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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
【時々晴れ編】
632/1098

 22.ぬけがけ

ぬけがけ、ダメ。禁止?

☆☆~メイドさんの場合2~☆☆

(メイドさん:偽名いっぱい、メイドさん)




「――皆様、お待たせいたしました。それでは当選者を発表したいと思います」


「てか、いい加減これ解け」


「では発表いたします。一度きりのご主人様(仮)に選ばれた幸運な方は……あ、私ですか」


「いや待てよっ!? つかそれは明らかにインチキだろ、ペテンだろ、詐欺だろう!?」


「――と、皆様がおっしゃりたい事を代弁して頂きありがとうございます、旦那様」


「いやいやいや。大体、いくらなんでもそれはないんじゃないか? それと真面目な話、本当にお前が一度限りの御主人様とかになったら俺は逃げるぞ――本気で」


「逃げ切れる自信がおありならば、どうぞご勝手に」


「……と言うか、まさか本当にお前が、とかじゃないよな?」


「ええ。皆様の緊張を少しでも解そうとの私の私なりに気遣いです。それに私はクジを引いておりませんので」


「だよなぁ。いくらなんでも自分で言い出しておいて自分が当選とか、普通に暴動ものだぞ」


「確かにそうでございますね、旦那様。それになにより、旦那様に懇切丁寧にする“お願い事”などいつでも出来ますし」


「……何か、そのお願いという言葉に裏を感じる気がする」


「それは勘ぐり過ぎというモノでは御座いません、旦那様」


「だよな、いくらなんでもそれは勘ぐり過ぎ……――じゃ、ねえのかよ、おい!?」


「旦那様は私のお願い事をいつでも聞いて下さる、大変お優しい方ですから」


「……はて? そう言えば俺って、お前のお願いとか言うの聞いたことない気がするんだが気のせいか?」


「以心伝心、鳴かぬなら泣かせてしまえ旦那様、とはまさにこの事で御座いましょう」


「それは違う。それだけは絶対に違う、つか泣かせてしまえってのは一体何だ」


「涙ぐむ旦那様のお顔もまた……見苦しいので止めてほしいのですが?」


「自分で言いだしておいて何たる言い草かっ!! つか俺は泣いてないし、涙ぐんでもいねぇ」


「確かに今はそうですね?」


「まるで前に……つかいつも涙ぐんだり泣いたりしてるように聞こえかねないような事を言うな」


「――と、このように旦那様を堂々と弄り倒せる権利、もといご主人様(仮)の権利を得られた方を発表しようと思います」


「って、いきなりだな、おい」


「皆様方を余り待たせ過ぎてはいけないと思いまして」


「まあ、それもそうか。言う事だけは――考えることは置いておいて、言う事だけはまともだな」


「ありがとう御座います。……では発表致します。一番目に当選なさった方は――この方ですっ」




『――』




「で、誰なんだ、一体?」


「おや?」


「いや、おや? じゃないだろ」


「いえ。最初の当選者はキリル様だったのですが……ご不在でしょうか?」


「キリル? 居ないのか?」


「少々お待ちを……はい、成程。そういうことですか」


「そういうって、どういうだ?」


「キリル様は只今、少々席を外しておられるようですね。クジの方はシャルマーサ様が代わりに引かれていた様です」


「キリルがいない?」


「……旦那様がまた余計な事を仰られたのでは御座いませんか?」


「余計なことって何だよ」


「御自分では思いつけませんか?」


「ん~……?」


「キリル様は……今は厨房に篭っておられるようですね」


「厨房? さっきまでいたけど、キリルの姿は見なかったぞ?」


「厨房の……奥の方に篭っておられるようですね。音が少々聞きづらいので」


「聞きづらいって……ここから聴き耳立ててるのかよ、お前」


「はい。この場から厨房までなら、ギリギリ聞こえる範囲ですので」


「ホントに、相変わらず出鱈目な性能してるよな、お前って」


