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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
【時々晴れ編】
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 16. ようきゅうふまん

要求不満、欲求不満と間違えてるわけじゃないです。


☆☆~ミューズの場合~☆☆

(ミューズ;医療部のミューズさん。ど-200で覚醒してしまったレム君に一番最初に口説かれた(?)お方。)



「ぁ」


「ん? ……おお、ミューズか」


「は、はい。ミューズに御座います」


「んな畏まらなくても……まあ、その節は世話になったみたいだな」


「い、いえ。そんな事は……あります、けど……」


「なーんかその辺りの記憶が曖昧なんだよな、俺。何か変な事をしてなきゃいいけど……とか思ったりするわけだけど、実際のところどうなんだ?」


「えと……どうなの、でしょうね?」


「いや、俺の方が聞いてるわけなんだが」


「いつも通りの御主人様といえば、いつも通りだった気もしますけど……その、何分私、途中で失礼させていただいたもので」


「あん? そうだったか?」


「は、はい。ですからその……御主人様の御気分を害してしまってはいないかと、その……」


「いや、俺は別に? というより、さっきも言ったがその辺りの事をよく覚えてなくてな。途中で逃げ出した、とか言ってたけど、やっぱり俺何か変なことでもしでかしたか?」


「いいえっ、いいえっ!!」


「……怪しいなぁ。具体的には俺、何をしたんだ?」


「なに、というよりもその……私の耳元でですね、こう、囁くように――『ミューズさん、とお呼びした方がいいのかな?』…………とか言ったくらいですぅ」


「なんだその程度か」


「その程度って何ですかっ、その程度って何でですかぁ!!」


「あ、いやな。お前さっき、途中で失礼とか気分を害す、なんて言ってただろ? 俺はてっきり寝込みでも襲ってしまったものかと……」


「おそ、おそそ!?」


「いやぁー、まあ冷静に考えればそれはないよな。第一、もしそうなってたとしてもあいつが止めて……いや、分からねえか。もし仮に俺が“本気で”“真面目に”誰かを襲おうとしていたとして、あいつ見て見ぬふりしそうだしなぁ」


「あの、その、っっ~~」


「ん~、なにはともあれ、その程度ならよかったよかった」


「…………そうですね。私も、普通のご主人様に戻られたようで、ホッとしました」


「まあな、あの時の俺は……って、覚えてないのに言うのも変だが、何かおかしかったし」


「……いえ、御主人様らしいと言えば御主人様らしかったと思います、けど」


「例えばどのあたり?」


「見境なく、女の人に声をかけてるところとか。……私、その被害者」


「わ、悪かったな。というか、ミューズ、もしかしてその時の事を根に持ってたりする?」


「いいえっ、御主人様に不満はありますけどそれはいつもの事ですしっ! ……根に持ったりなんてしてませんよーだ」


「……何か拗ねてる?」


「いーえっ!」


「……まあ、そういうことにしておくか」


「そういうことも何も私は拗ねてなんてませんからっ。ご主人様が……余りにいつも通りであの時の事なんて全然気にも留めてないなんて事、気にしてなんかいないもん、私」


「ん?」


「……何でもありません」


「今なにか呟いてなかったか? よく聞こえなかったんだが……?」


「こんなことばかり気にしないでくださいっ!!」


「ぉ、おぅ。何がこんな事ばかりなのかはよくわからんが、分かった。気にしないようにする」


「ぁ、……と。も、申し訳ございませんご主人様! 急に大声を出してしまって、私――」


「い、いや。それは気にしなくていいから」


「で、ですが……」


「まあまあ、堅苦しいのはなしって事にしようぜ、ミューズ。それに今は折角の飲めや歌えやのドンチャン騒ぎをしましょって時なんだから」


「あ、はい」


「どうだ、折角だからその硬い口調の方も直してみるか?」


「い、いえ。それは遠慮しておきます」


「なんだとぉ、敬愛するご主人様の命令が聞けないってのか?」


「えと、敬愛するかどうかはさておいて……そんな事はありません、けど」


「ならなんだよ、俺に対してじゃため口は嫌だいと? したくないと?」


「いえ、嫌とか、そういうことではなくてですね、あの……たとえこのような場であっても、それはご主人様に対してあまりに不遜すぎはしないものかと……」


「――不遜!」


「ひゃ!?」


「俺はいま非常に素晴らしい言葉を聞いた!」


「えと、」


「具体的にいえばこの館にいる奴らの大半に言い聞かせてやりたいような言葉。……そうだよな、やっぱりご主人様たるもの、いついかなる時でもある程度は……ある程度はっ、敬われたりしないと駄目だよな」


