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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
【時々晴れ編】
618/1098

 08. わりぃ子いねぇかぁ

悪女?

☆☆~カラオーヌの場合~☆☆

(カラオーヌ:被服部。服作るの大好きな人。人形も良く作る。一度作り始めるとずっと作ってる人。)




「よっ、カラオーヌ、楽しんでるかっ!」


「レム様? 何か目が赤いですけど、どうかしました?」


「……深く追求するな。ちょっとだけ、本当に少しだけ俺ってこのままで大丈夫なのかな、とかって本気で心配して鬱に入ってただけだから。お陰で世界の存亡とか人としての理想的な未来の在り方とか、紳士として、男としてどうあるべきかを真剣に悩んだりとかしたくらいだから」


「つまりいつものレム様ですね!」


「……そういうことにしておこう」


「それでレム様、どうかなされたんですか?」


「別に如何ってわけじゃないんだけどな。ただ皆、ちゃんと楽しんでるかねーという感じで色々と話しかけてみてるってだけだ」


「つまりナンパさんですか?」


「違う。どこをどう取ったらそう聞こえるんだよ」


「何時ものレム様の行動と、今おっしゃられた言葉の内容、あとは謂れのない誹謗と中傷? でしょうか」


「日頃の俺のない事尽くめの噂とかを誹謗とか中傷ってちゃんと分かってくれてるのは非常にありがたいんだが、それで今の結論に辿り着くあたり、やっぱり分かってくれてないと思う」


「そんなこと、ないと思いますけど?」


「なら聞くけど、カラオーヌが持ってる俺の印象って?」


「へたれ?」


「……その理由を問おう」


「だってレム様、えっちぃ事を要求したり強要したり強制したり懇願したり平伏したり土下座をしてこないじゃないですか」


「俺は紳士だからな」


「自称ですよね?」


「……少なくとも他人から言われた覚えはないなぁ」


「なら自称紳士さんですね」


「カラオーヌよ、お前、俺に悪意でもあるのか?」


「悪意? いいえ、あるはずないじゃないですか。レム様は私の大好きなことをさせてくれる、とっても都合のいいご主人様ですよ?」


「……都合の良い」


「あ、間違えました。とっても素敵なご主人様ですよっ♪」


「……うん、今度からは言い間違えたりしないように気をつけような?」


「はいっ♪」


「その悪意のなさそうな笑顔が眩しいぜ」


「そうですか? えへへ」


「褒めてない。今のは褒めてませんよー?」


「えー、レム様のいじわるっ」


「どちらかと云えばお前たちの無自覚の言葉の刃とかの方がよほど酷いと思う」


「大丈夫ですっ、きっと皆、その言葉の刃の八割くらいはちゃんと自覚してますからっ!」


「なお悪いわっ!! ……つか、自覚してるとな?」


「はい、そうですよ?」


「……ためしに聞くが、今の俺との会話で、どんなのがその自覚のある言葉の刃だったりする?」


「えっと、都合のいいご主人様?」


「……、つまりあれか、言い間違えたとかじゃなくて、ワザと言い間違えたと?」


「え、当然じゃないですか。流石に本音と建前はわきまえてますよ」


「本音、建前……ね」


「それにですよ? その方がレム様がお悦びになられるって、お姉様が教えてくれましたから間違えありません」


「それ違うっ、それ違うよーっ!!??」


「ふふっ、存じております」


「……悪女だ、ここに悪女がいる」


「私なんてまだ可愛いものだと思いますけど?」


「――今、多分俺は聞かない方がよかった言葉を聞いたと思う」


「大丈夫ですよ、レム様はみなさんから愛されていますからっ」


「愛でる愛とか甘える愛はいいけど弄る愛は止めてっ!?」


「むー、それはちょっと難しいかもしれませんね」


「なんでだよ!? つか、それは団体さんだと愛じゃなくてイジメになるって知ってますかっ!? イジメ、恰好悪い!!!!」


「あははっ、今のレム様よりは恰好悪くないと思いますよ?」


「うぐっ」


「あ、ちなみに今のは言葉の刃第二弾ですけど、効いてます? ちゃんと効いてます?」


「その俺に尋ねてくるあたりが余計に立ち悪いですねっ!!」


「……やたっ♪」


「その可愛いガッツポーズに、一瞬全てを許しそうになった俺が憎い」


「全部許してくれるんですか? さすがレム様です」


「いや、まだ許すとは言ってないから」


「でも……今日って無礼講、なんですよね?」


「まあ、そうだな」


「ならちょっとした失礼だってお茶目ですんじゃうんですよねっ♪」


「……そうともいう、かもしれない」


「やたっ♪」


「……うん、何か、カラオーヌのその心底嬉しそうな笑顔見てるとどうでもいいかって気になってきた」


「え、……本当にですか?」


「ま、無礼講って言ったのは俺だし。それにカラオーヌが言ったとおり、この程度の言葉の悪戯なんてまだまだ可愛いものだからな。あいつに比べれば全然……、……やっぱりさ、肉体と精神の同時攻撃ってよくないと俺は思うんだよ、しかも致死レベルの」


