ど-388. 怪盗さん・つぅ~
怪盗“うさぎぴょんぴょん”・さんじょー
ど-190に出てくる怪盗“ネコにゃんにゃ”とは関係が……?
「怪盗“うさぎぴょんぴょん”と言う方々をご存じでしょうか、旦那様?」
「……なんかどこかで聞き覚えのある名前だな」
「何でもアクツォルト地方で最近出現する、義賊らしいですよ。悪徳商人などから財産を盗み、それを貧しい人々に配っているらしいです」
「義賊多いな、アクツォルト地方。つか、悪徳商人も懲りてねぇのな」
「何でも全身タイツの、ウサギ耳と尻尾をつけたお方の様で御座いますよ」
「バニーさん、ねぇ……」
「はい。巷では大人気だそうで。グッズも売っておりまして、一つ買って来たのですが、見ますか旦那様?」
「いや、いい。どうせまたリトルとかいう王子様か、そのあたりの変態だろ? ったく、モノ好きな奴等め」
「いえ、今回の件はリトル王子ではあり得ないかと」
「何でだよ?」
「怪盗“うさぎぴょんぴょん”は女性ですので」
「……女の子?」
「はい」
「が、全身タイツの、ウサギ耳とウサギ尻尾のバニーさんスタイルしてる怪盗さん?」
「はい。そう申し上げております」
「……まぁ、随分と奇特な奴だな、そいつ」
「ちなみに十二人いるそうです」
「……、……なあ?」
「はい、何でございましょうか旦那様」
「そいつら捕まえたら、『家にはお兄様がお腹を空かせてまっていますので~』とか言ったりしないよな?」
「そう言えばそのような事も仰っておりましたね。興味本位で捕らえただけでしたので逃がして差し上げましたが」
「って、お前一度捕まえたのかよ」
「はい。やはり一度本物を見なければ、と思いまして。ちなみにその時にこのようなものをお預かりいたしました」
「? 何だ、コレ」
「恋文、もしくは呪いの手紙はたまた不幸の手紙か単なる文通であると思われます」
「偉い落差ばっかりあるなぁ、おい」
「以前お会いした旦那様に、との事でしたのでお預かりしてまいりました」
「以前会った、ねぇ……」
「はい。モテモテで御座いますね、旦那様」
「コレが全部恋文とか、そう言ういい感じの手紙ばっかりだったらな。十二枚あるけど、内容はどんなのだか」
「ちなみにお一人様一通で御座います」
「ま、敢えて二通出すモノ好きはいないよな」
「はい。それと旦那様、くれぐれも手紙を開けるときは罠にお気を付け下さいませ」
「当然だ」
「それならばよろしいです」
「……しっかしさぁ、マイファの国の王族ってそんな奴らばっかりか?」
「さて? しかし王族が遊び呆けていられるのも国が平和な証拠であり、良い事だと私は思いますが?」
「そう言う考えもあるな。しかし……どれ、俺ちょっと出かけてくるわ」
「旦那様、どちらへ?」
「ちょっとアクツォルト地方まで。行って俺も実物とやらを見て来ようかなぁ~、と」
「うさぎさんですか」
「うさぎさんだ」
「全身タイツのウサギ耳ですか」
「全身タイツのウサギ耳だ。……止めてくれるなよ?」
「いえ、お止めはしませんが、お気を付け下さいませ? 捕らえた際に少々、旦那様限定の仮想敵を相手にした場合の怪盗としての手ほどきをして参りましたので、何かなさろうとするのであれば苦労なされるかと」
「その程度の苦労、何でもないさ」
「そうですか。では行ってらっしゃいませ、旦那様」
「っし、じゃあ行ってくるぜ!」
「はい。お早いご帰還、お待ちしております」
「土産話を楽しみに待ってろよなっ!!」
「……はい、では楽しみにしておきましょう」
なんか今思い返せば出てくる王族ってまともな奴が一人もいなくないか? と思わなくもないけど。
――まぁいっか。
にっき・十日目
【今日は節目の十日目と言う事で、改めて今までの日記を見直してみる事にした。
結論を言うと、「駄目な奴だな、こいつ」である。
客観的に自分を見て改めて分かるダメさもあるのだなと改めて実感できたことは良かったと思う。
さて、それにしても何処から直していけばよいのやら】