「そ、そうですね……?」


「なんだよぅ、歯切れの悪い」


「い、いえ。私はその、十分にご主人様は皆さんから慕われ敬われていると思いますけど?」


「……そうなの?」


「ええ、はい、まあ……私の知っている限りでは、ですけど」


「いや、ミューズって医療部だろ? 医療部って顔が広いから、知り合いって言ったらかなりの数に上るはずだけど……俺の評価って実は悪くない?」


「少なくともご主人様の悪い評価を聞いたこと、私はないですけど?」


「本当か? 俺はへたれだとか、優柔不断とか、酷い奴だとか……自分で言うのは悲しくなるからもう止めておくけど、その他色々とあったりするんじゃないのか?」


「え、それって悪口なんですか?」


「……今のが悪口じゃなかったら何だというんだよ」


「事実というか、愚痴というか、やっかみ成分が少しと……やっぱり事実? 本当の事って別に悪口じゃないですよね?」


「いや! 事実は時に人を傷つけるってっ!!」


「そうかもしれませんけど、御主人様の話題の場合は皆さん……」


「皆さん……、何!? その続きはっ!?」


「い、いえ。これは個人のプライバシーにも関係してきますし、私の口からは何とも……」


「良いから言えっ。御主人様強権を発動するぞ?」


「……ぁぅ、止めてくださいよぅ。私が皆さんから恨まれちゃいます」


「大丈夫だ、他の奴らには言わないから、ちゃんと内緒にしておくから、な?」


「……もう既に周りの皆さんから注目の的だってことに気づいています、ご主人様?」


「お? おぉう、本当だ。でも何故に?」


「そんなのご主人様がいらっしゃるからに決まってるじゃないですかぁ……」


「俺が?」


「そうですよ。ご主人様がいるって言うのに皆さんから注目が集まらないはずがないじゃないですか」


「……あれ、もしかして俺って結構人気モノ?」


「何を今更」


「え!? それって今更なのか!?」


「え、そうですけど……本当に御存じなかったんですか?」


「いや初耳だよ、ってか初耳も良いところだよっ!!」


「だって、ご主人様の近くにはいつもお姉様がいらっしゃいますし、それにご主人様の行動一つ一つにお姉様が関わっている事が多いですし、ご主人様が知ってるってことはお姉様が知っていらっしゃるのと同義ですし、それにですよ、」


「――ゃ、ちょっと待て、ミューズ。ちょっと待ってくださいよ?」


「はい? 何でしょうか」


「それって、今聞いてる限りじゃ俺が人気あるんじゃなくて、俺の傍にあいつがいるからこそ自然と俺に注目が集まってるとか、そういう風に聞こえるんだが?」


「……あぁ、成程!」


「成程じゃないよ!? 俺が人気モノなのとあいつが原因で俺が注目されるのじゃ意味が違いすぎるってのっ!!」


「……そうでもないと思いますけど」


「いや、そうなんだよ。くそっ、ぬか喜びかよ。……無駄に喜んだりして損した気分だ」


「いえ、今のはご主人様が私の話を途中で……まぁそういうところも御主人様らしいんですけどね」


「ちぇー。……それでさ、ミューズは今日のこのお祭り騒ぎ、ちゃんと楽しめてるか?」


「はい、それはもう。今もこうしてご主人様とお話しさせていただいていますし」


「はいはい、お世辞はもういいですよーだ。どうせ俺なんてあいつのおまけ品みたいなものだし?」


「もうっ、拗ねないでくださいよ」


「捨ててなんかない」


「私の所為でご主人様が機嫌を損ねられた、なんて事があったりすると後が酷いんですから……お願いしますから機嫌を直してくださいよ?」


「……条件によっては機嫌を直してやらない事もない」


「……、なっ!? 何なんでしょうかその条件というのは? まさか、破廉恥な事とかじゃないですよね? ……そう言えばご主人様、始まって早々サカラさんの胸をもんでいたって噂が……」


