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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん vs ご主人様
601/1098

Act XX. 『静鎮』-1

ちょっと休憩。


紅い子が蒼い子に冷たい態度なのはデフォルトです。変更不可。



真っ赤な少女がお伴の飛竜に乗って空を飛んでいた時、それは起きた。




「好きだ、前世の頃より愛している、結婚してくれ、子供は多い方が良い、幸せな家庭を築こう!!」



「……うむ?」




以上、ほんの一瞬の出来事だったという。





「ルル、今のは何でしょうね?」



キュゥゥ?



「青いのが落っこちていきました」



キュルルッ



「そうですね。何となく関わり合いになっちゃダメな気がするので気にせず行きましょう」



キュウ!



「さあ、れっつごー、ルル!」




――と、言うことがあったのが三日前の出来事。





◇◇◇




「好きだ、前世の頃より愛している、結婚してくれ、子供は多い方が良い、二人一緒に幸せな家庭を築こう!!」




全く同じセリフを赤い少女は、目の前の青い少年から聞かされていた。


それは蒼い瞳と蒼い髪の色をした、年の頃は互いに同じくらい――かもしれないのでロリコン……でもない、かもしれないと思いたいくらいの少年だった。見様によっては――見様に依らずとも、百人の女の子がいれば百人ともが頬を赤らめて好意をもつであろうほどのハンサムに見えるのだから残念で仕方ない。


むしろ神の不公平だろう。




「お断りします誰が貴方などとうざいです只管うざいだけですむしろ……うむ? どちらさまでしょう?」



「俺? 俺か? 俺はマハラヤ村の――」



「やっぱりいいです。興味がないですし、何より聞いちゃダメな気がします」



「いやそんな事言うなって! 生物みな兄妹って言うじゃないかっ!! だから俺たちの間に壁なんて必要――ないだろう?」



「貴方は何を言ってるんですかやはり馬鹿は一度死んでもバァコォですか……うむ? さっきから不思議な気持ちが湧きあがってくる気がします」



「それはきっと、運命の二人を祝福した胸の高鳴りさっ。愛しの君よ」



「それはないのです」



「そんなつれない所も、素敵だ。ああ、それに君は――……まるで女神の様じゃないか」



「私は女神じゃないのです。何処にでもいるようなただのシャトゥルヌーメです」



「そうかっ、愛しの君はシャトゥルヌーメって言うのかっ!! あぁ、なんて君に合った、可憐で素敵な名前名なんだろう、シャトゥルヌーメ!!」



「私の名前を口にするな寧ろ見る事もするなついでに私の視界に入るな寧ろ息するな……うむ? 何となく、今なら何だってできそうな気がするのです」



「ちなみに俺はクゥワって言うんだ、君の未来の夫さっ、よろしくなっ!!」



「夫言うな、この虫けら。それに何処かの駄神と同じ名前なんてヒトとして既に終わってますね……うむ? 私もヒトじゃないのです?」



「と、ところでさ。さっきの俺の返事、聞かせてくれないかな?」



「返事?」



「あ、ああ。結婚してくれ、って言う……あぁ、聞かなくても無論オッケーだって言うのは分かるんだけどな、やっぱりシャトゥルヌーメの口から直接聞きたいって言うか、その愛らしい声をもっと俺に聞かせて欲しいというか、……ほら、分かるだろう?」









「きっとこれは関わっちゃダメな人種なので行きましょうか、ルル?」



キュキュ!!




「あ、どこに行くんだ、シャトゥルヌーメ」



「私の名前を気安く呼ぶな、なの。何処に行くかと聞かれれば当然貴方のいないどこかです」



「トイレ……いやいや、無粋だな。――ああ、俺に見られるのはちょっと恥ずかしいんだな。分かった、何も言うまい。俺はココで待ってるよ」



「出来れば一生待ってて、干からびて下さい――世界の為に」



「早く帰って来てくれよっ!」




――と、言うことがあったのが半日ほど前の出来事。





◇◇◇





「好きだ、前世の頃より愛している、結婚してくれ、子供は多い方が良い、二人一緒に幸せな家庭を築こう!!」




――現在、三度目のバカを見た。




「ルル、次はどこに行きましょうか?」



キュ?



