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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
【時々晴れ編】
635/1098

 25. うえいとれす

シルファさん。シルファ・クリミナさん。

ど-200以降のレム君の被害者?

☆☆~シルファの場合~☆☆

(シルファ:元、トマトマイという町に住んでいた女の子で、ウエイトレス。覚醒したレムの二人目の犠牲者?)




「……、――よし、誰もいないな?」


「……ふぅ、もう何が何だか」


「いや、と言うか、何で俺を労うための時間で俺は逃げなきゃいけないんだ? そもそもの前提からしておかしくないかっ!?」


「――ぁ、レムさん?」


「っ!!!!」


「……えっと?」


「何だ、シルファか」


「声、かけちゃいけませんでしたか?」


「いや、そんな事はないぞ」


「その割にはなんだかすごく驚いてるみたいでしたけど……レムさん、また何かやったんですか?」


「またって……俺は別に何もしてないし、“また”も何も俺がそんな『やらかしちゃった、てへ♪』て事はほとんどないぞ」


「てへ♪とか、気持ち悪いです、レムさん」


「……ごめんなさい」


「いえ、いつも通りと言えばいつも通りのレムさんなので気にしてはいませんけど」


「それはつまり、俺はいつも気持ちが悪いということなのか?」


「そうですね、その通り……かもしれません」


「うぅ、あの優しかったシルファがこんなのに育ってしまった。一体どこで育て方を間違えたんだろ、俺」


「私、別にレムさんに育てられてませんけど」


「なら調教」


「ちょ、調教も受けてませんっ!!」


「そんな恥ずかしそうに慌てるシルファがナイスつ!」


「か、からかわないで下さい、レムさん!!」


「からかうっつーか、俺は本当の事を言っただけだけど?」


「――尚更たちが悪いですっ!! ……まったくもうっ、レムさんってばちょっとは変わったな、とか思ったけどやっぱりレムさんはレムさんなんだからっ」


「と、言うかシルファも来てたのな。その様子だと他のハカポゥとかも来てたりするのかな?」


「いえ、来たというか、急に拉致されたんですけど?」


「いや、俺をジト目で見られても困るんだが。今回の事は俺は一切かかわってないし」


「本当ですか? またいつかみたいに、急にここに引っ越せ、なんて言いませんよね?」


「……俺、そんなこと言ったの?」


「言ったじゃないですかっ! 急にスフィアに引っ越せとかって言って問答無用で私のコト店ごと拉致って! 忘れたとは言わせませんよっ!!」


「……やべぇ、記憶にないぞ」


「……」


「止めて、そんな目で俺を見ないでっ」


「……前から思ってましたけど、レムさんて本当に酷い人ですよね?」


「よく言われる。けど、俺としては酷いとは対極の人間だと思ってるつもりなんだけどなぁ」


「よく言いますよっ」


「何でかねぇ……?」


「私には大体想像がつきますけどっ」


「お、なら何で酷いとかって散々言われるのか、その原因を教えてくれ。俺も酷い酷い言われたままだと悔しいからな」


「……レムさんには無理だと思いますよ」


「なんでだよ、やってみなきゃ分からないだろうが」


「分かりますよ」


「言い切るなぁ」


「はい。これは絶対そうだって、確信があるから」


「何とも嫌な確信だ」


「そうですね。私もそう思います」


「……んで、シルファはこんな人気のないところで一人、何をしてるんだ?」


「ひ、人気のないって……」


「いや、だからって俺がシルファの事を襲うとかそういう訳じゃないけどな? ただ単に事実を言っただけだし」


「そ、そうですよね。レムさんにそんな度胸は……あったらあったで私も覚悟しなくちゃいけないし」


「ないない。それで? シルファはどうしてこんなところに?」


「ちょっと、ヒトの熱気に中てられてしまって……」


「そりゃまた御愁傷様な。と、言うかいつも接客してるんだから慣れてそうなものだけどな」


「……それとこれとは違います。大体、こんな知らない場所にいきなり連れてこられて、知ってる人って言ったらレムさんとあの銀髪のヒトし、それとマレーヌちゃんしかいないんですから」