「お褒めの言葉と受け取っておきましょう」


「ああ、一応今のは褒めたつもりだぞ?」


「ありがとうございます、旦那様。……それで旦那様?」


「何だ」


「どうやらキリル様は一心不乱に、時折思い出し笑いのようなものを漏らしながらツィートルを捌いておられるようなのですが、何か心当たりは?」


「ツィートル? ――あ、そう言えば俺、食べたいって言ってたな」


「成程、それが原因ですか」


「いや、まあそれもあるかもだけどそれだけじゃないだろ? キリルはこの館の中じゃ唯一、ツィートル好きの同志だし。あいつももっと食べたくなったんじゃね?」


「殴ってよいですか、旦那様?」


「んなのは駄目にきばべっ!?」


「もし今の言葉を本気で仰られているのでしたら、問答無用で殴り倒しますよ、旦那様?」


「問答無用ではり倒してから言う言葉じゃねえだろうが、それはっ!! …………それに、今のは流石に冗談だ」


「そうですか。それでしたら良いのですが……もう二・三発ほど殴ってもよろしいですか?」


「なんでそうなるっ!?」


「いえ、皆様方がそうしたそうでしたので、私が代表として代わりに、と思いまして」


「皆様方……? って、何で皆さん、俺の事を睨んでらっしゃいますかばぶっ!!?? ミ☆」


「もうこのあたりで許してあげても宜しいのではありませんか?」


「テメェが言うなっ!? 問答無用で二度も殴りやがったテメェが言ぶべらぼぇ!!!???」


「今のはキリル様の分で御座います。そしてこれは他の方々の――」


「ちょい待ちっ! 頼むから少し待ってくれ!!」


「ですが、まだ八百回ほど残っておりますが……?」


「いや死ぬから!! お前の問答無用の拳を八百回も食らったら俺マジで死ぬから、それっ!?」


「……それで、何用で御座いましょうか旦那様? 先程から私の拳が震えて唸っている気がして扱いに困っているのですが?」


「それは絶対気の所為だ。いいから気の所為って事にしておけ」


「はぁ、……それでは旦那様、そろそろ残り九百回、殴ってもよろしいでしょうか?」


「増えてるぞ、それっ!?」


「恐らく利子ではないかと」


「そんな利子があってたまるかっ!! 」


「ではもう私念でも嫉妬でもよろしいので、殴ってよろしいですか、旦那様?」


「お前はそこまでして俺の事を殴りたいのかっ!?」


「いえ、そのような事はありません」


「きっぱりと言い切る割に、その震えてこっちに向かってきそうな左拳を何とかしてください、お願いします」


「おや、これは失礼を」


「……、ふぅ、ようやく安心で――っぉ!?」


「かわされてしまいましたか」


「流石に三発とか、黙ったまま喰らってられるかっ! つかいい加減にしやがれよ、おいっ!?」


「それもそうですね。この場は、折角皆様方が旦那様の心労を労い癒すために開いて下さった場なのですから」


「……むしろ次第に心労が溜まってきてると思うのは気のせいだろうか?」


「仕方のない旦那様で御座いますね。少しはご自重下さいませ」


「お前に言われたくねえよ!? つか心労の十五割はテメェの所為だよ!?」


「――では、キリル様は仕方が御座いませんから後に回すとしまして、では次の当選者の方を発表したいと思います」


「……て、ちょい待て」


「はい、如何なさいましたか、旦那様?」


「さっきから微妙に嫌な感じではあったのだが、“次”の当選者?」


「はい。そうですがそれが何か不都合でも?」


「不都合と言えば勝手に商品にされてること自体不都合であるのだが、まあこれは今更だしどうせいつもの事ではあるのだけどさっ!」


「はい、そうで御座いますね?」


「否定できない自分が悲しい……ではなくて。次って何だよ、次って」


「次とは、今の場合ですとつまり二番目と言う事ですが、まだ次が御座いますからその次は三番目、そしてその次は四番目、そして次は――」


「いや、次の次の次とか、一体どれくらいあるんだよ、その“次”は」


「そうですね、854回ほどでしょうか?」


「……確か、この館の総人口がそれくらいの数だった気もする」


