


「なに? ――あ、体重重いとかなら、ぶちのめすわよ?」


「いや、重いわけではないが、むしろこの程度なら軽いほどだ」


「そ、そう。……なら許す」


「そうではなくてだな、何故我らはこのような事を……木に飾りつけなどを行っているのだ?」


「うん? ああ、明日はサカラ部長の誕生日なの。だから護衛部の皆でささやかな誕生日パーティを開こうってなってね」


「ふむ、それは分かったが……では何故我はライカーレ、汝に肩車をしているのだ?」


「それは……えと」


「うむ、何故だ?」


「――どっ、どうでもいいでしょそんな事っ、それよりも次っ、次はもっと右の方だからっ、ほら早く移動しなさいよ、スィーのバカっ!!」


「……むぅ?」


【スィーカット、少し不満そうです。でもミミルッポに手を振られて期限なおす→ライカーレが不機嫌に】



日々のんびりくらりと。


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