「ん? マレーヌの事は知ってるのか?」


「あ、はい。以前から何度か会ってますし、レムさんの事とか色々教えてくれるんですよ。良い子ですよね、マレーヌちゃん」


「ああ、あいつはいい子だぞ。……まあ、目指してるモノとかは変えた方がいい気がするけど」


「目指してる? 確かマレーヌちゃんって、メイドさんになりたいとかって言ってた気がしますけど……変わった趣味ですね?」


「何でそこで俺を見る?」


「変わったご趣味ですねっ?」


「いやっ、だからどうしてそこで俺を見る!?」


「レムさんの変態」


「なんでそうなるっ!? と言うか、マレーヌに俺の事聞いたって、あいつどんな事を話したんだ……?」


「……でも、レムさんってやっぱり凄いお金持だったんですね」


「金持ち? 俺が?」


「だってそうじゃないですか。こんな大きなお屋敷にあんなにいっぱいの使用人、それに……だって私の借金を肩代わりしてくれたし」


「あー、そうだな。そういう意味じゃ金持って言えなくもないかなぁ。それなりに稼ぎはある……はずだし」


「はず?」


「俺、金には興味ないからなぁ。とりあえずそこの辺りはノータッチなわけだ。シルファも知ってるあのくすんだ銀髪の奴と、それと主計部の連中に任せてある。つか、俺がギルドとかで金稼いだとしても全額ソコに押収される。だから基本的に俺はいつも無一文です」


「レムさんらしいですね」


「今のどのあたりが俺らしいかって聞きたいのだが――止めておこう。どうせ碌な答えが返ってこない事だけは分かってるし」


「そうですね、そうかもしれませんね?」


「酷でぇなぁ」


「レムさんほどじゃありません。……でも、レムさんと話してると少しだけ落ち着きました」


「そか? そりゃよかった、けどそれならもうあの熱気とか怨念とか他にも色々と危なそうなモノが渦巻いてる感じのあの部屋に戻るのか?」


「いえ、折角ですから少しだけ、このあたりを見て回ろうと思います」


「そうか。でも一応、変なものとかには触れないように気をつけろよ? 罠とかあるかもしれないから」


「あ、はい。……と言うか流石ですね。やっぱりお金持ちともなると自分の家にも罠とか張っているんですか」


「……いや、というか、その罠って俺用だし」


「はい?」


「いやいや、何でもない。まぁどうせ俺専用にチューニングされてて、他の奴らには罠自体発動しないようにされてるだろうから大丈夫だとは思うけどな、一応念のため、変なものには触らないようにって事だけ気をつけておいてくれ」


「はい、分かりました」


「それじゃ、俺ももう少しこの辺りをうろつくつもりだから」


「? なら一緒に行きませんか?」


「いや、嬉しい提案だけどそれも悪いだろう?」


「いえ? 悪くはないですけど……そもそも悪いと思うのなら誘ってもいませんし」


「ま、それなら今回は俺の方から遠慮しておくっつーことで。俺もまあ、色々と考えてみたい事とかあるんだ」


「……あ、成程。女連れじゃ印象悪いですもんね! 納得しました」


「や、そんな納得されても……」


「それじゃ、私はレムさんのお邪魔に! お邪魔にならないようにすぐに退散させてもらいますっ。レムさんの機嫌を損ねると大変ですからね」


「……まー、気をつけろよ、シルファー」


「分かってます!!」


「……――ま、大丈夫だろ。何処かの心配性な子猫ちゃんもいるみたいだし?」




「……にゃ~」




「いや、この浮島に猫とか、普通にいないから」


「……主様に謀られた」


「謀ったつもりはない――と言うかマレーヌ、普通にシルファについて行けばいいじゃねえか。何で隠れてるんだ?」



「……追いかけてきたら、主様がいたから。だから隠れた。――主様のバカ」


「まだ気にしてるのか、さっきのコト」


「気にしてません、――主様のバカ」


「……はぁぁ、まあいっか。それじゃ、俺は行くけどシルファの事は頼んだぞ? まあ杞憂だとは思うけどな」


「任せて」


「ああ、信用してるからな、マレーヌ」


「……――が、頑張るっ」


「……あれ? 何かマレーヌの奴、さっきと同じように俺から逃げ出した様な気がするんだが、俺って今もしかして拙いことを何かしちまった? ……頭撫でるのはアウトか?」



皆、レム君の命令権を巡ってメイドさんから折檻中。

レム君は身の危険を感じて避難中……まあ、所詮は焼け石に水ですけど。

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