「待ってくれ、俺はどうやら、本当に君に惚れてしまったみたいなんだ。君じゃないと駄目なんだ!!」



「うむ、きっと空耳です。気にせず行きましょう」



キュゥゥ



「寝ても覚めても君の事ばかりを考えてしまう。ああ、俺のシャトゥルヌーメは今どこで何をしているのだろうか、」



「“俺の”とか言わないで下さい。それと気安く名前呼ぶな、このクズ。どちらかと言えば私はレムのモノです。……うむ? どちらかと言えばレムが私のものです?」



「そんな時に君に会った。もうこれは運命って呼ぶしかないだろう? 二人の運命が俺たちを引き合わせてくれているんだよ!!」



「……うっかり答えてしまいました。失敗です」



キュゥゥ~




「――しかし、何だろうな? その“レム”って名前を聞いてると、こう、胸のあたりがすっごくむかむかと、殺意が湧いてくるな。……むしろ殺すか、世界の安定の為に」





「――あの子を殺すとか口にしました? 生涯身動きの取れない、素敵な目に遭わせますよ?」





「ああ、シャトゥルヌーメ、そんな凛々しい表情も似合っていて、そんな表情を向けられて俺はどうすればいいんだっ!?」



「私の視界から消えて二度と映らないで日陰を生きて下さい、なの」



「むしろ俺はどうしたいんだ? ……ふっ、そんな事は初めから決まっているか。さあシャトゥルヌーメ、結婚しようか」



「私、まだ四歳です」



「歳の差なんて関係ないっ。俺は出逢う前から、ずっと君にフォーリンラヴさっ♪」



「私は遭う前から貴方にだけは遭いたくないって思ってました……うむ? とにかく結婚は嫌なのです。むしろ私の貞操はレムのモノなので誰にもあげる気はありません」



「……また“レム”とかいう奴か。そいつが、俺とシャトゥルヌーメの深い深い愛の間を邪魔する空気の読めない奴なんだな」



「むしろ空気が読めないのは貴方、大人しく私とレムの色んな大切なモノを奪い奪い合う関係を祝福していてくださいませ?」



「……“レム”、ね。――あぁ、やっぱり殺るか、そいつ」



「――二度も、あの子を殺す、とか言いましたか、その口は?」



「……うん?」




空気が、ざわつき変わる。




「……いま、必“滅”の――≪Crow――殺ぎ堕とせ≫」

「【蒼天に刻め――】」




次の瞬間、開いていた二人の距離は互いにゼロになっていた。


片や紅い爪が伸びた少女。片やその爪をわしづかみにしているナニか巨大な蒼い手の平。そして赤い少女の手首を握り、腰を抱き、まるでを物語の一場面の様に抱き留めている蒼い少年。




「――運の良い」



「……、思ったよりも手が早いんだな、シャトゥルヌーメ」



「……うむ?」



「でも、そんな君を受け詰めると言うのも男として器の――」



「な、何をするのですかこの無礼者っ!! 我はレムだけの我なのですっ!!」



「ふふっ、この体勢で他の男の事なんて、君も随分と無粋――」



「今、必堕あと略――『ブレイカァァァ』」



「っ、ぅぉ……」



「そして連堕のぉぉぉぉぉ――」



「ちょ、ちょい待」



「『ふぁ、い、な、るぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・あぱかっ』!!」




――新星が生まれたとかなんとか。




◇◇◇




「行くのですっ、ルル ぷんすかぷんっ!!」



キュ!!



久しぶりのシャトゥの必堕技紹介。……108個、全部出せるのか!?



『ブ――――レイカァァァ』

シャトゥ、108の必堕(ひつだ)技の一つ。必ずオチる技、と書いて必堕技。

正式名称、ブレイカー。んで、名称を言う際の溜めは必須。

ブレイカーを落とす。すると皆の意識が堕ちて一瞬で気絶者多数。派手な予備動作がないので一番早く技が発動するので使い勝手がいいらしい。



『ふぁ、い、な、るぅぅぅ・あぱかっ』

シャトゥ、108の必堕ひつだ技の一つ。必ずオチる技、と書いて必堕技。

正しい発音は『ファイナル・アッパーカット』。ファイナルの部分の溜めは必須。

『しゅーてぃんぐすたー・なこぉ』の上位技で超神速をさらに超える神速でアッパーを繰り出す、予備動作すら見せない神業。……まあ神様が使ってる(?)技だけれど。

喰らうと新しいお星様になったり、地上に戻ってきたとき(当然無傷)浦島太郎気分を味わったりする可能性があるらしい。

ついでに技名を声高らかに叫んでいる間は何故か相手は神的な力か何かの影響で身動きが取れなくなるらしい。絶好の良い的。相も変わらず、何と悪劣な技か。


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