「もうそんな噂が広まってるのか。怖いな、おい」


「その噂って、本当なんですか?」


「まあ、一応」


「――!」


「止めてっ!? その胸を隠して、無言で後ろに下がるのは止めてっ!?」


「でも御主人様、きっと破廉恥な事を要求してきますし……」


「何故に確定!?」


「それはご主人様ですし、私としてはやっぱり、サカラさんみたいに晒しモノにされるのは勘弁ですけど、でもそうじゃなかったら……って」


「いやな? だからどうして俺が破廉恥な要求をすることが確定してる、みたいに話を進めてるんだよ。……まさかミューズ、そういう欲求があったり?」


「そそそそんなわけあるはずがないじゃないですかっ!! お姉様がご主人様に従順べっとりラブラブになるくらいあり得ない事ですっ!!」


「……いや、今ミューズが言った内容だと、実は既にその通り、のような気がしないでもないんだが……?」


「そ、それでご主人様のえっちな要求っていったい何なんですか?」


「既に涙目だな、ミューズ。……って言っても俺の要求ねぇ、んな大層なものじゃないんだが――」


「つ、ついに身体を差し出せとそういうことなんですかっ!?」


「だから何故にそうなる。……本当に欲求不満なんじゃないのか、ミューズと言わずにお前ら全員」


「~~っっ!! ご主人様のえっち!!!!」


「……やー、今の場合悪いのって俺じゃないだろ? 俺じゃないよな?」


「もう良いですっ、身体を差し出せばいいんですねっ! 脱ぐんですかっ、ここで全部脱いじゃえばいいんですかぁ!!」


「やるならやるで、俺は止めないでおこうと思う」


「止めてくださいよっ、恥ずかしいじゃないですかっ!!!!」


「……いや、ミューズが自分で言ってることだろ。それを逆切れされても」


「……ぅ、うぅ、ご主人様ってやっぱり噂通りに酷いお方だったんですね。私たちはどうせ弄ばれて捨てられる運命なんですね……」


「忙しいなぁ。……俺としては、ちょっとミューズのお勧めの料理を一つでも教えてもらえればいいかな、程度に考えてたわけだが――」


「そういう事はもっと早く言ってくださいよっ!? 私思いっきり恥をかいちゃったじゃないですかっ!!!!」


「……どう見ても自業自得だろうが、そりゃ」


「うぅ、うぅぅ、やっぱりご主人様は酷いきちくにゃろうです」


「まあ、もうそれで言いや。んで、ミューズのお勧めの奴ってあるか?」


「……」


「おーい、聞こえてますかー?」


「……あっちの、赤いソースのかかった青身の焼き魚、です。さっぱりしてて美味しかった」


「お、そうか。なら俺もちょっともらいに行こうかな、っと。んでミューズはどうする? ついてくるか?」


「……少し、放っておいて下さい、ご主人様」


「そうか。ならまあ少し放っておくが……ま、余り気にしない事だな。欲求不満なんてよくあることだし。気にしすぎても仕方ないぞ?」


「だから、欲求不満じゃ、ないですよぅぅ」


「そうなのか? ま、それじゃ誤解とかその辺をお互いに解くのはもう少し頭が冷えて落ち着いてからにするか」


「……はい、そうします」


「んじゃ、ミューズ、また後でなー」


「はい、ご主人様。また後で……、……――あぁもうっ、ご主人様ってば折角の私の覚悟をさらりとっ、酷い、酷いっ、酷いっ!!!!」


もうそろそろ館の住人たちは全員で終わるかなー?

流石に飽きてきた、のであと少しで招かれたお客(?)の方々の出番になるのかなー?

……さて、誰が招かれているんでしょうか。悩むところです。


と、いうことでお祭り開催中。

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