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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん vs ご主人様
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39. どれいと懲りないヒト達


~これまでのあらすじ~

なんか大国間の戦争って話もありましたけど、それは置いておいて。

“巫女”さんとかいう偉いヒトの着替えを覗いちゃったり、知り合いの根暗おねーさんに掴まって殺されそうになったりといつも通り(?)のレム君。そして今、元の大蛇の姿に戻った邪神フェイドコトミーちゃんに神殿を蹂躙される中、見て見ぬふりして逃げ出そうとしているところ。


スヘミア・・・点睛の魔女と呼ばれる、世界でも片手に入るほどの強者。でも外見、ロリ。フレンドリィ~

レアリア・・・不幸にもレム君に奴隷にされた女の子。色色としがらみがあるそうですが、まあ小さい事。


ミドガルド・・・愛称ミーちゃん、通称邪神フェイド。スヘミアのペットの大蛇。大喰らい。


シンカ・・・レムくんが着替えを覗いた“巫女”さん。白と赤のコンスラクト。どこかの根暗お姉さんの妹でもあるらしい。

アルーシア・・・愛称アル。本名不明の喋る事の出来ない女の子。何を考えているかも最近では不明です。……いや、最初からか?



「……、あれ?」



「? レアリア、急に立ち止まってどうかしたの?」



「……あの、スヘミアさん。私、今気づいたんだけどちょっと良いですか?」



「何かな? それと私の事はもっとフレンドリーにスヘミアちゃんって親愛を込めた呼び方で良いんだよ?」



「それは遠慮しておきます」



「ちぇー」



「それよりもスヘミアさん。もしかしてもしかしなくともなんですけど、」



「うん?」



「……アルーシア、知りません?」



「――、あるーしあ?」



「スヘミアさん?」



「……あの子の名前、アルーシアって言うの?」



「そうですけど……それが何か?」



「あの容姿で、名前がアルーシア? ……はは、ちょっとできすぎなんじゃないかなぁ、それは」



「?」



「……ねえ、レアリア。一つ確認しておきたいんだけど」



「はい?」



「君と……それとあの子、アルーシア。もしかして、レム兄様の知り合いだったりする?」



「レムと言う男は知っていますが、それがスヘミアさんの言っている“レム兄様”なのかどうかは……」



「――……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」



「す、スヘミアさん?」



「あのね、レアリア。多分、十中八九、それレム兄様だから。うん、間違いないね、絶対」



「絶対って……そういえばあいつ、あの“灼眼の剣士”とも知り合いだったし、一体どれだけ顔が広いのよ」



「あぁ、ラライちゃんね。ラライちゃんとも知り合いって言うのならそれは間違いなく、レム兄様だなぁ、……確定」



「……はぁ、それで、あのレムがスヘミアさんの言っている“レム兄様”ってのは判りましたが、信じたくないけど、それがどうかしたんですか?」



「うん、そうだね。一つだけ確かなことがあるとすればそれは――」



「それは?」



「アルーシア――あの子を探し出して、聞かなきゃいけないことが一つできちゃったみたい」



「アルーシアに?」



「うん、そう」



「でもあの子、喋れませんけど?」



「……それ、本当かなぁ?」



「? どういう意味ですか?」



「喋れないのか、喋らないのか、それとも喋ろうとしていないのか喋ると言う事すら知らないのか……一概に喋らないって言ってもいろんな理由が考えられるって事」



「……はぁ?」



「兎に角、いま重要なのは迷子になっちゃったっぽいあの子を探す事っ。それが一番だねっ」



「そうですね。……まったく、アルってば何処に行っちゃったのかしら。今まではこんな事……って、あぁ、そう言えばいっつもレムの奴が手を繋いでたのよねぇ」




◇◆◇




「ぶぇくしゅっ!?」



アアアアアアアアアアアアアアアア



「うぅ、医者の不養生か? いや、別に医者じゃないけど」



ァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアア



「ぅお、まだ追ってくる追ってくる……って、いい加減俺を追いかけてくるのは止めてくれないか、ミーちゃん! 囮になれとか、酷い事言ったのは謝るからさぁ!!」



ァァァァァァアアアアアアアアア



「ちっ、聞いちゃくれない。鬼ごっこか何かで本人としちゃじゃれついてる程度だろうが……自分の図体考えようぜ、ミーちゃん」



アアアアアアアアアア



「……はぁぁ、ミーちゃんが壊してるこの神殿、どうすっかなぁ? 弁償――は無理だし、知らぬ存ぜぬってのも後味悪いしなぁ。何かいい手は……」



ア、ァァァアアアアアアアアアアアア






「じゃ、邪神フェイド!! 神聖なる神殿でのこれ以上の狼藉はゆる、赦しませんっ!!」





「……ん?」



アアアアアア



「アレは……顔隠しちゃいるけど、つかあれが巫女の正装か? 多分シンカだよな、あれって」



アアアアアアア



「まあ何とも勇ましい。つか微笑ましいのな。足震えて怖がってるけど、健気に頑張っちゃって」



アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア



「――って、ちょい待てミーちゃん!? お前にじゃれつかれて無事な奴はそうはいないって。おいシンカ、さっさとそこから逃げろっ!!」





