ど-382. さあ、踊りましょう
眠いぞ、うきゃー!!!
「旦那様、こちらをどうぞ」
「……、お盆?」
「はい。もう一つ御座います」
「ああ。んで、このお盆をどうしろと?」
「その前に――服をお脱ぎ下さい」
「ず、随分と大胆な事を言うんだな」
「今日はちょっとだけ攻めてみようと思います」
「……今日は? ちょっとだけ? いつも、の間違いじゃないのか、ソレ」
「その可能性も御座います。では旦那様、服をお脱ぎ下さいませ。ご希望されるのでしたら私がお手伝いいたしますが?」
「いや、いいから」
「……そうですか」
「なんか残念そうだな?」
「それは旦那様の残念な妄想です。いざとなれば旦那様の服程度、無理矢理でも破り捨てる覚悟ですので残念でも何でもありません」
「もしお前が俺の服を破り捨てる気なら、その時は思いっきり叫んでやる」
「それは非常に興味深いので、今から旦那様の服を破り捨ててもよろしいですか?」
「宜しくない。つーか、お前は俺の服を破り捨てるのに何か執着でもあるのか」
「いえ、全く。そもそも被服部の皆々様方が西端込めておつくりになられたものを、私が破り捨てるなど考えるはずがないではありませんか」
「ゃ、お前さっき俺の服を破り捨てるとか、散々ほざいてたのは何だよ、って話」
「御心配なく、旦那様。私ほどになれば服に皺一つつける事なく、かつ相手に気づかせることさえさせずに脱衣させる事など造作も御座いません」
「それはそれで怖ぇよ」
「では脱衣するのを望みますか? それとも脱衣させられるのを望みますか? それとも無理やり感たっぷりにやはり服を破り捨てられるのがお望みですか? もうっ、仕方のない旦那様で御座いますね♪」
「……ほんとーに、嬉しそうだな、お前」
「いえ。そのような事は御座いません。ですが、この様に演技した方が旦那様としても盛り上がるのでは御座いませんか?」
「何を盛りあがれと?」
「旦那様は露出狂なのですか?」
「違います。てか、俺の服を脱がせようとしてるのは他でもないお前だから」
「旦那様は時々破廉恥です」
「いや、だから破廉恥行為を働こうとしているのはお前の方。理解してる?」
「当然理解して居りますが、旦那様は少々気が早いと思います」
「何の!?」
「まだ明るい内だと言うのに、精力が旺盛ですか?」
「お前は……。なんで今日に限ってそこまでして俺の服を脱がせようとする訳?」
「それがしきたりらしいのです」
「しきたり? ……また変な知識をどこかから仕入れてきた、とかじゃないよな?」
「変な知識とは失礼な。“はだかえぷろん?”と同等なくらいには由緒正しきものとの事です」
「俺としてはお前が俺にさせようとしている事より、“はだかえぷろん”の方が気になるぞ」
「それはまたの機会にいたします。今は――さあ、旦那様。服をお脱ぎ下さいませ」
「まだ言うか。――て、そう言えば聞きそびれてたけど、このお盆二つって何に使うんだ、と言うよりもお前は俺に何をさせようとしている?」
「――裸踊り、と言うモノをご存じでしょうか、旦那様?」
「……、えいっ」
「ああ、お盆が空飛ぶ未確認な円盤のように――!」
「付き合ってられるかっ!! ……ったくよぅ」
「……旦那様の初心にも困ったものです」
「や、それは違うだろ」
なんかもう、色々と知るかって感じです。
にっき・四日目
【きょうもへいわないちにちだった。どこかの美人なメイドさんに付きまとわれて、可愛い女の子たちに振り回せれて、食事をするたびに綺麗なお花畑を見る事が出来て、自分は本当に幸せ者なんだなって思います。
幸せです。】
死合わせ、とも書く。