「そうですね。それはさすがに私もどうかと思いますけど……」


「だろうっ!?」


「でもレム様ですから大丈夫ですよ」


「何、その無意味な信頼!?」


「お姉様だってきっとレム様の事を心から信頼しているからこその、ちょっとした悪戯だと思いますよ?」


「あれはちょっととかいうレベルじゃないけどな。……まあ、あいつが俺に全幅の信頼を寄せてくれてるって言うのは分かってるさ。……お願いですからもう少し俺の耐久力とかその辺りを疑ってほしい、もしくは過小評価してほしいけどな」


「お姉様に限って見誤ることはないと思いますよ?」


「……その通りだとも。いつもいつも、俺がたえきれそうなギリギリのところばかり狙いやがって。俺は断じて虐められて追い込まれて喜ぶ趣向を持っちゃいねえ」


「そうなんですか?」


「その心底不思議そうなのって、さっき言ってた言葉の刃であって、断じて素の質問じゃないよな、カラオーヌ?」


「……、当然ですよ?」


「……、……、……信じよう」


「わー、だからレム様って都合がよくて大好きですっ」


「さてカラオーヌ、お前が悪女だろうが良女だろうが……うん、子供っぽいとか卑怯とか、色々あるけど俺の方にとっておきの手札があるのは分かってるよな?」


「手札ですか?」


「テメエいい加減にしないと裁縫道具取り上げるぞこら」


「な――」


「ふふんっ、どうだ。これでどっちの立場が上かってことがよく分か――」


「レム様なんてコト言うんですかっ、私に死ねと!?」


「いや、別にそこまではいってない……」


「同じことですっ、私から裁縫道具を取り上げるなんて、そんな、そんな……、? ――はっ、まさかレム様!!」


「うん。多分、違うと言っておこう」


「つ、ついにえっちぃ事をされちゃうんですか、わたし!?」


「よし、それ誤解」


「……よ、よぉしっ、ほんのちょっと、ほんのちょっとだったら許しちゃいます!」


「だから違うと言ってるだろうが」


「て、手を繋ぐくらいなら……」


「いや全然えっちくないし、それ!」


「こ、これ以上ですかっ!?」


「いや、これ以上も何も。手を繋ぐぐらいだったら、ほら」


「ひゃんっ!?」


「普通にできるし、普通にしてるだろ。それを何を今更」


「ひゃひゃひゃひゃひゅひゃひゃひゃ!?(れれれレム様ぁ!?)」


「……いや、なんだよ?」


「ててて、手ぇ! 手を握ってます!!」


「まあ、確かに」


「……――ふぁ?」


「――って、ちょ、おいカラオーヌ!!」


「……こ、こひがぬけまひは」


「おいおい、腰が抜けたって……たかが手を握る程度がそんなに刺激が強かったのか?」


「だっへたっへ、手、にひられふのなんへはひへへへ(だってだって、手、握られるのなんて初めてで……)」


「いやいや。流石にそれはない……よな?」


「わは、わたひ、ひとがだへへ……」


「は? 人が駄目ってどういう――」


「きゅぅぅ」


「って、おい、カラオーヌ!」


「……」


「気絶してやがるよ。けどたかが手を握った程度で顔真っ赤にさせて気絶って……って、ちょっと待て? そう言えばカラオーヌが誰かに触ってるところって見たところあったか?」


「……」


「服、渡しに来るのはいつも別の奴だし、思い起こしみると一度もないような……今思えば俺とも微妙に距離とってたような気がするぞ? もしかしなくてもこいつ、超ド級の初心うぶ?」


「……」


「まあ、過ぎたものは仕方ない。とりあえず部屋……は、せっかくのお祭り騒ぎだってのに可哀想だし、そこらのソファーにでも寝かせておくか。よっ……と」





『――!!!!』





「……ん? 今、誰かに見られてたような……、気のせいか? ま、良いか。しっかしカラオーヌの奴、手を握って気絶してたんじゃ、このお姫様だっこ、されてるって気づいたら死ぬんじゃないか、もしかして」


基本的に、館には免疫の少ない子が多い。周り女の子ばかりですから。

と、いう訳でお祭り継続中。

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