ど-396. 一 つの風景
何の堕ちもない、いたって普通の一場面、朝の風景?
「……とらいあんぐる」
「お早う御座います、旦那様。そしてそれはどういう意味でしょうか?」
「いや、何か変な夢を見た。参画っぽい何かが色々とフワフワと浮かんでて、よく分からん夢」
「それだけでは私にもよく意味の分からないお話なのですが?」
「俺にだって良く分からん。つか、所詮夢の話だし。意味なんてないだろ」
「旦那様と一緒ですね?」
「違う。……と、お前と話してると目が覚め易いなぁ」
「お褒め頂きありがとうございます、旦那様」
「別に褒めては……まあこの場合は褒め言葉になってるのか? まあ、取り敢えずおはよう」
「はい、お早う御座います、旦那様」
「所で今は……って、結構時間ぎりぎりだな、おい」
「余りに旦那様の寝顔が可愛いので起こしませんでした」
「何故そこで偉そうに胸張ってやがる?」
「いえ、意味は御座いませんが?」
「そうか。……てか、毎朝そうだけど、俺を起こす気がないなら何でわざわざ俺の部屋まで着て、俺が起きる時には目の前に居る訳?」
「私が旦那様のお傍に居る、その事に理由は一つ以外に御座いません」
「……で、その一つって?」
「――愛です」
「あ、そ。んじゃ、ちょっくら準備するから、その間に朝食の準備頼むわ」
「はい、旦那様。かしこまりました」
済みません、本日はちょっと寝過ごしたとの事でした。
にっき・十八日目
【空が黄色いと今日初めて知った。あいつに聞くと単なる寝不足らしい。
早く寝た方がいいな、うん。もう寝よう】