「少なくとも今この場におられる方々全員の人数と同じでは御座いますね?」


「――それって当選とかそういう意味なくねぇ!? むしろそれは単なる順番、受付番号だろ!?」


「そう言いますね?」


「言うよ! 言いますよ!?」


「では盛り上がってきたところで次の当選者ですが――」


「だっぁぁあぁぁ、俺の話をっ、」


「テハー様で御座います」




「――え、えぇ? わた、私!!??」




「ではテハー様、こちらにおあがり下さいませ、そして旦那様になんなりと理不尽な御命令を」


「理不尽な事は決定かよ!?」


「世の中とは常に理不尽であるべきです」


「全然、あるべきじゃねえよ!?」


「ではテハー様、このアナスタシア以下の旦那様にどのような愉快痛快悦楽気楽な御命令を?」




「えとあとそのえとうんと、……」




「俺はテハーのコト、信じてるからなっ!」




「え、え、えぇぇぇ!!!???」




「旦那様、余り余計な事は仰らないように」


「なんだよ、余計なことってのは」


「御自分の首を絞めますよ?」


「首を絞める? それこそなんだよ。俺は別に変な事は言ってないぞ?」


「知らぬは本人ばかりなり、と」


「だから、一体なんだって言うんだよ」




「あのあのそのそのその、レムさ――、違う、おいソコな愚民!」




「旦那様、呼ばれておりますよ?」


「つか愚民て何だ、愚民て」


「旦那様を指す形容詞のひとつですね」


「如何にも俺の事だけを言ってるみたいに言うんじゃねえよ!?」


「愚民=旦那様。もはや常識では御座いませんか?」


「ねえよ」


「御安心を。その内、近いうちには常識になりますので」


「なって堪るかっ!!」




「ぐ、愚民! 私の話をちゃんと聞け! ……き、聞いて下さいっ!」




「ほら旦那様、呼ばれております」


「ああ、はい、分かったっての。んで、テハーは一体俺に何をお望みで? 出来ればかわいらしいお願いを希望」




「かわっ――……そ、それならですねっ!」




「おう、なんだ?」




「――けこ、結婚します!!」




「え。相手誰だよ? つか初耳だな、おい」




「まち、間違えました。……そ、それじゃあ言いなおしますけど、レム様?」




「ああ、なんだ、テハー?」




「私とけこ――」




「皆のモノ、掛かれー!!!!」


『お、おおぉぉぉぉぉぉぉぉ』


「テハーの横暴を許すな!!!」


「最初からそのお願い事はないよ、テハーちゃん」


「こんな皆の目の前でそういうことを言うなんていい度胸だよね、テハー?」


『――独断専行、許すまじ』




「……おーい、何か俺、状況において行かれてるっぽいんだが、一体どうすれば……というか一体いつまで俺は椅子の上でぐるぐる巻きにされてなきゃいけないんだよ?」


「皆様、元気があってよい事で御座います」


「で、お前は傍観なのか」


「はい、旦那様。それに――皆様方のこの様に元気にはしゃがれる姿を眺めるのはとても楽しいですから」


「……ま、確かに。――限度はあるって思いますけどねー!!!」


「そうで御座いますね。折角の旦那様がお赦しになられた無礼講ですので、あと少ししましたら私が止めに入ると致しましょう」


「そうしてくれ」


「旦那様も、余り不穏な発言を――お遊びなされぬよう」


「遊び? 何の事だ?」


「――、では、そろそろ皆様方を止めてまいります」


「ああ、つかお前にかかれば一瞬だろうけどな」


「ふふ、ありがとうございます、旦那様」



う~む、前回の、男の子のクィナ君。何処かで使った名前だよなぁと思っていたらササラーサが食べてた唐揚げの飛べない鳥と同じ名前でした。クィナ君の唐揚げて(汗)

ま、別に良いかと思ったり。


と、言う訳で一度だけご主人様権利云々は混迷を極めております?

……ど、どうしよう? 何かレム君にやらせたい事とかってありますかねぇ?

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