「くく、来るなら来なさいっ。私が成ば、成敗――きゃあああああ!!!???」





「――ったく、仕方ねえなぁ。こう言う時こそ、この転移石の出番ってなっ!! っし、華麗な王子様の救出劇――待ってろ、シンカ!!」



ァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアア





◇◇◇




「嫌っ、やだっ、止めて来ないでっ!」



「ミーちゃん、置いて来ちゃったけど、まぁ大丈夫だよな、きっと」



「くく来るなぁぁ、……でっ、でもわた、わたしが姉さんの代わりにこの神殿を守っ」



「……落ち着け、シンカ」



「いやああああああああああ……ぁ?」



「落ち着いたか、シンカ?」



「あ、あなたは確か――」



「名乗るほどのモノでもない、しがない正義の味方だ。今はそう言う事にしておこう」



「――覗きの変態さん!!」



「……違いますー。あれはシンカの着替え中にたまたま転移しちゃっただけで、覗こうという意志は全くなかったんだ、本当だ」



「……本当ですか?」



「本当だ。ほら、この真っ直ぐな俺の目を見てみろ」



「……」



「……どうだ、信用できただろう?」



「すっごく、慌てている気がしますけど?」



「それはほら、あれだ。……まあ隠しても無駄だし? 落ち着いて、冷静に、周りを見てみろ、シンカ」



「周り?」



「ああ、そう」



「……――っ!?」



「俺が慌てているわけ、分かった? こういう状況だから慌てているだけであって、シンカに対してやましい事は何一つない。本当だぞ?」



「そそ、そんな事よりこの状況って、いったい何ですかっ!?」



「うん。そう言えば転移石って変な細工がしてあって、使うたびに碌な目に遭ってないなぁ、なんてコトを今更思い出しましてね」



「……周り、囲まれています」



「ああ、そうだな」



「逃げられ……そうですか?」



「いや、流石にこれは無理じゃないのか? 確かこいつらって魔狼だろう、魔物のランクで言えばとびっきりのAランク。出会ったら気をつけましょう、特に群れには絶対に出くわさないよう細心の注意を……とかだったかなぁ?」



「群れ……と、言うよりも巣、っぽいんだけど?」



「そうだなー。うじゃうじゃいるもんなー。適当に見つくろって、大体50匹って所か?」



「な、ならやっつけちゃう、とかは……」



「シンカって、強い?」



「全然、……包丁も持ったことないです」



「流石、筋金入りのお姫様」



「そ、そう言うあなたは?」



「ん~、まあ普通に考えてこの数は無理じゃね? もう諦めろって言う天の顕示かと」



「そんなっ!?」



「と、言うのは流石に冗談だ。でも魔狼が相手じゃ流石に足で逃げるってのは無理そうだし……どうすっかなぁ?」



「だ、大体っ、あなたはどうしてそんなに落ち着いていられるんですかぁ!!??」



「いや慌ててるって。十分に慌ててますよ? 本当だよ?」



「私と慌ててるレベルが違う!! 不公平ですっ!!」



「不公平って……そこはほら、経験の差とかそのあたりだと思うぞ。この程度の修羅場ならもう何万回くらいかは経験してるし、俺」



「なら何とかして下さいっ!!」



「分かってるって。俺だってこんなところで、こんな奴ら相手に死ぬ気はないし、ちゃんと安心して、俺を信じろ。な?」



「……こ、この状況じゃ、変態さんのあなたを信じるしかないじゃないですかぁぁ」



「俺、変態違う」



「でも、私の裸を覗い」



「偶然、不幸な事故。そう言う些細な事は笑って洗い流そう」



「私、男のヒトに裸見られたの初めて……」



「いつかそう言う時が来る。それが偶々あの時だったって話だ」



「もう、お嫁さんに行けない」



「……巫女って婿もらえるのか?」



「とっ、当然ですっ!! 私だっていつかは素敵な男性の方と、素敵な家庭を……それが、それが――私、汚れちゃったよ、姉さん」



「大丈夫だ、シンカほど可愛ければ幾らだって貰い手はあるだろうし、いざとなったら俺が貰ってやるから」



「……変態のお婿さんは嫌です」



「くっ、とにかく大丈夫だから。それにそういう心配はこの場を切り抜けてからにしろ」



「そ、そうですね」



「……さて、でもどうするかな。転移石をもう一度使うのは――」



「絶対、嫌です!!」



「……と、言うことで却下か。いい案だと思うんだけどなぁ」



「もっと酷い状況になったらどう責任を取るつもりなのっ!?」



「まあその時はその時って事で」



「もう嫌ぁぁぁ。姉さん、……助けて」



「――さて、と。そろそろおふざけしてる時間もなさそうだし。本気でどうするかを考えないと…………、ん?」




がさごそ、がさごそ




「い、今そこの草藪くさやぶが動きましたけど、この期に及んでまだ酷い状況に――」



「流石にそれはないと思いたいんだけど、つか魔狼が出てくるってこの辺りはどの辺なんだろうな?」



「そ、そんな事知りませんっ」



「いや、でも場合によっちゃ魔狼よりも……って、魔狼達もなにか警戒してる?」



「どどどどうしましょう!!!!????」



「座して天命を待とう」




がさごそ、がさごそ




◇◇◇




「――って、」



「きゃあああああああああああああ」





「……、?」





「何でそんな所に居ちゃいますか、アルさんってば!?」


ぐっすりと寝ていて遅くなりました。と、言うことで相変わらず話の流れが混とんとしているなぁ、と思ってみたり。

……基本、思いつきですから(汗)。


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