03. かわいいものれんめー
可愛いは正義……ではないっ!
☆☆~アレクセ&シャチューの場合~☆☆
(アレクセ:護衛部副長。性格、結構おおざっぱで可愛いもの大・好き)
(シャチュー:清掃部。レムの花壇とか、飛竜のお世話をしている娘)
「アレクセ、それにシャチューか。珍しい組み合わせだな」
「そうでもないですよ、レム様?」
「二人は仲良しです」
「そうなのか? なんつーか、接点がないような気がするのだが」
「接点ならありますよ。ね、アレクセさん」
「うん。――同志!」
「同志、ですよねっ!」
「何の同志だ?」
「ちなみにマイチェは名誉顧問です」
「マイチェって、また随分と外れた名前が出てきたな」
「そう。レム様が胸を揉みしだこうと狙っているマイチェです」
「や、やっぱりあの噂は本当だった――」
「違ぇよ。アレクセ、それとシャチューも。それは完全な誤解だ。信じるな」
「レム様、嘘を吐くのはよくないです」
「そうですよ、ご主人さま。嘘はよくないです」
「……端から信じる気がないのね、お前ら。つか、俺はそこまで信用がないのか?」
「そういう訳じゃない。今のレム様の事は信用しています」
「はい。私も昼のご主人さまはちゃんと信用してます!」
「……何、そのまるで夜の俺は全く信用できませんって物言いは?」
「「そんな事ないですよ?」」
「お前ら二人とも。欠片でも今言った事を信じてるなら俺の方をちゃんと見て、もう一度同じ事を言ってみろ」
「ちなみにシャチューは毎日身体を綺麗にしています」
「それは――」
「レム様がいつ訪ねてきてもいいように?」
「~~っっ」
「ふむ、今のは聞き捨てならない会話だったな。詳しく話してもらおうか、アレクセ」
「なんなりと」
「って、アレクセさん!! ご主人さまに誤解しか与えないような言い方は止めてくださいよ!?」
「誤解って何の事ですか? ……ふふっ」
「ちょ、アレクセさん分かってて言ってるでしょ!? ご主人さまが勘違いしたらどうするのですかっ!?」
「心配いらないんじゃない? きっとレム様が受け止めてくれる」
「ああ、どんと来いだ!」
「いやあぁぁぁぁぁぁぁ……」
「走って逃げだすとは失礼な奴だな、おい」
「ちなみにレム様、シャチューが毎晩身体を洗ってるのは――」
「ああ、アダムとイブの世話をしてるからだろ? それくらい分かってるって」
「レム様って、やっぱりあくどいですよね?」
「いやぁ~、あいつには負けるけどな」
「ルトフ様……、お姉様の事?」
「そう。まああいつの陰険さには誰も勝てないか」
「それも愛の形だってお姉様はいつも仰ってます」
「可能ならお前に代わってやってもいいんだぞ?」
「一日、だけならいいかも」
「……冗談だ。それと仮に機会があっても止めておけ。まず耐えきれないから」
「残念」
「それよりもアレクセとシャチュー、それにマイチェと。護衛部、清掃部、被服部って本当に何の接点だ?」
「それは内緒です」
「なんだ、内緒なのか?」
「はい」
「ちなみにマイチェの奴、最近ぬいぐるみ作りに凝ってるそうだけどそれと何か関係は?」
「あります」
「あるのか、ってそれは隠さなくてもいいのか?」
「……まぁ良いや」
「本人がそう言ってるならいいのか。んじゃ、最近アレクセの部屋にぬいぐるみが増えて邪魔だって嘆願書が来てた事と関係は?」
「……マレーヌ?」
「いや、違う。苦情を出したのは隣の部屋のシャーマルだったな。と、言うよりも隣の部屋から苦情がくるってどれだけ多いんだよ、そのぬいぐるみ」
「んー、軽く100体くらい?」
「ちなみに大きさはどの程度だ? 手のひらサイズとか?」
「ううん。スヘミア様くらいの大きさ」
「小さっ……いや待て、ぬいぐるみならでかいのか、てかでかすぎだろ、それは。生活する空間ちゃんと空いてるのか?」
「寝る事は出来てます」
「……よくマレーヌから苦情が来てないなぁ」
「レム様、可愛いものは正義! なのです」
「……あ、そう」
「はい!」
「んじゃ、俺はもうそろそろ行くけど、今日は存分に楽しめよ?」
「はい。……私はシャチューを探さないと」
「さっき、思いっきり逃げて行ったもんな」
「それじゃあ、レム様。また後で、です」
「ああ、じゃあまた後でなー」
おまつりちゅー。
あとネタも何かあれば?
……野郎どもの宴、とかは結構楽しそう?
思案中。